やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

日本人には「坊ちゃん刈り」が似合うんですか?

 
先週の金曜日、近所の床屋で散髪した草太。


 思いっきり短くしてもらってマルコメくんみたいで、と私には思えるのだけれど・・・


 黙っていたら危うくこんなヘアスタイルにされそうだったんです。


 カットを担当してくれたお兄さんの趣味なのか・・・ご丁寧に櫛とハサミを使い、上の部分はちょっと長めに、耳の横も切りそろえて・・・という感じでシャカシャカ切っていきます。櫛ですいて持ち上げた部分をハサミでカット。その「持ち上げてカット」の時に髪が引っ張られるような感じになるらしく、「痛い」と涙目の草太。今まではバリカン使ってガガーッと一気にやってしまうことが多かったので、こういう切られ方は慣れていないのです。


 見かねた私は、「痛くない痛くない、大丈夫。」と一人ニコニコしながら切っている理容師さんに
「バリカンを使っちゃって!」と要求。もちろん《バリカン》を何て言うか知らないから、隣のおじさんの頭を刈っているその道具を指さして。


 「マシーン?」と英語で聞き返す理容師くん。
「イエス、マシン。」と私。



すると一瞬困惑した表情を見せた理容師くんは、次の瞬間自信を持って、しかも笑顔で
「No!」と。 


はい?
その“No”は、いったいどういう意味ですの?

これは大人サイズだから子どもの小さい頭には使えない・・・とか、いやまさか。

側に立っている夫を見ても「??」の表情。




「どうして?これを使ってください。ウィ〜〜〜ン、ウィ〜〜〜ン」とゼスチャーまでつけて言ったのに、

なぜそんなことを言うんだい??というような表情(しかし笑顔は絶やさず)で
「NO〜〜〜。」



 よくわからないけれど、このままハサミでチマチマ切られても夏を迎える男の子のすっきりしたヘアスタイルには絶対ならないと思ったので、

「この子は、これ(はさみ)が好きじゃない。いつもこれ(バリカン)。」
「この子は、これ(バリカン)の方が嬉しい。」

と、明らかに“邪魔”と思われても仕方がない位置まで近づいて迫ったところ、理容師くんもついに観念したようにバリカンを手に取ってくれました。



「本当にこれを使うのか?」と目で私に聞き、
大きくうなずく私を見てから


「俺はちゃんと確認したからね。あんたがどうしてもって言うから使うんだからね・・・。」という気持ちが刻み込まれた背をこちらに向けて、ついにザザッとやってくれました。



  あっと言う間にすっきりしていく頭。

  「うん。これこれ。」とやっと気持ちも落ち着き、満足げな表情で見守る私と夫。

  一方で「これは全くもって不本意な仕事である。」という表情の理容師くん。


「日本人のまっすぐな髪だったら、ああいうのがいいと思ったんじゃない?」と後で夫が言っていましたが、
彼の中には草太を見た瞬間から
「頭の上の部分からそれなりの長さのある髪がまっすぐに伸びていて、下の部分を奇麗に刈り上げたスタイルの日本人男児」の姿がイメージされていたのかもしれません。



でも、それって、草太のイメージに合いませんから。

と、少なくとも母は思うので、とにかく今日はこれでOK.



そんなわけで、カイロに赴任した去年の9月とほぼ同じようなヘアスタイルに戻った草太でした。