やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

「卒業式」も無事終わり・・・

 
 3月6日(日)

 ブダペスト日本人学校(正式には『在ハンガリー日本国大使館付属ブダペスト日本人学校』)卒業式が、予定通り行われました。

 そう。
 日時と場所は予定通り。

 独自の体育館を持たない日本人学校の卒業式は、今年も同じ敷地内にあるヴィラニョシュ校の体育館を会場としてお借りし、

 そしてその会場には、今年も、リスト音楽院の4人の演奏者の方々の優しく温かい音色が静かに流れていました。


 でも当日、会場を見た人たちは、誰もが一様に驚いたに違いありません。
 
 その、あまりにもすっきりとした(スカスカの)会場のようすに。

 
「とうとう欠席者が二桁になってしまいました。」
 
 と、受付にいらした3年生(草太のクラス)担任のH先生。


・・・でも、先生、“二桁”って、金曜日すでに26人の欠席で11時下校になってましたよね?

 と思ったら、

 “二桁”は、3年生の欠席者のことでした。

 12人中10人が欠席

 今日の出席は、NくんRくんだけ。


 絶句、ってこういう時に使う言葉なんだ〜・・・と思いました。



 5年生(みどりの学年)は3人。 10人中7人が欠席。


      小1から中2までが並んで座っている在校生席。


 そして、なんとか欠席者も少ない状態で頑張っていた6年生。・・・この日の主役の卒業生の中にも欠席が1人

 7人の卒業生のうち、ほとんどがそのままこの日本人学校の中学部に進む中、ただ一人、卒業と同時に日本への帰国が決まっているK君。


 金曜日のようすから、欠席者も相当な数になってしまうのでは・・・と誰もが予想していたと思いますが、でも、ここまでとは。

 この日の在校生の出席者数は31人、と耳にしました。

 卒業生が7人なので、在校生は70人はいるはずなのに。


 在校生の半分以上が欠席となってしまった今年の卒業式。

 保護者席もガラガラでした。

 卒業生の保護者以外でも、保護者は自由に参列できることになっているようで、例年、翌年の「予習」も兼ねて、5年生の保護者(母たち)は比較的たくさん参列していたらしいけど、

 今年は、私ともう一人の合計2人のみ

 卒業生の保護者以外は、本当にこの私たち2人ポッキリ


 確かに前代未聞の卒業式となったかもしれません。


 でも、やっぱり「卒業式」は「卒業式」

 当たり前のことなのですが、6年間という「小学校生活」を振り返り、そこから巣立とうとしている子どもたちと、

 そんな「先輩たち」に感謝しながら、その旅立ちにエールを贈る在校生

 そして、それを見守る先生たち

 色々な思いがぐるぐるする中、我が子の晴れ姿を目に焼き付けようとする親たち


 そこにある、はっきりとした気持ち・想いの前には、在校生の数(欠席者の多さ)は、あまり関係がないんだ・・・、そんなふうに思えました。

 

        ひとりひとり、卒業証書を受け取る6年生。
        今年度は中学3年生がいなかったため、この日の“卒業生”は小学6年生の7人。 

 

 卒業生ひとりひとりが読み上げた作文
 
 とっても立派でした

 全員が、一人残らず、ここまで人前で堂々と自分の言葉で発表できるようになれるのも、ここのような少人数で、いつでも自分が主役になれる・・・言い換えると「その他大勢」になどなっていられない環境の中、常に鍛えられてきたからなのでしょう。


 そして、卒業生・在校生がお互いに言葉を掛けあう『門出の言葉』


 各学年ごとにセリフの分担をして何度も練習をしてきた「成果」をここで発表・・・なんてことを言っているレベルではないことは、誰もがわかっていました。

 ある程度の「代役」は考えていたかもしれませんが、ここまでの欠席者だらけの本番なんて絶対に想定外だったはず。

なのに。

 みごとだったなぁ・・・

 ほとんどが「代役」で発表しているなんて思えない堂々とした呼びかけ。
 

 特にクラスメートのほとんどが欠席してしまった3年生のNくんとRくんが、たった2人で12人分のセリフを堂々と言っているのであろう姿には、正直、涙が出そうになりました。

 普段は周りのみんなに助けてもらいながら、可愛がられながら・・・ニコニコとマイペースでいろいろなことをがんばっているタイプの2人なだけに。

 本当に立派だったよ!!Nくん、Rくん!

 もちろん、ほかのどの学年も同じように、あそこにいた子どもたちの見えない頑張りが、あの卒業式を支えていました。

 あの場に出席していた子どもたちは、あの数時間でまた一回り成長したんでしょうねえ・・・。


 卒業式前日に「試練の卒業式」などと書きましたが、

それって、ちょっと違ったな、と今は思います。


 ひとりひとりがしっかり自分の成長を実感できた卒業式


 卒業生はもちろん次への新しい環境へ、

 でも在校生も、今の自分よりもちょっと成長した自分が次の学年へと進めるだろうことを実感できた、貴重な卒業式になったと思います。


 

 卒業式が無事終わったあと、
 翌日の代休の後も、火曜日と水曜日の2日間が「学校閉鎖」となったことが連絡網で回ってきました。

 なので、今年度、子どもたちが学校へ通うのも、学校閉鎖後の木曜日と金曜日の2日間のみ


 さぁて、インフルエンザに罹った子たちは、このお休み中に、しっかり治さなきゃ、ですよ。

 今のクラスメートと、同じ教室で顔を合わせるのも、もうあと2回だけなんですから。