やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

辿り着くまでが長かった「3月15日」@ハンガリー

 
その日は土曜日。

草太の4回めのサッカー練習に行った帰りでした。


  春の心地よい風が吹く中、バスの乗り換え場で胸にお揃いのバッチをつけた人達とすれ違いました。
楽しそうな笑顔で仲間同士かたまって歩くその姿に

「団体旅行も増えてくる時期だよなー。」

先頭に小旗を持ったガイドさんの姿こそ見えませんでしたが、私は、気候も良くなってきたブダペストにグループで旅行に来たご一行とすれ違ったのだと、その時思いました。



  が、少し進むと、さっき見たバッチが国旗と一緒に売られています。
 

「ん?さっきのバッチって、団体旅行の迷子防止用バッチじゃないの?」
「あ・・・!そういえば、もうすぐハンガリーでは選挙があるって言ってたから、選挙関連グッズだったのかな?」

バッチと小旗が売られていたことで、私は、どこかの政党あるいは候補者の支持者たちが選挙運動をしているところに出くわしたのかな?と思いました。



  そこからバスに揺られ、窓の外の見慣れた風景をぼーっと眺めていると・・・
数日前から急に国旗が飾られだした「ガーボル・アーロン(という人)の碑」の周りに今までよりも多くの国旗・リボン・花輪のようなものが飾られ、その前に多くの人が集まっているのを目撃。
 
 
  どうやらテレビカメラも来ているようで、なんとなく「政治家」っぽい雰囲気の人たちがその前で写真を撮ったりしています。
  周りにはガードマンらしき人の姿も。
  その「ガーボル・アーロン(さんの)碑」のすぐそばのバス停からは、さっきまでそこにいたらしい人たちがどどっと乗り込んできました。見るとほとんどの人の胸に最初に見かけたお揃いのバッチが。

 「んん?? これは明らかに何か式典があったって雰囲気。みんなあのバッチもつけているし。これってこのガーボル・アーロンさん関連のものだったの?」
いつもは目立たない「ガーボル・アーロンの碑」のこの様子に、私は、今日はこの国の歴史に名を刻まれているガーボル・アーロンなる人の命日かなんかじゃなかろうか・・・と思ったのでした。



 でも、なんだか気になって、家に帰り着いたらすぐにテレビをつけてみました。
こういう時、テレビがあると(きちんと現地のローカル放送が見られると)いいですよね。(ほんの1ヶ月ほど前にやっとテレビが見られる状態になった我が家^^;)

 
 つけてみてびっくり。
 

うわっ!
・・・・デモ!??、と一瞬思いかけて、すぐに「いや、いや・・・」と心の中で首を振る。

こりゃ、明らかに何かあるぞ・・・


 
立派な建物の前に集まる人々。


 
うわーーー・・・通りにも人があふれてるってこと??
こんなにハンガリー人が集まっているところ、初めて見た。


 
あ!! みんな胸にあのバッチを付けてる!!


 
そして、おもむろに白いギターを手にした人が登場して歌を歌い始め、


 
どなたかはわかりませんが、なんか厳粛な感じ。


 
とにかくたくさんの人、人、人・・・・

 このあたりで向こうでゲームをしていた草太もテレビに寄って来て
「え?何これ・・。デモ・・・??」

ははは・・・やっぱりそうだよね。

これだけ人が集まって国旗振ってたら・・・デモに見えても仕方がない
・・・ってか、それ以外には見えない、かも。
(我が家は“エジプト引き揚げ一家”


でも、見てごらん。
みんな嬉しそうな顔してるんだよ。
そして、なんというか・・・誇りに満ちた顔っていうか。


そして、ほら・・・
 
 う・・・歌と踊りが始まった。


 
 男性陣の軽やかなダンスも・・・。
 
 うわー・・・・「ハンガリー」な感じ〜・・・
 



 
おぉっと! オルバーン首相、登場!
(と、夫が言いました。私は彼の顔を見ても・・・・お恥ずかしながら(-_-;) でも今回のこれでバッチリ覚えた!)

 テレビに“まるでデモ!?”のようすが映しだされた瞬間に、これはどうやら国をあげての大きな行事であるに違いない、と思い、すぐにパソコンで検索。


《3月15日 ハンガリー》


 最初に出てきたのは【ハンガリー革命 (1848年) 】- Wikipedia http://bit.ly/1j64VsZ

そして、かなり前のものではありますがこんなブログも。
【ハンガリー / 革命記念日】http://bit.ly/1gYRyWz ←この日がどんな日で、どんなことが行われるかということが具体的にわかりました。



 いや〜〜〜、自分が住んでいる国のこんな大きな行事を知らずにいたとは・・・と、自分でもびっくり。

だからグーグルで検索しようと思ったときに、出てきた画面がこれだったわけね。
 
ハンガリー国旗のデザインで書かれた「Google」。


 そういえば、だいぶ前から街を走るトラムの車体に“3月15日”という日付と一緒に何か大きく書かれているのが目立っていたっけ・・・。
あれはこれのことだったのねー・・・と、今ごろ思ったり。

 

 ということで、

 今日私が見た人たちは、団体旅行のみなさんでもなく、選挙運動をしている人たちでもなく、ガーボル・アーロンさんという人を偲ぶ人々でもなく、
160年以上前のこの日、3月15日にハンガリー革命が始まったことを祝い、民族の誇りと一致団結の心を再認識しているハンガリー国民だったのでした。


 ん? いやいや、団体旅行や選挙運動とは関係なくっても、あの「ガーボル・アーロン」さんは、何か今日のこの革命記念日に関係があるからあそこがあんなことになっていたのでは・・・?
と思って調べてみたら、ありました・ありました。

 いや〜、ありがたい。
ちゃんとこうして書き残しておいてくれる人がいるもんなんですよねー。
本当にいい時代です。

【マジャールでごじゃーる】割れた卵の正体とは http://plaza.rakuten.co.jp/hungarymusume/diary/200603240000/

やっぱり3月15日の革命記念日に、とっても関係の深いお方のようでした。 



まだまだ知らないことだらけのハンガリー・・・。
でも、そういうのを知る手段はいくらでもある時代。
本当にありがたいですね^^