やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

<退避帰国日記:2月4日>

〜ホントに帰って来ちゃった・・??〜


  さすがに11時間というのは長かったです。
  トランジット先のウィーンから成田までの飛行時間。

  たしか9月に成田からの直行便でカイロに赴任したときは13時間半だったと記憶しているのですが、
  中途半端に起きていた時間が長かったせいか、その時よりも「手持ちぶさたな時間」が長かったような気がします。
  機内での映画「TOY STORY 3」は楽しめましたが。

  ウィーンから成田への飛行機はほぼ満席。
  3人がけシートの左隣には娘が座っていましたが、右隣は年輩の日本人男性でした。

  長いフライトも終盤にさしかかり、あと数十分で着陸態勢に入る・・・というアナウンスが入ったとき、私は「いや、さすがに長かったですね。」と思わず隣の人に話しかけてしまいました。
  「ああ、そうですね。」とその人は答えてくれましたが、でも「実はそれほど退屈はしなかった=この程度のフライトには慣れている」という雰囲気がふんわりと。

 すると、一呼吸おいて
  「実は私、ウィーンに住んでいるんですよ。日本にはもう27年前から住んでいなくて。時々、このフライトで帰ったりはするんですけど・・・。」と、ほぼ予想通りの答えが返ってきました。

   最初に住んだのはドミニカ国、そのあとがアフリカの国(国名覚えていません;)。今のウィーンにはまだ2年ほどしか住んでいないと言うこの男性。

 「今回トランジットで立ち寄っただけなんですけど、ウィーンって落ち着いた感じの街ですね。」と私が言うと

 「確かに落ち着いていますよ。年を取ってからゆっくり過ごすにはいいところだと思います。でも活気はあまりない。若い人には刺激がないように感じると思いますよ。」
 
  ある意味、エジプトとは真逆の国なのかも。
  いや、最近のエジプトはちょっと刺激ありすぎでしたけど・・・^^;

  以前、ハンガリーに遊びに行ったときも、現地を案内してくれた友人が確か同じようなことを言っていたのを思い出しました。
 「落ち着いていて雰囲気もあっていいけど、やっぱりこのへんは“老人”だよ。国そのものが“老人”。古いものがたくさんあって、その古いものが大切にされている。新しい何かを始めようと言うパワーや好奇心はない。過去にすがって生きてる感じ。」
 もう15年以上も前のことですが。

 この隣に座っている男性も、同じようなことが言いたいのかな・・・と思いました。


 ところが日本に帰ってきてから、mixiのマイミクさんのつぶやきで知ったのですが、ウィーンは世界でも有数の「住みやすい街」としてランク・インされているんですね。2011年の調査ではバンクーバー、メルボルンに次いで第3位。http://bit.ly/hXufIM
 
 
 そんなウィーンを経由して、私たちはほぼ予定通り、2月4日の朝8時半ごろに成田空港に到着しました。

 
 それほど多くない荷物をカートに乗せて到着ロビーにやって来た私たちを、夫の所属先の担当の方たちが出迎えてくださいました。


 見慣れた成田空港の風景。
 たいていは海外からの「一時帰国」という形で降り立つところ。

 ん? 今日も「一時帰国」ってことでここに来たんだっけ・・?
 

 今回のように、チケットの手配も何もせずに指示されるままに飛行機に乗り、気が付いたら成田へ・・・・という経験は初めてだったので、


 一瞬、自分がなぜここにいるのかわからなくなってしまいました。

 ちょっと間をおいて

「ああ、本当に帰ってきちゃったんだ〜・・・。」


 そんな2月4日の朝。
 その日は、実は母の誕生日でもあったのでした。
 
 
 この日から、約1ヶ月(もっと延びるか?)の「退避帰国生活」が始まったのでした。




<<おまけ:海外生活での留意点>>

・ある程度の現金を手元に
 今回のような非常事態になると、銀行の機能がストップし現金を下ろすことができなくなります。
 我が家の場合、夫がその兆候が現れる直前に何度もATMに足を運び(そのころ私たちはルクソール・・・^^;)、ある程度まとまった額を下ろしておいてくれたのですが、さすがに家族4人分の航空券を買えるだけの現金までは用意できませんでした。常に家族全員のチケットが買えるだけの現金を家においておくべきか・・・と言うと、それもかなりの額なのでちょっと心配な気もするのですが、備えあれば憂いなし・・ということで、隠し金庫など(?)を用意するのもひとつの手かと思いました。

 ちなみに今回のチケット手配については、国際交流基金の職員の方が本当にいろいろ手を尽くしてくださったのですが現地調達は難しく(カード決済もできなくなりますので)結局東京の本部に頼んで、やっとウィーン経由のチケットが取れた・・・ということだったようです。関係者の方には本当にお世話になりました。


・情報収集の方法をいろいろ用意しておく
 今はネットの時代。日ごろネットと仲良くしている人たち(例:わが夫)にとっては、テレビのニュースも新聞も見なくてもその辺の人よりはよっぽど速く正確な情報を得ることができるようです。・・・・・が、今回のようにネットが遮断されてしまうと、もうお手上げ。衛星放送の手続きもしていなかったので、日本のNHKも中東のアルジャジーラも見ることができなかった我が家。そういえば・・と思い出したように引っ張り出してきたラジオもうまくチューニングできず情報収集の手段としては使えなかった模様。日ごろから情報収集の方法は複数確保しておく必要があると思いました。