やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

『炎のコバケン』、真正面・・・・・!!

 
 そうなんです。

 本当に「真正面(まっしょうめん)」だったんです。

 すでにあの夜から1週間経っているのですが、あの時の感動はビンビンに残っています。

 
 「コバケン」こと小林研一郎さんのことは皆さんよくご存知とは思いますが、一応念のため・・・ ウィキペディア<小林研一郎>http://bit.ly/1iBvmpN




 で、突然ですが、小学校の頃こんな「なぞなぞ」耳にしたことありますよね?

《お客さんにず〜〜っとお尻を向けたままでも失礼じゃない人ってだーれだ?》
答え:オーケストラの指揮者



 そう。

 オーケストラの指揮者は、普通は観客にお尻を向けているものなのです。

 だから『炎のコバケン』の情熱的な指揮を見にコンサート会場に出かけても、目に映るのはその情熱的な後ろ姿のみ・・・のはず。


 しかしっ!
 
 3月19日(水)ブダペストの『芸術宮殿 バルトーク国民音楽ホール』で行われた【小林研一郎ハンガリーデビュー40周年記念コンサート】では、彼は私たちの目の前で、私たちに向かって、魂のこもった情熱的な姿をこれでもか!というくらいに見せてくれました。まさに「真正面」から。


 春休みのこの時期、もしかしたら旅行などでブダペストにはいないかも・・・などと思っていた私たちは、この記念すべきデビュー40周年記念コンサートのチケットを事前に手配していませんでした。

 結局、諸般の事情でブダペストに居ることになり・・・この日はコンサート当日に直接会場に電話をして「当日券」の有無を確認。

 電話の向こうでは何やら一生懸命説明をしてくれるものの、彼女の英語が私にはどうしても聞き取れず。
「結局、今日のチケットはあるんですか?無いんですか?」と重要な部分のみ確認させてほしい私に、詳細を説明しても理解してもらえないと悟ったらしいその人は、
「OK。4人分ですね。あります。ただし開演の1時間前までに会場窓口に行ってチケットを購入する必要があります。」

 なーんだ。
 
 あるんじゃん。
 でも、当日券が残っていたなんてラッキー♥


 そして、会場に行き、チケットを手にし、その座席の場所を確認した時に、電話の向こうで彼女が説明しようとしていたであろう内容がやっと理解推測できました。


「チケットはありますが、場所はオーケストラの後ろ側になります。」

 つまり、オーケストラを前から見ることができません。演奏している人の後ろ姿しか見ることができない位置ですが、それでもよろしいですか?  彼女はそう言いたかったのです。


 
 これが、自分の座席から会場を撮った写真。(団員がステージに上がってくるところ)
 手前がステージで、その奥に観客席がずずーーーっと続いています。
 ステージの右側前方にバイオリン、左側にチェロやコントラバス。
 写真の一番手前、つまりステージの奥の部分にティンパニなどの打楽器が並んでいます。

 
 
 こちらが、ステージのすぐ前から後方を撮ったもの。
 オーケストラの後ろに3列並んでいる紺色の椅子が合唱団用の椅子。
 その後ろの少し高くなっているところに3列並んでいるモスグリーンのシート。
 そこが私たちの席。
 3列目(一番上)のど真ん中に帽子を被った夫と草太が写っているんですけど・・・分かりますか?

 ここが私たちの座席でした。

 それなりに距離はあるものの、本当に真正面でこちらを向いた状態で指揮者の姿が見える位置です。

 
 すごいですね。

 本当にすごかったです。

 普段は見ることのできない指揮者の姿をまるまる全部、真正面から
 

 こっちからまるまる全部が見えているだけに、向こうからもこちらが見えているに違いない・・・そんなふうに思え、

 演奏の途中から、普段はもうすっかり寝ている時間帯に突入してしまった子どもたちの意識が遠のいて行き、すっかり力尽きて座った姿勢を保てなくなってしまった草太や頭ががっくんがっくんしてしまっていたみどりの姿も・・・

 あぁ・・・・見えていたんでしょうか???

 うぅ・・・・ごめんなさい。

 
 あんなど真ん前の席にうっかり座ってしまった私たちが悪いんです。


 でも・・・

 本当に素晴らしかったです。



 あまりの感動に、

「やっぱり来週の第九も聞きに行きたいよね!」となり(私と夫の間で)、翌日、早速次回公演、26日(水)のリスト音楽院ホールでのベートーヴェン交響曲「第9番」の演奏を聞きに行くべく、チケットを買いに行きましたが・・・
「Sold out」 
 
 
 まぁねー・・・・

 あのコバケンさんが、あのリスト音楽院の改修工事後のキンキラキンのホールで、あの「第九」を指揮する・・・っていうんですからねー。

 普通に考えて、あっという間にSold outになっちゃいますよねー・・・・・。



 そんなわけで、早めにチケットを手配していれば今日、リスト音楽院で第九を体いっぱいに浴びることができたのかと思うと(しかも演奏はリスト音楽院学生オーケストラで歌はリスト音楽院学生合唱団!)なんとも悔しい思いでいっぱいになるのですが、こればっかりは仕方がありません。

 少なくとも「第九」はこれからのハンガリー生活の中できっと聞くチャンスは有ると思いますし、リスト音楽院の皆さんの演奏を聞く機会もあるかと思いますので、その時はしっかりといいタイミングで情報をキャッチしたいものだ、と思う今日このごろです。

 
 
 

《この日、演奏された曲》
コダーイ・ゾルターンhttp://bit.ly/1dOH6kkガランタ舞曲(Galántai táncok/Dances of Galánta)
チャイコフスキーロココ風の主題による変奏曲(Variációk egy rokokó témára /Variations on a Rococo Theme)
カール・オリフカルミナブラーナ(Carmina Burana )



《小林研一郎オフィシャル・サイト http://www.it-japan.co.jp/kobaken/