やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

《オリンピック》 と「我が家にテレビがやってきた」

 
 ずいぶんブログの更新をサボっていたなぁ・・・とは思っていたけど、
まさか【ついに雪が!】の1月29日のでストップしていたとは、こりゃびっくり。

 しかもその後、こっちではほとんど雪を見ていないし。


 そう。

 先週末もその前の週末も、とにかくその後ずっと雪を拝むことなく過ごすこととなった私たちは『記録的な大雪』という日本からのニュースを半ば呆然としながら見ていました。

 こちらはもう雪景色を楽しむことなく、このまま春を迎えそうな予感です。

 もっとも、雪害で大変な思いをされている方たちが多くいらっしゃることを知りながら、「雪が降らなくて残念」「もっとしっかり冬らしい冬になって!」などと言うのは不謹慎にさえ思えてしまう今日このごろですが。



 さて、
 で、ここまで久しぶりのブログとなるといったい何から書いたら良いのやら・・・という感じなのですが、
とりあえず、あっという間にもう終盤に差し掛かっている【ソチ・オリンピック】の話題を、
一番最近の我が家のニュース
とからめてひとつ。

 
今週、我が家にテレビが来ました。

と言っても別に新しいテレビを買ったわけではなく、今まで我が家に置いてあったテレビが「本来のテレビの仕事」もしてくれるようになった、というだけのことなんですが。


我が家のテレビ、今まで(ここに入居してからの約3ヶ月間)子どもたちのゲーム用モニターになっていました。

 引っ越し荷物が届いて約一週間(12月1日)。幾つ目かのダンボールからwiiが発見され、さっそく久々のゲームに興じるふたり。


 テレビが見られるようになるための契約手続きが面倒でそのまま放置していた・・・というか、こういうメカ関係のこと(??)はほとんど“夫(おっと)任せ”なんですが、もともとテレビというものに全く執着のない夫。そしてきちんとお金さえ払えば日本のテレビ番組もがんがん見られるなんてことは知りもせずwiiができればそれで幸せな子どもたち
 で、私も「なきゃないで、ま、いいか。」という感じで過ごしてきたこの3ヶ月。
 
 しかし。 最近になって

「やっぱりオリンピック見たいなー・・・」と、じわじわ・ふつふつと思い始め、ついにこの間の日曜日にテレコムさんに契約をしてもらいました。

 スタンダードな「ファミリープラン」。1ヶ月5000フォリント(約2200円)。
 もちろんこの金額(プラン)では日本の番組を思う存分楽しむことはできませんが、海外にいる間は「現地放送が見られる」という方が魅力的なので、とりあえずこれでOK。
(※ご存知の通り、もちろんハンガリーでも「JSTV」というのに申し込むと24時間日本のテレビ番組が楽しめます。50ユーロ(約7000円)/1ヶ月 http://www.jstv.co.uk/

 そして今週の火曜日、テレコムの人が約束の12時ピッタリ(というか、リビングの時計は11:59を指していた)にやって来て、きっかり2時間かけて(なぜそんなに時間がかかったのかは不明)我が家のテレビに息を吹き込んで帰って行きました。


 とりあえず番組チェック。
スタンダードな「ファミリープラン」の割りには90局近く見られるようで・・・
いや、すごいですね、今の時代は。


料理番組もコメディドラマのようなものも・・・
そして、Discoveryチャンネルも音楽放送専用チャンネルも国会中継チャンネル(?)もありますが、とりあえず「Olimpic」を探すと

あった!
画面の左下に【Téli Olimpia 2014】と書かれ、しっかりとした冬景色が映し出されています。

そっかー
オリンピックが行われるところにはちゃんと雪が降ってくれてるんだ・・・と、あの日以来全く雪を拝むことのなくなったハンガリーでぼんやり思い、
あれ?
そういえば、今オリンピックが開かれているところって・・・・【téli】??
「ソチ」じゃなかったっけ?
「ソチ」はハンガリー語では【téli】って書くんだっけ??

