やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

ハンガリーのお月さんの中に見えるもの。


 ふと気づくと、周りの景色がすっかり「秋」になっているブダペストですが・・・

 先月(9月)の終わりの《中秋の名月》のころの話題を。


 なんでも今年は、その《中秋の名月》と言われる9月27日のお月さんの、

 その翌日のお月さんが《スーパー・ムーン》で《ブラッド・ムーン》・・・

 とかで、
 この時期、世界中のあちこちでいろいろと盛り上がっていたのもまだ記憶に新しいかと思いますが、(・・・いや、でももう随分前の事のような気もしますね(笑))

  
 そんな日を数日後に控えた9月25日(金)。
 ブダペスト日本人学校では【お月見集会】が開かれました。

 海外にある多くの日本人学校がそうであるように、ここ、ブダペスト日本人学校でも
【七夕集会】【クリスマス集会】など、日本の行事を紹介したりハンガリーでの行事を理解したりするためのミニ・イベントが年に何度か開かれます。

 今回の小学部対象の【お月見集会】は1時間目が始まる前の朝の時間を利用して行われました。30分ほどの短いイベントでしたが、この集会のホストが3年生だったこともあり、見に行ってみることにしました。

 
 さて、3年生12人が小学部の児童約50人の前に立ち、その周りをぐるっと先生たちが取り囲み、後ろの方にはちょろっと3年生の保護者が見守る中、【お月見集会】の始まり始まり〜。

 
 まず、「はじめの言葉」に続いて、プログラム1 『お月見クイズ』


これがいきなり面白かった(笑)


第1問:日本ではお月さんの中には【餅つきをしているうさぎ】が見えると言われていますが、
では、ハンガリーでは月の中にはなにが見えると考えられているでしょうか?

  1.チーズ
  2.バケツを運ぶ女の子
  3.薪をかつぐ男


 1.の「チーズ」に手を挙げた子は、5年生のT君ただ一人。
 他は、2.と3.に分かれたのですが・・・


 答えはなんと 


 1.の「チーズ」


 これにはみんなびっくり。


 まんまるお月さん。 

 確かに色は黄色っぽいけど・・・。 

 そして影のように黒く見える部分がチーズの穴・・・??

 あまりのシンプルさに逆に妙な新鮮さを覚え、
「やっぱりここって外国・・・」としみじみ思いました。


 ちなみに、2.の「バケツを運ぶ女の子」はカナダ、3.の「薪をかつぐ男」はドイツだそうです。

 
 第1問からこのハイレベルな(?)問題。

 じゃぁ、第2問は・・・・?

と思ったら

 
第2問:お月見の時にそなえる食べ物はなんでしょうか?

  1.月見バーガー
  2.月見だんご
  3.月見うどん


 えぇぇぇ〜・・・・・

 これって、もしかして “ひっかけ問題”?? 

 なんて思ったりもしたけど、答えは素直に2.「月見だんご」

 こんなところで「さすが小学3年生の企画だわ」と、なんとなく微笑ましく思ったり。


続いて
第3問:9月28日の満月はどんな色に見えるでしょう?

  1.青
  2.緑
  3.赤


 これが、今回ヨーロッパやアフリカ、それに南北アメリカ・・・という、日本以外の広い地域で見ることができる、と前評判の高かった《ブラッド・ムーン》ってやつなわけですね。

 この「血」のように赤く見えるというお月さま、結局は《皆既月食》となるために見られる現象・・・とのことなんですが、
こういう天体系の話が非常にニガテな私は、いろんな記事での説明を見て、それを読んだ時は「ふーーん」と思うくせに、でも結局良くわかってない・・・ということをこの年まで繰り返しています。
 大人になれば自然にわかってくるものだ・・・と、無邪気に思っていた子どものころの自分が、今となっては恨めしい。

 そんな私でもなんとなくその仕組みがわかるのが《スーパー・ムーン》なわですが(なんの自慢にもなりませんが)


 で、今回のように、この《スーパー・ムーン》《ブラッド・ムーン》が重なるのは、かなりレアだってことで皆さん盛り上がってたんですよね。

 NASAもこんな映像まで作っていたそうで。


 へーーー・・
 真っ赤なお月さまが見えるのかぁ・・・とみんなにちょっとしたワクワク感を与えたところで

 あっという間に(この3問で)『お月見クイズ』はおしまい。
 
 
 今度はアート・タイム

 この集会の前に参加者全員に作ってもらった折り紙の「うさぎ」を、
 用意しておいた画用紙に貼り付けて「お月見の飾り」を作る、というもの。


 高学年の男子の中には、
「こんなのやってられませーーん」という態度の子もちらほらいたようですが、それでもこういった作業をすることで、たぶんどの子の中にも「お月見」という行事がそれなりにインプットされ、この週末、「そういえば、今日ってお月さん見えるかな。」なんて思い出せたりするんじゃないかな・・・と、そんなふうに思えました。

 ま、実際は、ブダペストはこの週末(・・・・というか、このあともしばらく)ずっと厚い雲に覆われていて、お月さんはほとーんど見えなかったのですが。


 それにしても「月の中にチーズ」 ってホントに斬新。


 そして、ふと思いました。

 あれ? エジプトってどうだったっけ?

 ベトナムも、それこそ《中秋の名月》って思いっきり大きな行事になっていたけど・・・あそこってお月さんの中には何が見えるって言われてたっけ?? 

 モンゴルは? 
 

 マレイシアインドネシアは?? きっと一度は「月の中に何が見える?」なんてことが話題になったことがあったと思うんだけど・・・・
 
 全く思い出せない


 がんばっても本当に思い出せないので、いろいろ調べてみたら、こんなのを見つけました。

『月のウサギ伝説』http://www.geocities.jp/planetnekonta2/hanasi/moon/moon.html


 そして、こちらのサイト(http://www12.plala.or.jp/m-light/View.htm)には

インドネシア:女の人が編み物をしている
ベトナム:大きな木とその下で休む男の人の姿
モンゴル:犬、うそをつくと月の犬は吠える

 とありましたが・・・

 これを見ても、やっぱり「ふーーん、そうなんだ〜・・・」程度。

 
 ホントに今まで話題にのぼることがなかったのか、
 あるいは、きれいサッパリ忘れちゃってるのか・・・

 それすらも、もはや分からないけど、

 でも、ハンガリーの「月の中にチーズ」は、これはなんだかいつまでも覚えていそうな気がするなぁ・・・・




【おまけ】

 9月28日 21:45のお月さま。 これじゃ、何がなんだか全然わからない・・・



 後日、校内のに掲示されていた『お月見クイズ』の時の小道具たち


【続報】

・・・またしても異文化・・・

 このブログを読んだ日本人学校のH先生が、こんな歌を紹介してくれました。

タイトルはズバリそのまま ♬「チーズから月はできてる」
 
 てっきり『みんなのうた』的なものを想像しつつ聞いてみたら・・・

 えぇぇ・・・??

 この雰囲気・・・。
 こっち系?

 そして、しかも、というかなぜかというか、観客席には大勢の年配の方たち

 最初からノリノリの曲で、サビの部分では
 ♪ 月はチーズでできている と、何度も繰り返され・・・。

 なんという不思議な雰囲気。

 で、ちょっと調べてみたら、このボーカルのDemjén Ferenc(デミエーン・フェレンツ)さん、1946年生まれの68歳!

 奥が深いです。ハンガリー。