やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

あぁ、思い出深き【トカイ果実酢ツアー】 

 
 ブダペスト日本人学校の夏休みが始まって一週間。

 この夏休みに入る前から思っていたんですが、ここまでメリハリのある夏って今まであまり経験したことがないような気がします。《メリハリ》とはもちろん《気温》のこと。

 35℃程度のがっつり暑い日がしばらく続いたかと思ったら翌日いきなり過ごしやすい気温〜26℃程度〜になり、そのギャップの大きさに、この程度の気温でも肌寒さを感じたり。
 そんな感じのことが既に数回繰り返されているブダペスト。

 ここ数日を見ても、夏休みに入ってすぐの時はしっかり暑かったのに今日の予想最高気温はなんと19℃。明日は22℃だそうな。

 なんだか《ヨーロッパの爽やかな夏》などというものを味わうことなく今年の夏は終わってしまうのでは? というちょっと悲しい予感。



 と言いつつ実は、すでにしっかり夏休みらしい思い出もひとつできておりまして。

 それが、先週の土曜日の【トカイ果実酢ツアー】



 トカイといえば《トカイ・ワイン》

 ハンガリーの《トカイ・ワイン》 ー 名前だけは聞いたことがある、という人も多いのでは?
 黄金色の輝き、そしてまるでハチミツを入れているかのようなトロリとした甘み

 この《トカイ・ワイン》については、今回は興味のある方は
  こちら(ウィキペディア:トカイワイン 👉http://bit.ly/1KyHuFz)や、 あるいはこちら
👉『ルイ14世を唸らせたワインの王様がハンガリーの小さな村にあった!』 http://bit.ly/1LVuME3
👉『ハンガリーのワイン』http://bit.ly/1U4TGSR
あたりを読んでいただくとして・・・。(全く見ず知らずの方が書いたものですが、予備知識のない方にもわかりやすいように書かれていると思います。)


 というのは今回のツアー、タイトルにあるとおり主役はお酢、【果実酢】なのです。(もちろんワイナリーにも行きましたが。)

 
 さて、この【果実酢】
米や麦、とうもろこしなどの穀物を主原料としたものが【穀物酢】で、リンゴやブドウなどの果物を原料に作られたものが【果実酢】、ということになるそうですが、今回見学させてもらった工場で作られていたのは、
トカイ地方で穫れたブドウや、そのブドウで作られたワイン(=トカイ・ワイン)を発酵させて作ったお酢(=ワインビネガー)


 そう聞いただけで、なんだかとってもフルーティで自然の甘みたっぷりの良質のお酢に出会えるに違いない、という気持ちにさせられます。

 
 ということで、2015年7月25日(土)の日帰り(!?)【トカイ果実酢ツアー】を振り返りながら、今はまだ《幻の》と言っても決して大げさではない《トカイ・ワインで作ったお酢》をご紹介。
 


 まずはブダペストの東駅から列車で2時間半。ブダペストから東へ200キロほど行ったところにあるセレンチへ。(セレンチ〜トカイ間が工事中のため少し手前の駅で下車。)

12時少し過ぎに、ほぼ予定通りに到着したセレンチから貸切バスでトカイの果実酢工場へ。

 びっくりするほど綺麗なバス。


 10分少々バスに乗り、到着したのがこちら。

 果実酢工場。兼 展示ギャラリー。


 まず案内されたのは地下の商品展示スペース。


 
様々な商品がなんともお洒落に並べられていました。



 
右の3つは《トカイ・ワイン》で作ったお酢にタイムタラゴンなどのハーブが入った
ハーブ酢。



 果実酢をつかったレシピも。



 ここでは「お酢ができるまで」や「ハンガリーの果実酢の歴史」といった内容のVTRも見せてもらったのですが・・・字幕の英語が速すぎて残念ながらほとんど理解することは出来ず(涙)

 

 果実酢が入っている樽。
 5〜6年前に収穫されたブドウで作られたものだとか。書かれている日付は樽に入れられた日付。



 このビニールカーテンの向こうにはトカイ・ワインが入っている樽と、そしてそれを発酵させるための樽(いずれも大きな金属製)がありました。カーテンに近づいただけでかなりの匂いが。


 さぁ、いよいよ試飲(試食?)のお時間です。

 ずらりと並んだ商品は全部で21種類

手前の大きめの瓶は「リンゴ酢」。
その横に並んでいるのは、トカイのブドウで作ったお酢(バルサミコ酢)に、いろいろな果物(ラズベリーやブルーベリー、イチゴにザクロにアンズにサワーチェリー・・・)の濃縮エキスを加えた果実酢。


