やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

ああ・・・・駆け抜けていく(長いはずの)2学期 〜その1【第25回 大運動会】〜

 
 4月から始まる一年を3つの学期に分けて学校生活を送るのが日本式。(あ、学校生活に限りませんが)
海外にあるほとんどの「日本人学校」もこの日本式のカレンダーで学校運営を進めており、もちろんカイロ日本人学校もその例外ではありません。

 なので「2学期」は一年で一番長い学期のはず。
なのに、なのに、その2学期もあと10日足らずで終わってしまう・・・って、なんだかもう本当に早すぎ・・・いえ「速すぎ」

 イスラム教の大きな行事である断食月(第9番目の月=ラマダーン)や、それが明けたあとの『イードル・フィトリ』(断食明けを祝う大祭=祝日)の関係で、今年の夏休みは例年より少し早く始まり、その分早く終わりました。

 そんなわけで、8月28日(火)にスタートした今年の2学期でしたが、大きな行事【運動会】、【学習発表会】、【ピラミッド持久走】があれよあれよという間に終わってしまいましたので、それらをさらっと(?)振り返っていきたいと思います。


【涙、涙の大運動会】

 今年は絶対に負けちゃだめなの。だって来年の運動会は出られないから今年で最後でしょう?今年も負けたら“負けっぱなし”ってことになっちゃうんだもん。

 2学期が始まって、いよいよ運動会の練習もスタートするか・・・という頃から、何度もみどり(長女:小2)の口から聞いたセリフでした。

 全校生徒が30人ほどのカイロ日本人学校の運動会は、縦割りでスパっと「赤組」と「白組」に分けた「紅白対抗運動会」。

 みどりにとって初めての運動会だった去年、みどりの「白組」は僅差で赤組に負けてしまいました。プログラム一番最後の《紅白対抗全校リレー》の勝敗いかんで勝負が決まる、という本当に接戦の、見ている方としては「見応えのあるいい運動会」だったのですが、そんな僅差で負けてしまった側としては、悔しくて悔しくて、もうどうしようもないほど悔しくて・・・という気持ちだったらしく、閉会式ではみんながきちんと整列している中、ボロボロと溢れ出る涙が止まらない1年生数名・・・
 グラウンドの後ろの方から全体を眺めていた私は全く気づかなかったのですが、どうやら先頭を切ってボロボロと泣き出したのはみどりだったらしく・・・

私は後ろからこんな写真を撮っていました。2階建ての校舎の上に日本の国旗とエジプトの国旗がはためいています。

 「いつの間にか、そんな“なにくそ”の気持ちを秘めた子に育っていたのね・・・」と親の私たち(夫&私)がびっくり、という大きな発見のあった去年の運動会でした。


 そして、今年。
 10月12日(金)に、秋晴れのもと行われた(・・・年に数回しか雨の降らないカイロでは基本いつでも《晴れ》なので、こういう学校行事でも《雨天順延》などと言う言葉とはまずご縁がないのですが^^;)第25回大運動会

 今年も「白組」となったみどりは気合いも充分。でも気合いが入り過ぎている分、自然と自分にプレッシャーもかかってきているようで、学校から帰ってくると「あー・・・緊張する。」、「もう運動会の練習いやだぁ。」、「あぁ、もうすぐ本番だ・・・どうしよう」などという言葉が口から出る毎日。

 それでも1〜3年生で踊る『SOHRAN』(ソーラン節)はかなりのお気に入りだったようで、家でも「ここの、こういう動きが難しいの。」などと言いながらしょっちゅう踊っていましたし、本番の出来栄えもなかなかのものでした。
 フィニッシュ!

