やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

こんなところに「恵庭市」が・・・(@_@;) をきっかけにいろいろ考え、行き着いたところは・・・

 最初は、
【正直ブログネタとして扱うほどのことじゃないけど。・・・なんて言うと、このマオリの人に失礼かとは思いますが。】
そんなノリで書き始めました。 


そして 

【っていうか、普通ならTwitterとかfacebookにちゃちゃっと書いておしまい、という感じの内容の[事件・トラブル](だってこの記事のカテゴリーが[事件・トラブル]になってる・・・)なんですけど・・・】

と書いて、以下の記事を紹介し、

【こういうことでふるさと恵庭市が大きく紙面を飾ってしまうのって、あんまり嬉しくないわ】程度の感想と、“入れ墨”というと思い出す、私の幼少の頃のエピソードをちょっとご紹介してサクッと終わろうと思っていたのですが・・・。

途中で、
あれ? この「恵庭市の温泉施設」って、うちの近所のあそこなんじゃないかなぁ・・・ 

 と、ふと思った北海道恵庭市出身の私は、ほかにもこのことを扱っている記事があるかも、と
《入れ墨 温泉 恵庭市》 で、検索をしてみました。

 そうしたら、

 あるわ、あるわ・・・

 昨日配信されたばかりのこの記事・出来事について、びっくりするくらい大量のウェブサイト(新聞記事や投稿サイトなど)がずら〜り。


 ちょっと凄すぎ、と引いてしまうほどの数でした。


 まずは、そのきっかけとなったこちらの記事をどうぞ。


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「顔に入れ墨で入浴拒否のマオリ女性「異なる伝統思いやって」 
 http://on-msn.com/1avaBHW
 北海道恵庭市の温泉施設で、顔の入れ墨を理由に入浴を断られたニュージーランドの先住民マオリのエラナ・ブレワートンさん(60)が12日、共同通信の電話取材に応じ「とても驚いた。東京五輪ではニュージーランドから同じような入れ墨をした選手がたくさん来る。日本人は自分たちと異なる伝統に思いやりを持ってほしい」と話した。

  ブレワートンさんは入れ墨について「母親や先祖を表す家紋のようなもの」と説明。「施設では、入れ墨はファッションだと言われた。そのことに怒りを感じている」とも語った。
 また「別の温泉施設では、日本人からとても親切にしてもらった」と述べた。

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 結局、その「温泉施設」については最初から名前は伏せられていたようで、どこを見ても、生前、父が足繁く通っていた“近所のあそこ”なのかどうかはわかりませんでしたが、まぁそれはちっちゃなこと、というか別に重要なことではないわけでして。


 それよりも、ちょっと検索してしまったばっかりにわっさわっさと出てきた様々なサイトのその数と、そこに書かれている、この[事件・トラブル]に対するいろいろな人の反応に「うわぁー・・・」と驚かされ、そしていろいろ考えてしまうこととなったので、
本日のブログももう少しだらだら続きます。




 
 では、ネット上で見られた様々な意見です。


“ニュージーランドの方には申し訳ないが、施設側の対応が正論であり、特例を求める場合はやはり事前に相談が必要。それが文化の相互理解にも繋がる”

    そっか・・・断るほうが「正論」。「特例の場合は自前に相談」。
    「相談」、ねぇ・・・。



“これはしゃーないだろ。これ認めちゃうと「おうおうワシはなんとか民族の伝統の彫りモンいれとるんじゃ、差別するんかワレ」みたいなことになっちゃうだろ”

    私にはそういうのは「いちゃもん」というものに分類されるような気がするんですが。でも「いちゃもん」「正当な抗議」かの区別は時として非常に難しくなる、と言いたいのはよくわかるし、仮にそういう「いちゃもん」をつけられた場合、その時の対処のことを考えると・・・と守りに入ってしまう立場の人がいることもそれなりに理解はできます。



“なぜ入れ墨が禁止なのか理解しようともせずに自国の文化の都合を押し付けてるだろ”


“断る姿勢を貫いた施設側は偉い。決められたルールに文句言って来る人なんか断って正解だよ”

    ってか温泉施設側が、どういう理由でお断りしたのか、いや、お断りした理由は「入れ墨があるから」なので、「どうして入れ墨があるとお断りせざるをえないのか」というところまでをきちんと、理解を求めようという態度・姿勢で説明したのか、が気になるんですが。どういうやりとりがどういう雰囲気の中で行われたのかまでは私たちにはわかりませんから。
    
 

“郷に入れば郷に従えという日本の価値観をマオリ族は知るべき。何でも自分が優先されると思う身勝手さはいただけない。”

    このフレーズ「郷に入れば郷に従え」は日本人の皆さんはよっぽどお好きらしく、あっちにもこっちにも登場していました。でも、これって“日本の価値観”・・・??


“刺青した人の入浴を断るのも日本の伝統なんだよ、よその国にきたらその国のルールに従いなさい”

    えーっと・・・、刺青した人の入浴断るのって、日本の“伝統”でしたっけ??


