やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

1月が終わりました。

 今日から2月。

 あっという間に2012年の12分の1が終わってしまいましたね。

 エジプト在住者、あるいは自分の中の「エジプト度」の高い人たちの間には、
この1月後半の時期が今年1年の行く末を左右すると言っても過言ではないくらいの大きな節目の時期になる・・・くらいに思っていた人も多かったと思いますので(何を隠そう私もその一人)、正直、このように比較的静かに1月25日(旧:「警察の日」、今年から「革命記念日」。但しこれが正式名称かは不明)が過ぎ、その後の27日(金)、28日(土)の週末も恐れていたような事態は起こらず比較的 穏やかだったということで、心の底からホッとすると同時に「え?ホントにこれだけで終わっていいの?」などと思ってしまった人も少なからずいたようです。


 今年から国民の祝日となった1月25日が「静かに過ぎた」と言っても、もちろん何も起こらないただの休日になった、というわけではありません。
 少なくともタハリール広場には去年の革命時に負けないくらいの何万という人が集まったようで、facebook上ではこんな写真が盛んにシェアされていました。
 〓Ta7yes online تهيس اون لاين


 タハリール広場周辺には1月23日からすでに14台もの救急車がスタンバイしていた、とのことですし、やはり大勢の人が集まることは当然のことながら予想され、ということはほんの些細なことが大きな事故に繋がりかねないという懸念があったことは確かです。

 「大きな事故」とは言えませんが、この25日にタハリール広場にて産気づき、なんとそこで出産した人がいたとか・・・。
 『男の子だったら“革命くん”か“タハリールくん”かねぇ?』などと勝手にfacebook上で盛り上がったりもしました。



 そういえば、一時期「放射性物質が盗まれる」という事件が話題になったりもしましたね。
【エジプト原発予定地から放射性物質盗まれる、専門チームが捜索】http://bit.ly/xvzPdi 
1月19日付けの記事・・・と、これまた「1月25日」を目前にした日だっただけに必要以上にいやぁ〜〜〜な感じがしたのですが、結局この盗難事件はその後どうなっているのでしょう?? 12月16日にもカイロ大学から放射性物質が盗まれていた・・・ということも聞いています。きちんと目的があって盗んでいるんでしょうか? いえ、目的がはっきりしているなら盗んでもいい、などという問題ではありませんが。


 1月24日に、エジプトで30年間(つまりムバラク政権下でずっと)続いていた「非常事態宣言」が解除された、ということが大きな混乱や騒乱に歯止めを掛けることになった・・・のかは定かではありませんが、それでも「やっぱりこの国も少しずつは動き出しているんだ」と思っていいのでしょうか? 正直、私にはわかりません。
 【エジプト、30年強続いた非常事態「解除」へ】http://bit.ly/xIhe2v

 わからないけれど、この1月末の数日を(少なくとも私たち在エジプト外国人たちが)「普通に」過ごすことができた、ということが私には本当にありがたく思えました。

 25日と週末の27.28日の間の1月26日木曜日に普通にお弁当を作って、普通に子どもたちがスクールバスに乗り、夫も地下鉄でタハリール広場近くの職場に出勤していった時・・・
「普通である日常」をひしひし・・・どころでなくビシビシと感じました。


 ああ、今日もピラミッドが見える。嬉しいな。

 などといつも見えているピラミッドを妙に厳かな気持ちで見つめてしまったり、

 好きなときにきちんとケイタイが使えるって、ほんとありがたい・・
 テレビでもちゃんと今のタハリールの様子、映してくれてるし。

などと、ついつい去年の同じ時期と比べて、やたらと色々なことにありがたさを感じてしまったりもしました。



 でも、
 全く同じ時期に、近くの国シリアであまりにも悲惨な出来事が続いている・・・ということに心を痛めずにはいられません。

ゆっくりと前に進もうとしている国がある一方で、
もう、どうにもこうにも救いようがなくなってしまっているような国もあります。


2012年の年頭に、「今年は少なくとも去年よりも平和で穏やかな気持ちで暮らせる人が多い年になりますように」などと願った人は私だけではないはず。


2012年の残りの12分の11が、今よりも少しでも良い方向へ進みつつ過ごせる日々となりますように。