 おまけ:去年の『ニャティティ・ソーラン』http://bit.ly/TKKVgo


  例年通り、日本人学校の交流校「エルウィー校」や「サッカーラ・ランゲージスクール」の生徒や、「カイロ大学」「アインシャムス大学」の日本語学科の学生さんたちの参加もあり、
 あ、すみません、これは去年の写真です^^;

 未就学児参加のレースもあり、
 最初から最後までニコニコ(ヘラヘラ?)笑いっぱなしで走っていた草太。こちらも去年の写真。今年は運動会開始数分後にカメラの電池切れで実はほとんど写真が撮れず・・・

 一般参加の地区対抗リレーもあり
北海道地区の選手として走ったりもしている・・・


・・・と、こんな感じで和やかに楽しく進んだ運動会でしたが、

 最後の種目の結果いかんで勝敗が決る、という去年と全く同じパターンで《紅白対抗リレー》を迎えることになるとは。


 そして、《紅白対抗リレー》

みどりは第一走者。
白組は白と緑、赤組は赤とオレンジのゼッケン。4チームでの対抗レースとなります。


いや、この時の子どもたちの真剣な顔、顔、顔!

そして、それを応援するお父さん、お母さんの必死な顔、顔、顔!!
これこそ運動会の醍醐味ですよねぇ・・・。


 運動会の数日後に私の母から届いたメールに
『MやK(私と妹の名前)が初めての運動会の時、わけもなく涙がぽろぽろ出たのを思い出した。なんていうか、感動するんだよね。』
 と書かれていたのですが、この「理由もなく感動して涙」という感覚は、実は、私は自分の子どもたちがまだ参加していない2010年の「カイロ日本人学校運動会」の時に経験してしまい、ひどく焦ったのを覚えています。
 カイロに着いてまだ1ヶ月も経ってないかった10月のとある日。日本人学校で運動会があり、それは誰が見に行ってもいいこと、未就学児が参加できる種目もあること・・・などを聞き子どもたちと3人で出かけて行きました。(確か夫はどこかに出張に行っていて、この時は一緒に行っていないはず)

 本当に久しぶりに見た、コテコテの日本スタイルの「運動会」
 日本人の子どもたちがみんなで紅白帽をかぶり、万国旗はためくグラウンドを元気良く走る姿に、ひたすら感動しました。
 自分が小学生・中学生だった頃の運動会のことが嫌でも思い出され、そしてさらに、たぶん1年生と思われる小さな女の子が中学生の大きなお兄ちゃんに手を引かれて一生懸命走る姿などを見ているとなんだか胸がいっぱいになってしまい、思わず「うるっ・・・・」と。

 えぇ?自分の子どもが出ているわけでもないのに、これってヤバくない??

 これが私とカイロ日本人学校の運動会との出会いでした。


 そして、その翌年にみどりが入学し、我が子が初めてこの運動会に参加したのですが、その時は応援するのに必死で娘の頑張る姿に感動し涙する余裕など全くなく・・・^^;

 2年目となった今年も同じ。
 綱引きでは「軍手を持ってくるのを忘れた!」と悔み、絶対に勝ったと思っていた東西対抗の玉入れ(東日本VS西日本。大人が結構ムキになります)でまさかの敗北にボー然とし、地区対抗リレーに出場し・・・で、娘の応援ももちろんですが、自分自身ももう必死。


 あ、話がだいぶ逸れました。


 で、結局、最後に涙・涙となったのは・・・

 そう。
 一生懸命、本気で頑張りぬいた我が家の主役、みどりでした。


 最後の《紅白対抗リレー》では、当日の朝まで熱があったはずの中学生Kくん(赤組キャプテン)が驚きの猛スピードでグラウンドを駆け抜けるなど、追い風は向こうに吹いていたようで・・・勝利は赤組の手に。


 ありゃりゃぁ〜・・・やばいよ、また泣いちゃうよ・・・。

 と思ったらやっぱりその通りで、閉会式が終わり、イスを片付けているその後ろ姿には、声をかけるのも憚られるほどの哀愁が漂っておりました。


 可哀想だけど、これが勝負の世界。
 でも、こんなことにでも(・・・失礼^^;)必死になれて、本気で泣けるってすごいと思う。

 これからも、いろんなことに頑張ってね!!
 
 と、心からわが娘にエールを送りたくなった私でした。



<おまけ>
 今年カイロ日本人学校は「開校40周年」


 このポーズからスタートした上級生の組体操も見事でした。


 この「大縄跳び対決」も、見ている方が緊張・・・!