やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

夏休み去り、大輪の花火が夢と消えた日。 

 
 8月20日 ハンガリーの建国記念日

 そして、夏休み最終日


 そう。

 春休みがびっくりするほど長かった(ほぼ1ヵ月の29日間!)ブダペスト日本人学校の夏休みは、なんと北海道並みの短さ。

 7月18日に1学期の終業式があり、2学期の始業式が8月21日。つまり夏休みは33日間
 (・・・ってことは北海道の小学校よりは長いか。最近のことはわからないけど。)


 そして、その最終日「ハンガリーの建国記念日」という、国をあげてのお祭りと重なっている、というこの悲劇。

 聞くところによると日本人学校の始業式は、ここ数年8月21日=建国記念日の翌日なっているらしく・・・。

 つまり、8月16日から5日間続いている民俗芸術祭 Mesterségek Ünnepe:Festival of Folk Arts】(ブダの王宮で盛大に行われます)と、そのお祭りのフィナレーとなる建国記念日の夜に ドナウ川に一斉に上がる花火を心ゆくまで楽しむことが出来るのは、夏休みの宿題をすでに終えた子を持つ家族、ということになってしまうわけで。
 もちろんこれは日本人学校関係者に限っての話になりますが。


  それでも、子どもたちの宿題がこんなに大量に残っているとは夢にも思っていない能天気な親と、自分たちに課されている宿題の全体像(量)とそれをやっつけるために必要な時間を客観的に計算することが決定的にできていないことに夏休み最終日になるまで気づくことができなかった子どもとで構成されている某村上家は、上記の王宮のお祭りに初日(16日(土))から家族でいそいそと出かけ、

初日(土曜日) 入り口の横断幕の前で。



「何かワイン飲んじゃおっかなぁ・・・。」


 さらにその翌日にはまだまだ遊び足りなかった女チーム(みどり&私)で再度出かけてみたり・・・と、ほんの数日前まではまだ平和な空気が流れていたのです。

 「レース飾り作り体験」させてもらったり、



 「花かんむり作り体験」させてもらったり、



 こーーんな民族衣装の人と一緒に写真撮らせてもらったり。



 しかし、

 最終日前日の8月19日の夜あたりから、もやもや〜〜・・・っとやばーーーい空気が我が家の中に立ち込め始め・・

 本日8月20日(水)は、朝から黙々と残された(山のような)課題に取り組むふたり。



 建国記念日の今日、最終日を迎えている王宮のお祭りは賑やかさを増しているだろうし、日頃から観光の目玉となっている英雄広場イシュトヴァーン大聖堂国会議事堂などでも、それぞれ式典や特別公開品などを見ようと大勢の人が集まり、さらに街のあちこちが歩行者天国になり、いつものブダペストがとにかくお祭りムード一色になっている・・・はずなのに、一歩も外に出ないまま時間だけがどんどん過ぎている我が家。


 昼ごはんは焼きうどんを作って食べ、


 でも午後になっても、どちらからも「終わった!」の声が聞こえることはなく。



 せめて夕飯時にはちょろっと街のようすなどを見に行けるか・・・という午前中の淡い期待も、
いつの間にか儚く消え、


 晩ご飯、レトルトカレー即席ツナサラダ


 
 そして、外は暗くなり・・・


 もうすぐ午後9時
 ドナウ川の4箇所から一斉に花火が上がる、という時間が近づいてきていますが、



 それでも私(我が家)には、まだ「ささやかな期待」というものが残っていました。


 3階建ての一軒家の最上階(3階)に住む我が家。
 実は、階段を上がったところに屋根裏部屋のような客間があり、そこのベランダから外に出た部分がまるで屋上のように広くなっているのです。
 

 この上の部分。



 ここでこんなふうに、晩ご飯を食べちゃった日もありました。
 (上まで運ぶのが面倒くさいのでたった1回きりでしたが。)

 
 ドナウ川の西側、ブダ側の高台に位置するところにある我が家。

 
 この「屋上」から、もしかしたら、花火が見えるんじゃぁないだろうか?
  


 そして、もしここから見えれば、それはそれで人混みに紛れることなく・・・、


 というか、ある意味ベストポジション確保ーーー!!! 
 
 ってことになるんじゃなぁい?

 
 で、来年はがんばってドナウ川近くまで見に行って、ちょっと離れたところからの眺め(今年)と間近での眺めを比べっこしてみたりして。

 で、再来年は過去2年で軍配の上がった方の場所で三度目の花火を堪能する・・・。


 と、筋書き通りにうまくいくかはわからないけど、とにかく今年はすでにこの「我が家から見てみる」に賭けるしかない状況なわけで。
 



 そして夜、9時ちょっと過ぎ。

 
 遠くから、明らかに花火が上がっている音が。


 サンダル片手に上への階段を上り、

 さぁ!屋上へ!!
 
 
  
 「パパ! どっち??」

 「ドナウ川はこっちの方だ、みどり。」


 
 そこで家族4人が目にしたものは、
 


 闇夜に浮かぶ木々の向こうにもくもくと立ち上る白煙


 その白煙の下に、何かがキラキラ・・・・


 木々の間に、「あ、あれが花火なんだ、たぶん。きっと・・・」

 そう思える光が、


 光のかけら、というか 光の屑(くず)のようなもののみが


 キラキラ チカチカ



 ババーン! バ・バ・バーーーン!!! 

 もくもく もくもく

 キラキラ


ババーン! バッバーーン! バ・バッバーーーン!!!



 もくもく もくもく もくもく

 キラキラ チカチカ・・・・・



 

 私は言葉も失く屋上を後にしました。





 花火がすっかり終わった後も、毎晩9時前にはベットに入って爆睡する毎日を送り続けてきた我が家の二人の子どもたちは、宿題の最終チェック、明日の持ち物のチェックなどに驚くほど時間がかかり

 草太がベッドに入ったのが10時半過ぎ。

 みどりは11時半近く。


 


 これだけ宿題が大量に残っていたことに気付かずにいたことにショックを受けた両親(つまり私と夫)は動揺しつつも、このような過ちを繰り返さないためにはどうしたらいいか・・・朦朧とした頭で考えました。


1.次回からは宿題の全体量を確認して、もっと積極的に進捗状況をチェックする。
 (子どもの自主性に任せ過ぎない/自主性を過信し過ぎない)

2.来年は宿題完了まで付き合わない。「悪いけど花火は見に行かせてもらう。」と今から宣言しておく。


 どちらがどちらの発言か・・・というのは、分かる人には分かると思うのでここではあえて公表しませんが、とりあえず来年はこの折衷案(?)で行くことになるのでは?というところです。

 


 あぁ〜ぁ、花火、見たかったなー・・・・

 黄金色に輝く国会議事堂をこれでもかというくらい神秘的に浮かび上がらせてくれる花火。

 中世のおとぎ話から切り取られたかのようなブダの丘の上で、王宮や教会たちに抜群の演出効果を施してくれる花火。




 ちなみに、こんな感じらしいですよ。
 ハンガリーの8月20日って。


ブダペストの8月20日建国記念日
〜ブダペストが最も盛り上がる夏の一日〜-旅行のクチコミと比較サイト フォートラベル-
http://4travel.jp/travelogue/10696304


 これを逃した悔しさ・・・・お分かりいただけます??