やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

ああ・・・駆け抜けていく(長いはずの)2学期 〜その2 【第24回 学習発表会】〜

 
 「なんとか今年は無事に『学習発表会』ができそうで、よかったよかった。」

 そう思いながら、なんとなく夜更かしをしていた学習発表会の前日、11月22日の深夜。

 パソコンに向かっている私の手元でケイタイの着信音が。
 誰かからメッセージが届いた模様。

 「こんな時間にいったい誰?」
と思って見ると、[CSJ Kinkyuu]
 CJS(Cairo Japanese School=カイロ日本人学校)からの緊急メール

 時間は2:32am


ぬぬぬ???

[Opera house ga close saretatame honjitsu no gakushuhappyoukai ha enki shimasu.]

うわっ!
マジですか!?
しかもこんな時間に、なぜ!??


 と、この辺のことは先月の【そして11月20日は過ぎていった・・・・】http://bit.ly/TSrTqZ でもチラリと書きましたが・・・

 
 深夜のSMSでの連絡という事態になった理由はわからないけど、
でも、とにかく、カイロ日本人学校の学習発表会は情勢の関係で今年も予定していた日に行うことができなくなった、ということだけは確かなのね・・・

そう思いながら、とりあえず寝ることにしました。


 午前9時開始の学習発表会が延期になった・・・ということは、この日は普通の休日と同じ。ゆっくり寝ていても大丈夫、と思ったけれど、そこは連絡系統がしっかりしているカイロ日本人学校。朝6:14に緊急連絡網で本日の延期についての電話が回って来ました。


 中止ではなく「延期」となった学習発表会は、また昨年のように来週あるいは再来週の金曜日あたりに学校の体育館で行われるのでしょうか?
 
 今年と同様、オペラハウスで予定されていた日が使用不可能となったあと再度同じ会場を手配することができず、2週間後の土曜日に学校の体育館で行われた去年の「学習発表会」。そういえば体育館はひどく寒かった。いつも練習で使ってきた場所、つまり子どもたちにとっては「アウェイ」ではなく「ホーム」とでもいうべき体育館での発表会となったため、子どもたちは必要以上の緊張をすることも無く非常に自然体で伸び伸びとした歌や器楽演奏、そして劇などを披露してくれたのですが・・・ガランと広い体育館は、それはもう寒くて寒くて。
 それでも、我が子の小学校での初めての「学習発表会」ですし、またステージにいる子はほとんど知っている子という小規模校ならではの雰囲気から、最後までしっかりと楽しませていただきました。

 昨年(2011年12月10日(土))の学習発表会。1,2年生の鍵盤ハーモニカ演奏


 同じく昨年。1,2年生による劇 《かさこじぞう》


 全校児童・生徒による合唱。♪ビリーブ(BELIEVE 作詞・作曲:杉本竜一)は、いつ聞いてもじ〜んとくる曲です。


 
 さて、そして今年の学習発表会は、というと・・・

 なんと予定されていた11月23日の翌日、24日には学校側から早くも『新たな開催日時、場所』についてのメールが入ったのです。これにはびっくり。しかも新たな開催日時は一週間後の11月30日(金)

 実はこうなることが事前にわかっていて、裏で既に別の場所を確保していたんじゃぁ・・? と思いたくなるくらいの素早さでした。
(実際には延期が決まった23日当日に、超特急でいろいろな場所を見に行った・・・という話も聞いています。が、真相はわかりません。・・・って、先生に直接お聞きすればいいんですけどね^^;)


 会場となった[Maadi Public Library]は、カイロ中心地の南側に位置するマァディという地域にあり、我が家からは車で(道が混んでいなければ)30分もあれば着く場所でした。

 10年前に建てられたというまだ新しいLibraryにあるこのホールは、びっくりするくらい「カイロ日本人学校の学習発表会」にピッタリのサイズ。

 観客席の前方に発表者である児童生徒が座り、その後ろに保護者等関係者がゆったり座って、最後列までほどよく席が埋まる程度の大きさでした。
 
 ホール前方の舞台(ステージ)には真紅のカーテン(幕)があり、ゆるやかな階段状になった観客席のイスは映画館のイスのようで、学校の体育館に並べられたパイプ椅子とは明らかに違う座り心地。そして適度な空調でホール内は寒くもなく暑くもなく。

 
 去年は去年で、「ホーム」で伸び伸びと発表する子どもたちの姿が見られたのは良かったですが、もし仮に今年もそうなった場合、2年連続の「ホームでの発表」となると果たしてそれが子どもたちにとってプラスの方向として作用してくれたか・・・と考えると、なんとなく「No」という感じがしていたので、今年はこの初めての場所[Maadi Public Library]で「学習発表会」ができて本当に良かったなぁ・・・と思いました。

 ちょっとよそ行きの気分になれる場所で、いい意味での緊張感を伴いながら“観客席”で見守る家族にこれまでの成果をしっかりと見てもらおう、・・・そんな思いで頑張っているのだろう子どもたちの様子がよくわかる「学習発表会」でした。