 一人ひとりに小さいスプーンが配られ、そこにスポイトでぽちんぽちんと1〜2滴ずつお酢を垂らしてくれます。
 酸っぱ系が激しく苦手な草太は最初から口をつけようとしませんでしたが、みどりはたぶん10種類以上は試してみたのでは・・・。

 色々なフルーツ・フレーバーばかりでなく、「ナシとラベンダー」「プラムとバニラ」などというミックス系のものもあり、それぞれ微妙に違った味と香りが楽しめます。
 
 その他にもトカイ地方で最も多く穫れる「フルミント」というブドウから作られた果実酢や「アスー・ワイン」から作られたまろやかな甘さのお酢もあり、やはりこの辺が王道という感じがしました。
 
 

 でも、いくら色々な味と香りが楽しめる・・・と言っても10種類以上も続けて味見していると、どの味が一番! 

 ・・・なのかわからなくなってきてしまうもので。


 それでもがんばって吟味して、我が家が購入したのはこちら。
 

 今年の“Superior taste award”(最優秀味覚賞?)を受賞したという「アスー・ワイン」で作った甘めのお酢(左:2,800フォリント)と、こちらの工場のお兄さんイチオシの「ラズベリー・フレーバー」のお酢(右:2,800フォリント)。それからミニボトルの3本セット(1,600フォリント)
※詳細はこちらをどうぞ:http://www.borecet.hu/
 ちなみにこちらの2,800フォリントのボトルはブダペスト市内のお店では4,500フォリント程度で売られているそうです。


 それから、ブドウの絞りカス(皮や種)で作ったジャム。添加物一切なし。驚きの甘さ。このブドウから絞られたエキスがどれだけ甘かったかということがよくわかります。890フォリント


 第二次世界大戦後、すっかり途絶えてしまったという「お酢産業」・「ビネガー文化」が、じわじわと復活しつつあるハンガリー。

 今回訪問した家族経営のこの小さな工場が、この国の「お酢産業」・「ビネガー文化」のセカンドステージを今まさに引っ張っていっているところなのかもしれません。



 さて、ランチを済ませて
お次はワイナリーへ。

 途中の景色がいいんだなぁ、これが・・・。





 縦一列ずつ色々な種類のブドウを栽培している畑。


 どこまでも続くブドウ畑。


 Patricius Borház(パトリシウス・ワインハウス)



 この木のドアの向こうがワインの貯蔵室。周りの壁の黒いものはもちろん天然&良質のカビ





そして、いよいよテイスティング・タイム

 今回は、3種類で2,000フォリント(≒880円)

甘かった・・・
もっと甘かった・・・

 


 こんなすごいお値段のワイン、普段はほとんど目にしません。
 500ml 21,000フォリント(≒9,250円)
 ※これはさすがに試飲できず。



 

 
 充実した時間を過ごし、帰りの列車に乗るべく再びセレンチ駅へやってきたのが17:40。

 ブダペスト東駅へと向けてセレンチを出た17:51発のその列車は・・・・・

 
 線路内に木が倒れ込んでおり、それを動かすことが出来ない


 というアクシデントに見舞われ・・・


 途中のHatvan(ハトヴァン)という駅でややしばらく停車。

 その後、大きく迂回してÚjszász(ウーィサース)という小さな駅へ。

 ここでまたしばらく停車。


想定外のアクシデントで立ち寄ることになったÚjszász駅。

・・・・・・何もない。


 列車がÚjszászの駅からブダペストに向かって動き出したのがなんと午後11時



 それでも頑なに《ブダペスト到着予定時刻20:30》と表示し続けていた車内案内板。
 

 無事ブダペストに到着した時はかなり頭も朦朧としていたので正確な時間は覚えていませんが、タッチの差で日付が変わってしまっていたかもしれません。


  
 こんな大きなオマケも付きましたが、長時間の車内待機時はたまたまツアー同行メンバーでの『しりとり遊び』で盛り上がっていたりしたのが幸いでした。

 今回のツアーをアレンジしてしてくださった舞衣さんも、車内アナウンスも皆無という状態の中(本当に見事になんにもなかった)、情報収集に努めて下さり・・・本当に忘れがたい“夏休みの思い出”ができました。


 この【トカイ果実酢ツアー】、今後も人数が集まればアレンジしてもらえるとのこと。

 8月中にも開催予定とのことですので、ご興味のある方はご一報を。
 
 

🎵今回訪問した果実酢工場・ギャラリーhttp://www.borecet.hu/ ネット注文可

🎵今回訪問したワイナリーhttp://patricius.hu/hu/