〈まえがき〉
ブダペスト日本人学校の課外活動クラブ「太鼓部」。
小学4〜6年生の希望者が参加できるこの「太鼓部」には現在12人が所属しており、今年度は毎週木曜日の放課後に1時間程度の練習をしています。
毎年行われる【ドナウ祭】では、中学部の生徒による太鼓発表はありますが、
年間を通じて練習を続けている小学部のこの「太鼓部」には特に決まった《成果発表の場》はないようです。
例えばブダペスト市内で日本に関係のある行事が行われた時などに演奏を依頼される、ということが年に1〜2回程度あるかな、という感じなので、外部からの出演依頼はとっても貴重でありがたいこと・・・
という前提のもとで、本日のお話は始まります。
〈プロローグ〉
「あのね! 今度NHKの“日本文化の日”みたいのがブダペストであって、そのオープニングで日本人学校の太鼓部が出るんだって! 出てもいいでしょう??」
2学期が始まって間もないころだったと思います。
その日の太鼓部の練習が終わったあと、文字通り “目をキラキラさせながら” みどりが聞いてきました。
一応、保護者の了解のもとでの参加となるので、「出てもいいでしょう?」という聞き方をしていますが、そこで「NO」という返事が来るはずがないことはみどりもよくわかっていました。
(み)「【ドナウ祭】が終わってすぐなんだよね〜・・・【ドナウ祭】終わったら今度は太鼓の猛練習になるかも。だってNHKなんだよ! テレビにも映っちゃうかもよ。」
(私)「え〜? なに、それ。NHKって。」
(み)「なんか〜、よくわかんないけど〜、NHKの人たちが来るんだって。で、ブダペストで『日本のお祭り』みたいなイベントをやって、そのイベントのオープニングで日本人学校の太鼓部が出るんだってー。」
NHKのお祭り・・・??
よくわかんないけど、NHKってことは、マジにちょろっとくらいテレビで紹介される可能性もあるってこと??
と、その時、つい思ってしまい、
その「つい思ってしまったこと」をきちんと確認しようともせず、
「もし放映されることになったら、その放送日時は学校の方から追って連絡が来るよね〜」
と、のんびり構えて待つ方向に心が落ち着いてしまったわけですが、
ここで落ち着いてちゃいけなかったわけで。
例えば、
「娘の晴れ舞台は、いったいどんなイベントでのステージになるのか」をもう少し気にして、本番1ヶ月前に学校側から配布された『参加確認に関する文書』の中のイベントの正式名称
【NHK文化センター主催 第29回国際交流祭 in ブダペスト】を一度、
しっかり検索してみればよかったんだわね・・・。
なんて今更言っても、って感じなんですが。
〈そして前日〉
いよいよ明日が本番、という日。
会場となっている「ヴィガドー・コンサートホール」への行き方を最終確認、ということでGoogleマップで交通機関のチェック。
よし、我が家からはバスとトラムで30分程度で行けるぞ。
そして、事前にもらっていたチラシを手に、この時初めてこのイベントについて検索。
えーーーっと主催が
『NHK カルチャーセンター』---
あれ?
『カルチャーセンター』って『文化センター』ってこと??
『NHK文化センター』・・・・
そして、ここのウェブページに行ってみると、出てくるのはいろいろな「講座」の案内ばかり。
あれれ?
イベント情報は・・?
と思いながら探していくと、なんとかたどり着いたのがこちら。
http://bit.ly/1YsGj15
へー・・・
すごい。
私が大学生の頃から続いているイベントなんだ〜。
毎年、世界のどこかで行われているんだ〜。
去年がフランス、その前が台湾・・・へぇ〜
そして今年が29回目、と・・・。
で、
これって結局
「NHK文化センター」の受講生の発表の場・・・??
発表しながら現地の日本文化に興味のある人たちと交流・・・。
つまり
日頃みなさんがカルチャーセンターの講座で学んでいることを活かして国際交流してみませんか?
