ハンガリーの首都ブダペストの地図を見ると、街の真ん中に大きな川が流れているのがわかります。
それがご存知「ドナウ川」。
全長2850kmというこの長い川(http://bit.ly/1mRNMYb)は、北海道から沖縄くらいまでの長さがある、ということでしょうか。
と言っても、ハンガリーは日本よりも小さい国なので(日本の広さの1/4くらいだそうです。http://bit.ly/1hERPlP)、このドナウ川はハンガリーを北から南に突っ切った後、どんどこどんどこ・・・黒海まで流れて行っています。
ハンガリーを流れるときだけ南北に進路を変えているらしい・・・
ブダペストの街を二分して流れるこのドナウ川の真ん中に大きな中洲が見えます。
そして街の東西を行き来するため、川には何本もの橋がかかっています。
ハンガリーへ住むことが決まり、その首都の地図を初めてじっくりと眺めた時は・・・
「ん?なんじゃ、こりゃ。」 思わず笑いが漏れました。
当時住んでいたのはエジプトのカイロ。
街の真ん中を大きな川〜ナイル川〜が流れていました。
川には大きな中洲があり、
その川には東西を行き来するための橋がかかっていて・・・。
おまけに夫の職場が川の東側のエリア、日本人学校が西側のエリア、というところまで同じ。
大きな意味での「器」がここまで似通っているのに、でも実際そこに入り込んでみるとみごとに違いが際立っている、というのが非常に興味深いですが。
さて、先日の日曜日、このドナウ川の中洲「マルギット島」に家族で行ってきました。
雨こそは降りませんでしたが、重そうな雲が垂れ込め時折風の冷たさも気になったこの日は
夏になると市民の憩いの場として大賑わいになる(らしい)「マルギット島」をちょっと下見・・・という感じでした。
島の1/3ほどが高級住宅街として多くの人が住むエリアとなり、車やバスやタクシーがじゃんじゃん行き交うカイロの中洲(ゲジーラ島)とは違って、ここ「マルギット島」は島全体が一つの大きな公園のようになっているようです。一般の車は入場規制があり、公共のバスが1路線のみ通行可のようでした。(26番の路線バスのみ何度も見かけました)
トラム(路面電車)が走るマルギット橋から、歩いてマルギット島に下りて行くと・・・
まず、びっくりしたのが“みんな走ってる”ということ。
私たちが島の外側・・・ジョギングコースがぐるりと巡らされている川沿いの道から散策し始めてしまったせいもあるのでしょうが、あの人もこの人も「走ります」という格好。そして実際、走ってる。
そんな中をゆっくりと歩いている親子連れがなんだか妙に浮いて見えるほどでした。
このマルギット島内にはジョギング・クラブのようなものもあり、ラバー(ゴム製)のジョギングコースが5キロほどぐるりと作られているそうです。
きれいなトラックのある競技場も見かけました。立派な室内プールも。なんでも過去のオリンピック・メダリストによって建てられたものだとか。(水泳のメダリストが実は建築の専門家でもあったそうです。 http://bit.ly/1fEecsx)
その他にも様々なスポーツ設備が整いブダペスト最大の屋外水泳複合施設もある、というマルギット島。
そうか・・・ここは「スポーツの島」でもあるのかー。
でも、一歩ジョギング・コースを外れて島の内側の方に入って行くと、家族連れや若者たちのグループ、年配のカップルたちがそれぞれの時間をゆっくり自由に過ごせるエリアになっていました。
とにかく自然がいっぱい。
一般車が走っていないので騒音がない。空気がきれい。
島全体を覆っている木々たちが全て葉を茂らせ、土が盛られ花壇づくりの準備が進んでいる場所に色とりどりの花が整然と並んだら、そして広々とした芝生を駆けまわる子どもたちのはしゃぎ声が青空に吸い込まれるように響き渡るようになったら・・・どんなに素晴らしい環境になるんだろう、と想像するだけでめまいがしそうでした。
冬の終わり、そして春がもうすぐそこまで来ている・・・というこの時期は、まだまだこのマルギット島の良さを満喫するには早過ぎる時期。
がんばれ! 新芽たち!
あと数カ月後、木が緑の葉で覆われたところをぜひ見に来たい、と思って1枚パチリ。
ちなみにここに写っている碑はブダペスト市設立百周年記念碑だそうです。
うっかり写真を取るのを忘れましたが、公園内には各種レンタル自転車があり(上の写真には小さく写ってるんですが・・・)、
それも普通の自転車ばかりではなく家族4人で乗って楽しめるようなものもありました。
湖で白鳥ボートに乗る感覚で公園内を自転車で散歩・・・そんな感じ?
こちらがその種類と料金表。
とりあえず4人乗りの「GRAN TOUR」(漕ぐのは後ろの二人)で30分ほど園内散策。30分で2000フォリント(約900円)。高いのか安いのかわかりませんが、でも料金がはっきりと決まっているというだけで十分納得して楽しめるというもの。
子ども用の遊具コーナーももちろんあり、
その近くにはこれ、
わたあめ屋さん。
透明な筒型の入れ物に入っているのが色付きのザラメ。
自分の好きなフレーバー(いちごとかバニラとか)を選べるようで、これは子ども心をくすぐりますね。
(・・・もしかして最近は日本でもこういうのあったりします?)
「ふれあい動物園」的な小さな動物園もあり
↑「巨大化したひよこ(のような鳥)」と、夫がとても気に入っていたモコモコの鳥。体長50cmくらい。
島内にはレストランも点在し(今はまだほとんど営業しておらず)、春や夏になったらオープンカフェの気持ちのいい空間になるんだろうな〜と、想像が膨らみます。
「ここでフリスビーをしてくださーい!」
「ここで犬を走り回らせてあげてくださーい!」
と、言わんばかりの広い芝生もあり、
実は島の奥の方には温泉付きホテルまであるという「マルギット島」
冬らしい冬を体験しそびれてしまったけれど(例年にない暖冬のせいで)、これから迎えるハンガリーでの初めての春、そして夏への期待がじわりじわりと高まりそうです。
マルギット島からマルギット橋を眺める。
橋の上には黄色いトラム(路面電車)。
向こう側に頭がのぞいているのが国会議事堂。
天気が良ければ、かなり素晴らしい眺めになるのではなかろうかと・・・。