やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

もうひとつの夏の思い出【Red Bull Air Race】


 ここ数日『ハンガリー』というキーワードで入ってくるニュースはほとんどが今月24〜26日にかけて行われた『F1ハンガリーGP(グランプリ)』のことばかりなのですが・・・

 残念ながら、私自身はまだF1というものとは縁のないまま歳を重ねてきてしまっており(マレイシアに住んでいたこともあるのに・・・鈴鹿サーキットのすぐ近くに住んでいる友達もいるのに・・・)
「せっかくブダペストにいるんだから一度は見に行かねば!!」という気合いも今ひとつ入らず。


 だいたい会場が遠い。


 自家用車を持ってない人はいったいどうやって行ったらいいの? という場所で開催されているので「ちょっと見に行ってみようか」という気持ちにもなかなかならず。
 (いや、実は去年一度そういう気になったんだけど挫折)

 とは言っても、そもそも「F1大好き!」「エンジン音聞いたら身震いする〜!!」という熱い想いが自分の中にあれば、どんなに大変なところでも出かけていくんでしょうけど。


 そんな私の心にドキューーーンと直球で飛び込んできたのが、7月最初の週末(7月4〜5日)、まさにブダペストの街の真ん中で開催された【Red Bull Air Race】でした。


 陸ではなく、空でのレース。

 6月頃から街のあちこちで宣伝ポスターを目にするようになった【Red Bull Air Race】ですが、飛行機での“レース”、“競争” というものがイメージできなかった私は、「航空ショー」のようなものかな・・・くらいにぼんやりと思っていたような気がします。

 
 ところが

 7月3日、大会前日の金曜日には、翌日のレースの試験飛行をしているらしい飛行機のプロペラ音が朝からギュイ〜ン、グォ〜〜ン。自宅上空で旋回しドナウ川の方に飛んでいく飛行機を何度も見ているうちに、

「そうだ、買い物に行こう!」
 

 明日からのレース会場となるドナウ川までは自宅からバスで10分少々
 
 買い物ついでにドナウ川沿いを散策し、翌日からのレースの観戦場所を下見しておこう、と猛暑の中、出かけることに。(この週末はむちゃくちゃ暑かった・・・・・)
 そこで目にしたのは、ものすごい勢いで上空から川の方へと滑るように飛んでいく飛行機たちと、レースの合間に見せる空軍の航空ショーのリハーサル。



 パラシュートで小さな浮きボートにパサリパサリと落下



 水面からほんの数メートルのところでの大型ヘリのホバーリング



 人を6人もぶら下げたまま上空を移動するヘリコプター



 そして、ドナウ川にかかる橋の上から明日のレース用のパイロン(・・・って言うらしいですね、あの巨大三角コーン)を眺めると、もう高揚感がじわりじわりと・・・

 
 
 予選レースが行われる翌日の土曜日の気温も、30℃を軽く超える予報になっていましたが、これは絶対ナマで見なくては・・・そんな気持ちになっていました。
 


 7月5日(土)

「今日も明日も(この暑い中)出かけるのはイヤ」という子どもたちを家に残し、ご近所M家のママ&子どもたち、そして私たち夫婦とで午前中からドナウ川のレース会場へ。



 まずは橋の上を移動しながら「チャレンジャー(限定免許)クラス」の予選レースを観戦。



 次はドナウ川の東岸を南下し、


 今度は真横から。
 (橋の上は眺めもよく迫力も満点ですが、なんせ暑い。)


 その後、さらに南下して、鎖橋のたもとの辺りから今度は「マスター(限定解除)クラス」のレース観戦。


 マスタークラスの場合、スタート地点まで飛んでくる際に鎖橋の下を猛スピートでくぐり抜けていきます。


 規定のコースを2回飛んだら、今度は橋の上をかすめて帰っていく・・・・。


 そこそこの木陰があるこの場所は、レジャーシートや小さい椅子などを持参して、いい感じに日陰を確保しながら観戦できる場所かもしれません。

 ただ、目の前で見られるのはスタート・ゴールだけなので、ものすごい加速のまま空中に弧を描いて折り返す時の迫力を感じることは難しいかと。 





 西日の強さが厳しくなって来る前に、さらに場所を移動。
 

 今度は対岸へ行き国会議事堂を見下ろすことのできる場所(漁夫の砦)へ。

 もともと観光スポットであるこの場所には、今日のレースに関係なく普通に「ブダペスト観光」を楽しんでいる人たちと、人混みを避けて高いところからゆっくりとレースを見ようという人たちで賑わっていました。