・・・・いくらなんでも、そんなわけはなく。

はい。
おかげさまで、もう二度とハンガリー語の【冬】という単語を忘れることはないと思われます。


 たまたま最初に写った画面では、日本とハンガリーと開催地ロシアの熱戦が繰り広げられていました。


 ※後日追記:おぉっと、まずい。【冬】を【téli】のまま覚えるところでした。【冬】は【tél】、【téli】はここでは【冬季】の意味。最後の“i”は“〜の”にあたる場合に使われるらしく・・・。




 海外でオリンピックワールドカップなどを見る時の楽しみは、なんといっても“日本が特別扱いされていない”ことです。

  特にオリンピックの場合は、「いよいよ次は◯◯選手です。」などと(当然のことながら)日本の選手の登場を親切に教えてくれたりはしないので、適度な緊張感を持って見ていないと見過ごしてしまいます。いろんな選手に混じって胸や腕に「日の丸」がプリントされたユニホームを身に着けている選手を見つけて、おぉ!次、日本の選手が出るじゃん!と背筋を伸ばし、解説者が(たぶん)公平に各選手について紹介したり、そのレース展開についてコメントしていく中、ひたすら「ニッポン、頑張れ!!」と応援する。

 明らかに日本のお茶の間でテレビ観戦しているのとは違った感覚で、時折聞こえてくる「ヤーパン(ニッポン)」などという音声を頼りに、自分が応援したい選手を、自分が応援したいように応援する。

 その感覚が、うまく表現できませんが、まるで自分も異国の国際大会場に紛れ込んだような・・・そんな気分にさせてくれるような気がして、なかなか新鮮で良いのです。

 ・・・って、異国で見てるんだから、そりゃ日本のテレビで見てるのとは違って当然なんですが。


 さらに楽しいのが“普段はあまり耳にしない、こういう時ならではの表現を臨場感たっぷりの状況で聞くことができる”ことです。

 例えば「おぉ!なーーーんと素晴らしい!」とか
 「あぁ!危ない!!行け、行け(逃げ切れ)!!」などという解説者の興奮混じりの叫びの中に意外と「使える表現」が隠されていたりもします。

 ※例)マレイシア語・インドネシア語編Luar:〜の外』と『biasa:一般的、平凡な』を合わせて、感情を込めて『ルッアァ〜〜ル ビアサァッ!!』=「平凡」の外側である⇒なんと非凡な⇒すっばらしい!!信じられない!!・・・バレーボールでの強烈なスパイクが決まった時やそれを見事にレシーブした時などに発せられる。

  
 残念ながらハンガリー語では、「ヤーパン(ニッポン)」の他には「とても」とか「すごく」とか・・・その程度の言葉しか聞き取れませんが、それでもそれなりに楽しんでいます。


 楽しむ、といえば・・・・

 オリンピックって本来、スポーツを楽しむための祭典なんだよなー、とつくづく思えることがありました。

 こちらの《the European Quartet blog》http://www.europeanquartetblog.com/2014/02/blog-post_14.htmlの中で紹介されていた【ソチ・オリンピック】のハンガリー選手団(全部で16人と意外に少ない)の写真を見た時のことです。


 最初にこれを見た時は正直言ってぶっ飛んでしまい、思わずfacebookにアップしてしまったのですが・・・
かなりの反響がありました。 

 お花の模様のついたスキー・スーツ。

 なんとハンガリーの伝統的な“カロチャ刺繍”の花がらがモチーフになっているそうで、 

 こんなところにも惜しげも無くお花の刺繍が。


 この写真を見た友人からは「ジャンプした時に無駄なく腕と足の花柄が出るように計算されている。中途半端なあしらい方じゃなく考えられてる。」とのコメントもあり。
 
 なんとなく日本人の感覚からは出てきそうもないデザイン。

 なんでだろう?
「可愛い」イメージだから?
「闘争心」が湧きそうにないから?

 でもこれが、こういうデザインがオリンピックの晴れ舞台で「ナショナル・ユニホーム」になる国、それがハンガリー。

 この花がら刺繍のユニホームから「なんとしてもメダルを!!」という気迫は感じられません。

 それが良いとか悪いとかじゃなくって、でも、もっと違うところに重きが置かれているという印象を強く受けました。

 

 見ている人に感動を与えるのも確かにオリンピックだと思います。

 でも、それと同時に参加した一人ひとりが心から楽しめる「スポーツの祭典」でもあってほしい。

 
 花がらのユニホームで微笑むハンガリー選手の写真と
 昨日から今日にかけての真央ちゃんの表情〜これ以上ないくらい追い詰められた表情と、それを乗り越えた後の感極まった表情〜を見て、いろいろ考えてしまいました。


 【ソチ・オリンピック】も残すところあと3日。
 まだ競が技残っているアルペンスキーにも、この花がら刺繍のユニホームを身につけたハンガリーの選手が(かろうじて一人)出場するようです。
 うまく見つけられたら、応援しようっと!