やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

年齢制限あり(?)の『スター・ウォーズ』 in ブダペスト 

 
 12月18日(金)はブダペスト日本人学校の2学期の終業式でした。

 その日はもちろん夫も平常通りの勤務日だったので、初日公開日からは一日遅れてしまいましたが、

  翌日の12月19日(土)家族で観に行ってきました。

 こんなお面を買ってきて、一番ワクワクしながらこの日を待っていたのは、もちろん我が家の大黒柱。

 というか、子どもたちはまだ『スター・ウォーズなんて観たことないし、


 かくいう私も・・・・

 こういう宇宙物のストーリーはどうも苦手で、今回も「予習」と称して、子どもたちが寝静まったあと夫と一緒に(夫にレクチャーをしてもらいながら)第1作(エピソード4)第3作(エピソード6)を家で観ておくことにしたのですが・・・

 肝心なところで意識が飛んでしまっていたり・・・・・・


 どうも宇宙で戦う系のストーリーって、途中でどこかに吸い込まれるような感覚になってしまうんですよねー。


 という不真面目なにわかファンのくせに(・・・ファンと言えるのか?)、それでもその日はなんとなくウキウキした気持ちで我が家からバスで10分ほどのところにあるショッピングセンター内の《Palace Mammut》へ向かうことができたのは、やっぱり「予習」のおかげかと。

 
 一方の子どもたち。

 「そういう、目がチカチカするのって観たくないんだよね・・・。映画館、音、うるさすぎるし。」とかなり乗り気じゃなかったけれど、

 「この映画をこのタイミングで観ておいても絶対損はない。」という親の強気の説得に根負けした感じで一緒に来てくれたみどり(小5)。

 でも、観終わったあとはそれなりにさわやかな表情で、「あの時のあの場面では・・・」という話にも積極的に入ってきていたので、少々強引だとは思ったけど、今回は一緒に観ることにしてよかったかな、と。


 映画は観たことがないけど、ゲームを通じて『スター・ウォーズ』の世界をかなり知っているらしい草太(小3)は、足取りも軽く、終始興奮を抑えきれないようす。

 でも、

 そういえば、最初のうちは「怖い」って言ってたっけ。

「怖いから観に行きたくない」って、確かに言ってた。


 いや、確かに。
彼にはさまざまな前科があるわけだし・・・

それを思えば、大画面でドンバチ戦いが繰り広げられるこの映画はもしかしたらヤバイのか? と、チラッと思ったりもしたのですが、

 うーーん、いや、今回は大丈夫なのでは?

 もう彼は、あの頃の彼ではない気がする・・・・。 


 そんな風に思わせる、この笑顔。


 と、後ろの看板の下の部分に目が吸い寄せられました。

 黄色い丸に12の文字


 マジですか?

 これ、12歳以下は観られない???


 夫はこれを知っていたのだろうか?

 知っていたのに、気づかぬふりして買っちゃったんだろうか?? 

 いや、こんなところでそんなことを確認している場合ではない。

 この年齢制限の拘束力ってどのくらい??


 一瞬、あせりましたが、

 結局、チケットもぎり(・・・って最近は言わないか)のお姉さんも、身長130cm以下の子どもを特に咎めるでもなく、
っていうか、全くなーーんの問題もなく13番上映室に入ることができました。

 みどりはともかくとして(いや、みどりも正直厳しいとは思うけど)草太はどうがんばっても12歳には見えない気がするので、
もしかしたらこの年齢制限って、“きちんと守らなければならないもの”というレベルではないのかも。
 というか「観ちゃダメ」じゃなくて「保護者同伴」とかの条件付きってことかも。

 日本でも「GP指定」とか「R指定」とかいろいろあった気がするし。


 で、

 肝心の映画ですが、

 いや、「予習」しておいてよかった。

 まだ観ていない人もいると思うので多くは語りませんが、

 だいたい、英語音声ハンガリー語字幕

 しかも地球ではなく、どこかよその星(銀河系?)でのお話。

 予備知識無しで観て、理解できるはずがない。

 誰がで誰が味方なのか。

 どっちがいい人でどっちが悪い人なのか。

 それがまず視覚でわかるようになっていただけでも、大きな助けになりました(笑)

 そして
「こういうふうにして物語は続いていくのかぁ・・・」と、しみじみ思い、
次回作ができたらきっと観に行くに違いないと思っている自分がいます。

 40年近くもの長い間、人々に支持されながら制作が続けられた映画の底力、のようなものを感じました。


 
  
 ところで、我が家の前科3犯(いや、4犯?)の草太くん(笑)ですが、

 やっぱり彼も成長しておりました。

 今回は無事、最後まで思いっきり楽しむことができたようです。 


 それどころか、

 なんとか予習をしていたおかげで話の内容についていくことができた私と同レベルか、
あるいはもしかしたら、それ以上の理解度だったのかも・・・。ゲームの力、恐ろしや。



 ところで、このハンガリーでの映画の年齢制限って、結構興味深いものがあります。


 少し前に日本でも話題になった『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』(原題『FEHÉR ISTEN』白い神)

 この映画は16歳以上と書かれており、


『スター・ウォーズ』とほぼ同時期に日本でも封切られている話題作『リザとキツネと恋する死者たち』(原題『LIZA ~A RÓKATŰNDÉR~』リザ ~キツネの妖精~)も16歳以上。

※それにしても、この毛筆体のような不思議な字体で書かれたものが【LIZA】って・・・、
すぐに読めますか?こういう発想って私たち漢字圏の人間からは出てきにくいですよねえ?


 特に『ホワイト・ゴッド』の方は、人間が犬に襲われる、というショッキングなシーンもあり、あまり小さい子には見せなくてもいいんじゃない? という場面も多々あるのですが、でも犬大好き人間であふれているハンガリーでこういう内容の映画ができたということに深く考えさせられる作品です。


 そして、こちら。
同性愛者の男性が主人公のとても“刺激的”な内容満載のコメディ映画『Coming Out(カミング・アウト)』

  12歳

 これには、びっくり。
 
 自分が“同性愛者である”ことは周りの人みんなが知っている、という有名人の主人公が、実は女性にも目覚めてしまった・・・自分はただの「ゲイ」ではなくなったのだ、ということを“カミング・アウト”するという内容で(確か・・・)、それなりに際どい場面も出てくるのですが、

 これは12歳という年齢に達していたら観てもいいらしく。


 このDVDのパッケージにも書かれている年齢についての部分、ちょっと調べてみたら、
《◯歳未満の子どもにはお勧めしません》という意味のことが書かれているようなのですが(たぶん・・・)、


 ということは、つまりこの『Coming Out』の場合は、

12歳になったら、まあ、観てもいいんじゃない?という映画、

 ということに。

 
 この『Coming out』『スター・ウォーズ』が、12歳以上OKという同じカテゴリーに収まっているのって、なんとなく日本人的には異文化を感じてしまうんですけど・・・。



 話は戻って、この日、封切り2日目の12月19日(土)、私たちが行った《Palace Mammut》(それなりに大きなシネコンです)での午前10時上映の観客数は約40名ほど。

 これまで映画を観に行っても座席が半分以上埋まっていることなど全く無かったブダペストの映画館。
特にハンガリー語吹き替えになっていない英語オリジナル音声での上映作品だと、時には私たち夫婦で貸切状態になったこともあることを考えると、さすがにこの日は今までにない観客数と言えたかも。

 それでもコスプレ姿の人などは皆無(笑)

 せっかく買ったお面(なんと6枚入りだった!)も、ひっそりと夫のカバンにしまわれたまま帰宅しましたとさ。