 この辺りは夕方になると完全に日陰になるので暑さが厳しい時にはオススメの場所

 ただし、全体像は見渡せるものの、目の前を飛行機が駆け抜けていく迫力を感じることは出来ないのがちょっと残念。


 ほぼ最終レースまでしっかり観戦し、マスタークラスに出場している日本人パイロット室屋義秀(むろやよしひで)選手が予選を2位で通過したことを知り、喜び勇んで帰路につきました。
−−結局、どの飛行機が室屋選手だったのかは会場ではわかっていなかったのですが−−

 


 7月5日(日)

 前日に負けないほどのみごとな暑さ

 でも決勝レース進出を狙う室屋選手の飛行機も今日はしっかりチェックして、双眼鏡も携えて三度ドナウ川沿いへ。

さすがに最終日の今日は子どもたちも観戦。(が、パパはこの日からフランス出張)

 前日と同様、橋の上→川の東岸と移動しつつ、暑さと闘いながらレースの行方を見守りましたが・・・


 なんと残念なことに、アジアの星室屋選手、最終レースまでは残ることが出来なかったことをテレビ中継から素早く確実な情報をGETしていた友人経由で知り・・・

 暑さも半端なかったので、この2日間のハイライト、決勝レース等は家のテレビで観戦することにしました。
 
 自宅に戻ってからのテレビ観戦では、ここぞという時にはパイロットの顔が大写しになり、画面の下にストップウォッチも表示され・・・

 レース会場での生の臨場感とはまた違った迫力と、レース展開の驚くほどのわかりやすさに感動。

 
 この2日間、これでもかというくらい色々な場所からレースを観戦したものの(テレビも含め)、結局、文句なしのベスト観戦スポットを見つけることはできなかったのですが、でもそのおかげで
「どの場所から見てもありがたい点と今ひとつ残念な点がある」ということが分かったのは大きな収穫でした。



 2003年にハンガリー人パイロットピーター・ベゼネイによって提案されスタートしたというこの【Red Bull Air Race】

 2003〜2010年まではずっとブダペストでも開催されていたそうです。(2011〜2013年の3年間はレースそのものが開催されず)

 今回、久しぶりにブダペストでも開催されたこの空のF1レース

 この感じじゃ、来年もあるんじゃないかなあ?

 あったら絶対見に行っちゃうだろうなあ・・・

 なんたって家からバスで10分ちょっとなんだもの。会場まで。



・・・百聞は一見にしかず・・・

 
 


【うれしい後日談】
 土・日とも一緒に出かけていたご近所M家のSちゃんが、ブダペストの空で繰り広げられた航空レースを見て、俳句(・・・いや、季語がない感じだから川柳か?)を作ったら、それを担任の先生が室屋選手にメールで送ってくれたんだそうです。
 今回の【Red Bull Air Race】では、マスタークラスでの唯一のアジア人パイロットとして参戦していた室屋選手。惜しくも最終レースには残ることが出来ませんでしたが、「日本人パイロットが参加している」ことが、私たちのワクワク感を高めてくれたことは間違いありません。どんなスポーツであっても“応援したい人”がいてくれると、俄然見る側の気持ちの盛り上がりも違ってくるのが不思議です。

 
  そんな思いを伝えるべく、Sちゃんの俳句(川柳?)を室屋選手本人に送ってくれたという担任の先生の気持ちも嬉しいし・・・

  そして、なんと!
 
 その後10日ほど経った頃に、『応援ありがとう』と、室屋選手から返事が届いたというのもこれまたなんとも言えず嬉しいことで。

 来月はイギリス、9月にはオーストリア、アメリカ・・・とまだまだレースが続く室屋義秀選手。
 これからも応援していきたい人がまた一人増えてしまった・・・・。


室屋義秀:http://bit.ly/1UbxM0o
 
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