確かに、最初に「観よう」(つまり「観たい」)と言ったのはパパ(夫)でした。
その気持ちをくみ取って「パパやママが小さい時にテレビでやってたアニメが今、映画館で見られるんだ。シンケンレッドの人が出てくるんだよ。」などと、子どもたちをその気にさせるべく言葉を並べたのは、この私。
夏休みも残すところあと数日となった水曜日、家族でとなり駅に隣接するショッピングモールに出かけた時のこと。
目的のもの(みんなの長袖の洋服・・・カイロからは半袖しか持ち帰らなかった・・・、草太の運動靴など)を意外にサクサクっと買うことができた私たちは、ここに入っているシネプレックスで14:15からの《ガッチャマン》http://www.gatchaman-movie.jp/?type=fc を観ることにしたのでした。
《ガッチャマン》と聞いても、特に何の感情も湧き上がってこない今の世代の我が子たちに、とりあえず慣れ親しんだ戦隊モノのヒーロー『侍戦隊シンケンジャー』の「シンケン・レッド」を演じた松坂桃李くんが、《ガッチャマン》の「ケン」役で登場する、なんてことを話すことでなんとなく「じゃあ、観てもいいかな」という気持ちにさせ、
1.先月末に会員になったシネプレックス・カードでパパ鑑賞料300円引き
2.水曜のレディス・デイでママ鑑賞料1,000円。
3.埼玉県が発行してくれるパパママ応援ショップ優待カードの提示で子どもたちそれぞれ鑑賞料100円引き。
以上、合計 ¥3,300を支払って、
「今《ガッチャマン》やってるって知った途端、ずっとあの主題歌が頭の中グルグルしてて止まらない・・・」とつぶやいたパパの願いを叶えるべく、いざ・・・!
※ここで彼の頭の中を巡っていた曲はもちろん♫だれだ、だれだ、だれだぁ〜(by子門真人)の方です。念のため。
しかし。
シンケンジャー、ゴーカイジャー、そしてゴーバスターズ・・・と、このへんまでの戦隊モノは普通に見ていたので、実写のアクション物には慣れているはずの草太が、途中からだんだん「コワイ」と言い出し、
(「大丈夫、大丈夫」と声をひそめて注意するパパ)
そのうち
「もういいよ、外に出ようよ。」と言い出し、
(「ちょ・・ちょっと待って、草太。コワイところは目をつぶっていればいいから。」とパパ)
だんだん泣き声になってきて
「もうやだ、草太、帰る」
(「だ〜いじょうぶ、だ〜いじょうぶ」・・・としか言いようのないパパ)
が、ついに中村獅童の顔が大写しとなり、怒りに満ちたケンが思わず彼に向かって銃を向ける!というシーンになった時
「もういい!やだ〜〜!!!」と席を立って通路を歩き始めてしまいました。
えぇぇぇ〜〜
ホントに退場!?
しかも、向かってるのは出口と反対方向ときた・・・
一瞬、腰を浮かせた夫を手で制し、私が追いましたよ。小さな彼のあとを。
上映時間2時間の、ちょうど半分が過ぎた頃でした。
・・・・・・・・・・・・
そして思い出したのは、2010年夏。
我が家の子どもたちが、今日と同じこのシネプレックスで「映画館デビュー」をした日のことでした。
DVD(家のテレビ)でいろいろな映画を観ることはあっても、映画館という場所に行き、大きなスクリーンを前に映画を鑑賞するのが初めてだった2人。観たのは当時ちょうど話題になっていた《借りぐらしのアリエッティ》。
スクリーン(鑑賞)・デビューには、まあふさわしい作品だと思ったのですが・・
途中、カラスが男の子の部屋の窓に突っ込んでくるシーンになった途端
「いや〜〜!!こわいーーーーー!!」
「なんでぇ!?? やめてーーーー!!」と、ふたりとも本気で怖がり、本気で号泣。
私も夫も焦りまくり。
でも平日の昼間でお客さんもポツポツという程度しか入っておらず(しかもほとんどが中高年の女性)、幸いにも非難の視線を浴びることはなかったのですが、いや、ホント、あそこまで感情移入(・・・というのか?)できるとは・・・とある意味新鮮な驚きを感じたのでした。
まあ、この時は「途中退場」とはならなかったのですが、それでも・・・
そういえば・・・
ああ、だんだんとよみがえる記憶。
劇団四季の《ライオンキング》を見に行ったのも同じ年(2010年)の8月。
開演直前で「さぁ、いよいよ・・・!」と気分が高まりまくっている時に「おしっこ〜・・・」と私に訴えた草太、当時3歳。
「ゲゲッ!なんちゅータイミングに・・」と思いつつもとにかく早くすませて席に戻って来なければ、と彼を抱き上げ立ち上がったとたん、ぐっと落とされた会場のライト。今にも始まりますよ〜〜〜の熱気が会場全体を包む中、係員の女性が小さなペンライトを持って私たちに近づき、足元を照らしつつ、出入口に誘導。
ああ、お願い!お願い!もう少し待って!!!
そんな祈る思いもむなしく、劇場の扉を出た瞬間、背後で響いたにオープニングの音楽(おたけび)。
トイレに駆け込み、一刻も早く客席に戻りたい私の気持ちを知ってか知らずか、草太は
「やっぱりウンチだった。」
やっと客席に戻ることができた時には、シンバはもうすっかり成長しており、ムファサ(シンバのパパ)にプライドロックの上から大国の広さを見せてもらっておりました。
そして、こないだの春休みも・・・・
みどりと草太を連れて北海道の実家に行き、私の母と4人で、これまた劇団四季の《美女と野獣》を見に行ったのですが、
う〜〜ん・・・・
コワイかなぁ?《美女と野獣》
たしかにちょっとハラハラドキドキというようなシーンもあったけど(誰もいない森へ入っていくシーン、暗闇の中で狼に襲われるシーン・・など)
でも、夜のお城の奥から野獣が登場する場面ですでに「こわい〜〜〜〜」「もう外に出たい〜〜〜」と半泣きに。
途中の休憩時間まではなんとかなだめすかしていたのですが、後半は私もあきらめ、一人9000円払ってGETしたS席を離れ『小さなお子さん連れでも一緒にご覧になれます』という劇場後方部のガラス張りの『親子観劇室』へ移動。フィナーレは小さな赤ちゃん連れのママに囲まれながらガラス越しで観る事になってしまいました・・・・(みどりは母とそのまま観客席で鑑賞)
そんなわけで、彼と観劇(映画鑑賞を含む)を共にする場合は、それなりの覚悟が必要だということを、今回、やっと学びました。
こんな経験って、子どもを持つ親は多かれ少なかれするものなのかもしれませんが、我が家の長男が<劇場キラー>を卒業する日はいったいいつになるのでしょう?
※<劇場キラー>・・・命名:義理の兄