“刺青入浴お断りという日本の風習を理解されないのは残念だ。”

   今度は“風習”・・・? どうもこのあたりの意見は、きちんと考えもせずに「とにかく何か言ってやれ」的な勢いのみで書き込んだ印象なので軽くスルー。 



 なんて思っていたら、
“日本人も外国行ったら現地に合わせて温泉では裸じゃなく水着着用してるんだがな”

    という意見もあって、あらー・・・そういえばそうねぇ。なんて思ったり。
    あ、いやいや。でも水着は“脱ぎ着する”という意識的な行為が可能だけど、入れ墨は着脱できないし。
    例えば、
【黒い髪の毛は(我々金髪の人種に)不潔感、不快感を与えるので、この温泉では黒髪の方の入浴はお断りしています】 こんなふうに言われた場合と感情的には似てるのかなぁ?なんて思ったり。いや、これもちょっと違うか。



“んー、だから、北海道には外国人観光客誘致のために「タトゥーOK」な温泉施設も多数あるんだって。
なのに今回のケースは敢えて「わざと」禁止の所にアポなしで来て、トラブル起こして、「差別だー!」ってニュースにするのが目的だったってこと。
日本人が大多数として暮らす土地なんだから、「OK」のところと「NG」の所、両方あって棲み分けしているのに、わざと問題を起こしているのは別の狙いがあるってことだよ ”


    こういう「深読み型」の意見も意外と多くてびっくり。「わざと」とか「いやがらせ」とか。

    でも、だったら北海道恵庭市なんて知名度もな〜〜んもないところ(失礼!)じゃなくて、もうちょっと話題性とかインパクトがあるところでやるんでないかい? と私は思います。




“そもそも刺青禁止はヤクザ対策だろ?
この外人のババぁがヤクザに見えるか?

こういう部分で融通の効かないのが日本人のダメな所なんだよな”

    というこの意見、けっこう内容的には私の考えとも合致するんだけど、言い方がちょっとねえ・・・。外国人だろうが日本人だろうが、第三者に対して“ババぁ”はないでしょうが!!



“郷に入っては郷に従え。
刺青していても、事情を話せばokな所だって沢山ある。ダメなら従うのが礼儀。ハッキリ言えば情報収集不足。”

   プラス、やっぱりお互いの主張をもっと“理解しよう”という思いで聞き合う姿勢、気持ちが今ひとつ足りなかったような気が。お互い言うべきことは言ったけど折り合いがつかなかった、ということであれば『怒りを感じている』などという表現は出てこなかったと思うので。



 と、ここでご紹介した意見は、本当に目にしたものの極々一部なのですが、

 今回、北海道のとある小さな街で起きたちょっとした[事件・トラブル]が、ここまで全国規模で広がりネット上でやんややんや言われている背景には、もちろん記事の中でも書かれているように【2020年東京オリンピック】があるわけですが、こんな[銭湯騒動]でさえ、これだけいろんな見方をする人がいて、その表現方法にもこんなにバラエティがあって。

 これじゃぁ世紀のオリンピックについての意見なんて、もう砂漠の砂粒の数ほどあるんだろうな・・・などと思ってしまいました。


 そして、こういう言い方はすごーく高飛車、というか上から目線(?)的な感じで不愉快に思う人もいらっしゃるかと思いますが、

 いまだにこの日本の中には、なんでもかんでも「ここは日本なんだから日本のルールに従え」的な発想の人が、相当数いるらしいことを知りました。

 それから「一度例外を作ってしまうと・・・」という、なにはともあれ“守り優先”の考え方も。

 もちろんいずれも程度の問題なんですけど、この感覚で世界中から多種多様な人たちを迎え入れるオリンピックを開催して、
で、そのキーワードが【おもてなし】

 
 国家・国民一丸となって とは言っても実際難しいところも多いんだろうなぁ・・・と、つい独り言。

 
 
 でもやっぱり、基本的には私はオリンピック賛成派ですから。

 
 賛成派だけど(賛成派だから?)そうではない人たちのいろんな意見も耳に入ってきて、最近、本当にいろいろと考えさせられています。


 「いろんな」なんて四文字じゃぁとても表しきれないほどの数々の思い・・・希望妄想怒り絶望情熱興奮諦め達観虚しさ期待や・・・


 そんなものすごい「思い」が7年後のオリンピックに向かってうごめいているのを感じます。


 東京オリンピック

 どうか、どうか、笑っている人のほうが圧倒的に多い17日間になりますように・・・。




<おまけ>

 その後の新聞記事によると、入れ墨がある人は日本全国どこへ行っても公共の浴場に入れないのかというとそうでもないようですね。
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 ≪都内の銭湯組合は「OK」≫都内にある約700軒の銭湯で組織する、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合は「銭湯は地域住民の保健衛生を守る施設。人を差別するような行為はしません」としており、入れ墨が入った客の利用は問わない。

 組合では受け入れの可否は、経営者の判断に任せているというが、「苦情を受けたこともない。外国人が利用しても大丈夫」と“おもてなし”の準備はすでに万全のよう。

 一方、ホームページなどで「入れ墨、ボディーアート(タトゥー、シール等)のある方の入館禁止」を掲げている文京区のスパ施設「ラクーア」は、東京五輪で訪れた外国人利用客への対応については「これから、考えていかなければならないことの一つです」と話した。(スポニチ Sponichi Annex 2013年9月13日)http://bit.ly/17uPkg4


 さらに、こんな記事も発見。

《牧太郎の大きな声では言えないが…:入れ墨とオリンピック》 (毎日新聞 2012年08月14日)http://bit.ly/1aH9sR9



 そういえば、ときおり母から聞かされる「(私の)子どもの頃のエピソード」にも、入れ墨おじさんが登場していたっけ。
 銭湯で、父と一緒に「男湯」に入っていた幼少の頃の私は、みごとな入れ墨をしたお客さんの背中に吸い寄せられるように近づいて行き、そこで「きれいだねー・・・」と話しかけるでもなくつぶやいたらしい・・・。

 ってことは、当時(40ン年前)の恵庭市の銭湯には、思いっきりホンマモンの入れ墨をしたお客さんも来ていたってことですよね。もちろんこの銭湯はもうとっくになくなっちゃってますけど。


 
 ということで、入れ墨の話からオリンピックの話まで・・・今日も長々と読んでくださってありがとうございました。m(_ _)m