 そう。
 去年にも増して、今年は本当に【学習発表会】だった、というのが、この日のすべての発表を見ての私の第一の感想でした。

 「学芸会」でも「文化祭」でもなく、日頃の学習の成果を発表する会

  3,4年生の創作劇『ツイン・ピーチーズ』〜〜大きな桃から生まれた双子の桃太郎(ただし一人が日本人でもう一人がエジプト人^^;)が繰り広げる現代版のドタバタ鬼退治ストーリー〜〜には、総合学習の時間に学んだという日本の昔話や童歌、それにエジプトの歌や遊びがたくさん散りばめられていました。


 5,6年生の創作劇『エジプト新喜劇〜15年後の私たち〜』も同じく総合学習の時間に学んだことを題材として組み立てられていました。
  カイロ日本人学校を卒業した友人同士が、15年後のクラス会の日に再会。お互いに今進み始めているそれぞれの道について報告しあい、楽しかった学校生活を振り返りながら、自分の将来のことを考える際に参考となった素晴らしい特別授業もあったよね・・・などと語り合う、という内容でした。
 
 この創作劇を見ることによって、観客である保護者ら学校関係者は、今、学校側が力を入れている「キャリア教育」の一環として、これまで3回に渡って外部からお客様をお招きするなどして、児童たちが現役の職業人(お仕事をしている人たち)のお話を伺うという貴重な機会を得たことがよくわかる、という仕組み(?)になっていました。(まあ、こういう活動が行われていたことは、学校からのお便りやホームページなどで知ってはいましたが。)

 ただ、なんとなく「◯◯さんから、こんな貴重なお話を伺ったよね。」「△△という仕事は、◆◆や◇◇のことも考えながら常に▲▲のために日々努力をされている、ということに驚いたよね。」
(すみません。セリフの部分は自分の記憶を頼りに「こんな感じのことを言っていたなぁ」という“イメージ”です)
 というような「回想セリフ」の部分で、急に難しい(妙に改まったような)言葉(セリフ)を順番に発表し合うような形となり、私にはどうもそれが「作られたセリフを言わされている」ように感じてしまったのですが・・・ほかの方にはどう映ったのでしょう?

 いずれにしても、1年間学んできたことをしっかり個々の中に再確認させ、そしてその内容を“家族らに伝える”という目的を持って「形」にする、というスタイルに、うん、これってまさに【学習発表会】だわぁ・・・と思ったのでした。


 そういう意味では、中学部の「英語のプレゼンテーション」も、これまたほんとうに素晴らしかったです。中学部の生徒4人全員が『Our future Dream』というタイトルでひとりずつ全て英語で将来の夢について発表。自分の夢について、あそこまでしっかりと語れるとは・・・と英語力そのものももちろんのこと、その内容の方にも拍手!という感じでした。
 
 家に帰ってきてからも、かなり英語は得意なはずの夫が
「やっぱりさー、あの英語のレベルって普通じゃないよね。いくら原稿見ながらっていっても中学1年生であそこまで話せるのってすごいよね。」としきりに感心しておりました。

 日頃から“外国語”が周りにあるのが普通、という環境で生活していることも彼らの語学力を高める要因にはなっているかと思いますが、それ以上に、日々ほとんどマンツーマンに近いような形(中学2年生に至っては完全にマンツーマン!)で英語の授業をうけることができる小規模校ならではの学習環境、そしてそのような環境を大いに利用し、確実に生徒たちの力を伸ばす方向に指導が出来ている先生の力量を感じました。


 さて、そして我が子が出演していた1,2年生の劇は、というと・・・
いや、可愛かったです。
エジプトの昔話『豆の入った鉢』という、日本の昔話で言うと『したきりすずめ』や『こぶとりじいさん』タイプの “欲を出すと残念な結果に終わりますよ〜” というお話をエジプト人に扮した子どもたちが歌や踊りも混じえながら演じてくれました。

 元気いっぱいの低学年の姿は、見ている人たちを無条件に幸せな気持ちにしてくれます。

(ズームのないケイタイ電話での撮影。なんとなーくしか分からないこんな写真しかありません。)


 ということで長々と書いてしまいましたが、今年もアクシデントはあったものの結果的にはとても見応えのある立派な【学習発表会】となり、いや、本当によかった、よかった・・・という感じです。


 そして、今年も会場に響いた ♪ビリーブ 
 それから今年はもう1曲、永遠の合唱曲(?)♪翼をくださいも全校合唱で聞くことができました。 アカペラのハモリで始まり、サビの部分でもしっかり二部に分かれて綺麗なハーモニー・・・
こんな感動的な歌の最中に、大きなあくびをしちゃってる子もいる・・・というなんとも自由奔放で(?)素敵な大合唱でした。



 こんなふうに、歌(音楽)を通じて自分の小学校・中学校時代を追体験させてもらえる、というのも日本人学校の大きな魅力なんだよな〜〜・・・としみじみ思ったのでした。