というイベントなわけね〜。
※実際にはこの「NHK文化センター」の講座受講生でなくても、参加することは可能なようでした。
旅行会社としっかりタッグが組まれていて、
最近流行りの
【観光だけじゃないプラスαの体験型ツアー】で、そのプラスαが
【現地での国際交流イベントに参加】ってことになっているわけね・・・
そこに地元からの参加グループってことで日本人学校に声がかかった、というわけね〜。
ま、どういう形であれ、子どもたちに日頃の練習の成果を発揮できる場所が提供された、というのはありがたいことです。
〈そして当日〉
会場のヴィガドー・コンサートホールは、噂に違わずなんとも素敵なところでした。
朝8時半過ぎにリハーサルのために会場入りした太鼓部の子どもたちは きらびやかなステージでリハーサルを行い、10時のオープニング・セレモニーに備えます。
子どもたちがリハーサルをしているホールの横にはたくさんのブースがあり、日本からいらした皆さんがそれぞれの展示の準備を進めていました。
こんな作品を作っていました。
👆こういうのは特にこれからの時期、ハンガリーの人たちにとっては“マスト”な作品なんですよね。
この『飾り寿司』はみごとでした。
このあと、ここで実演などしたのでしょうか?
『盆石』(ぼんせき)
初めて見ました。
『自彊術』(じきょうじゅつ)
「体操」と関係者の人は言っていましたが・・・
あ、本当に「体操」らしい。👉http://bit.ly/1PubM1F
さてさて、
そのうち、子どもたちの出番も近づいてきました。
【第29回 国際交流祭】のオープニング・セレモニーのそのトップバッター。
さぁ、いよいよ始まりますよ〜!という開会宣言のような位置づけ・・?
オープニング・セレモニーに来てくださったブダペスト市副市長、ハンガリー政府観光局の方、駐ハンガリーの小菅大使、先日着任されたばかりの国際交流基金の多田所長らが並ぶステージで、「太鼓部」の子どもたちは元気のよいはつらつとした演奏を披露。
今回で29回目というこの【NHK文化センター主催 国際交流祭 in ブダペスト】
ブダペストで開催されるのは実は今回が2回めということで、19年前の1996年にも一度、同じこのホールで【第11回 国際交流祭】が行われていたのだそうです。
19年前・・・。
昨年、開校10周年を迎えたブダペスト日本人学校は、まだここにはなかった時代ですね。
さて、子どもたちの太鼓演奏が終わり、ステージ上の方々の何名かのご挨拶があり、
今回参加される皆さん(さきほどの写真の展示発表やこれからのステージ発表に参加する皆さん)の紹介があり、
こんな可愛い民族衣装の子どもたちが登場してのテープカットがあり、
オープニング・セレモニー、無事終了。
この頃には、もう、
「これ、テレビ取材とか テレビ出演とか、そういう類のものじゃないね。」
あとで聞いたのですが、どうやらテレビカメラらしきものも会場で1台見かけたけど、それはハンガリーのテレビ局のだった・・・らしいです。
詳細は確認していないのでわかりませんが。
それにしても
どうしてきちんと確認もしないうちに
「NHKのテレビに出るから!」などと(日本の家族に)言ってしまったんだろう・・・と思いつつ、
でも、ま、ビデオには撮ったし、これをあとで送ってあげればいいか・・・と自分を慰め(誤魔化し)。
お昼からのステージ発表でもトップバッターはブダペスト日本人学校。
今度は中学部の生徒16人による和太鼓演奏。
このあと、はるばる日本からいらした皆さんの発表がいろいろ続いたようなのですが、朝から会場入りしていた私たちは、もうお腹が空いて空いて・・・。
皆さんの発表を見せていただくこともなく、腹ごしらえに走ってしまいました。
〈エピローグ〉
こんな感じで過ぎていった日本人学校太鼓部の、今年最初で最後の(たぶん)晴れ舞台。
テレビ出演はなかったけれど、でも、後日、学校の先生を通じて
「出演ありがとうございました」と、こんなお礼の品までいただいて、みどりはかなりテンション上がってました。
いや、これは嬉しいでしょう・・・・・
【ドナウ祭】も【太鼓の発表】も無事終わり、あっという間にカレンダーは12月。
今年もあとひと月を残すのみとなりました。
そうそう、
今年のブダペストでの初雪は、太鼓の発表があった11月28日でした。
ヴィガドー・コンサートホールの窓から、ドナウ川・王宮の丘に降る初雪を眺める贅沢。
会場すぐ近くのヴォルシュマルティ広場では今年ももちろんクリスマス・マーケットが開かれています。
日本人学校の冬休みまで、あと18日!
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《おまけ》
ひとめでわかる【国際交流祭】
本番が終わった翌日、「こんなのを見つけましたよ」と義兄が送ってくれたこの映像。
これを先に見ていれば、今回のこのイベントのこと(目的・趣旨等)がよーっくわかったんだろうなぁ・・・(笑)
http://bit.ly/1YGSFTn