あっという間に今年2013年の半分が過ぎてしまいました。
今日は7月1日。
一部で「X-day」などと言われていた6月30日も、ふと気づけば過ぎ去ってしまいました。
・・・・・というと、あまりにも鈍感人間のように思われてしまいそうですが。
でも実際この日は、かなり平和的な雰囲気のうちに日が暮れた・・・という印象でした。
確かに数としては多くの人たちがタハリール広場に集まっていたようですが。
6月30日(日)は、日本人学校も臨時休校(エジプトにある学校は金・土曜日が休日なので普段は日曜日は登校日)、夫も「自宅待機」ということで、《とにかく何が起こるかわからないから家でおとなしくしていましょう》という日ではありました。
大使館からの情報によると(こんな素晴らしく詳細な情報が送られてきていました!⇒http://bit.ly/19PkPCl)、その日の大規模デモも、予定されているものとしてはだいたいが午後4時スタート。昼12時スタートのところもあるようだけれどうちの側は全く通らない模様・・・ということで、日中は本当にいつもと変わらぬ・・・いや、いつも以上に車も少なく静かで穏やかな「休日」でした。
昼ごろに100人程度のデモ隊がタハリール通りを西から東へ歩いて行きました。我が家のバルコニーやリビングの窓からはタハリール通りがよく見えます。このまま東へずーーーっと進むと(地下鉄の駅2つ分)「タハリール広場」に続く道です。
正規のデモ隊ルートとは違うので、一足先にタハリール広場に行っておこう・・・という有志のグループだったのでしょう。明らかに子ども、という感じの子がまとわりつくように走っていましたが、あの子たちもあのままタハリール広場に行ったのでしょうか?
夕方4時過ぎには、ドッキ通りを南下するデモ隊が見えました。こちらはタハリール通りに合流していから東に向かう(大使館の情報にあった)正規ルートのグループ。
ドッキ通りは我が家からは遠いので、途中の建物の隙間からずんずん動く人影がず〜〜〜っと続いている、という感じで見えるだけでしたが、たぶん30分以上は人影が途切れることがなかったようなので相当の数の人がタハリール広場に向かって歩いて行ったことになると思います。
でも、威勢のいいシュプレヒコールがずっと聞こえるというわけでもありませんでしたし、雄叫び・奇声のようなものも気になりませんでした。(私が動向を注視していなかったから、という理由も多少はあるかも)
この日、タハリール広場に集まった人の数は、数万人とも数十万人とも言われていますし、「広場に50万人」という報道もありましたが(http://bit.ly/11VnUik) う〜〜〜〜ん、あそこに50万人も入るのかなあ?
エジプト全土でのデモ参加者が100万人とか300万人とか・・・でも中には『軍関係者によると抗議活動に参加したのは国民の6人に1人にあたる約1400万人。』なんていうのがあって(これもロイター)、いくらなんでもそれは多すぎませんか? と漠然と思ったり。
でもとにかく今現在、エジプトでは、2011年のムバラクを退陣に追いやったあの時と負けないくらいの人が立ち上がっている、というのは事実なのかもしれません。
ただ、まだどうも私自身に緊張感がありません。
身近なところが、あまりにも「普通」すぎるから、なのかもしれませんし、
それだけの理由ではないのかもしれませんが。
昨日も昼ごろに近所のスーパーに買い物に行ったら、途中の道の雰囲気も店の中の様子も、当たり前といえば当たり前だけど、普段通りで。
女性の従業員も普段通り出勤していて、地下鉄のタハリール駅で乗り換えて通勤してきている女性店員もいつも通りレジにいました。
買い占めがどうの・・・という報道も一部ではあったようですが、たしかにガソリン関連の品不足はあるようですが、スーパーの棚はいつもと変わらず商品であふれていました。
ちょっと買い物をして帰ってきたら、昨日まで気づかなかったポスターがアパートの入口に。
「うわっ! こんなあからさまなのがうちのアパートに?」と思いつつよく見ると、
「おぉ!“タマッルド(抵抗)”!!」
今回の反ムルシ・デモのスローガンになっている言葉を初めて目の前でしっかり確認でき、ちょっと小躍り。
思わず写真に撮っていると背後に人の気配が。
振り向くと、私の背後で別の人が、これまた記念撮影をしようと近づいてきていました。
しかもこの人、右手でケイタイをかざし、左手では別のケイタイで誰かと電話で話をしています。しかもくわえタバコ。ま、そんなことはどうでもいいけど。
「今日このあと、タハリール広場に行くんですか?」とたどたどしく聞いてみたら、
「オフ・コース!!」と、威勢よく英語で答えてくれました。
ついでに「エジプト人は、みーーんな行くんだ!」と今度はアラビア語で。
「えぇ〜〜〜〜〜?? みんなぁ〜〜〜〜〜??」的な反応を返すと、
「そうだ。みんなだ!」と言って、ムルシィのポスターを指差し、そしてなにか早口でまくし立て、そして、自分の首を絞めるようなジェスチャーをしながらまた何か言っています。
『そうだ。みんなだ! だって、こいつがいつまでものさばっていると、俺たちはもう先がなくなっちまうんだ。生きて行けなくなっちまうってわけさ。』
つまり、こういうことでしょう・・・
言ってることは全く分からなかったけど、言いたいことはよーっくわかりました。(たぶん)
でもだからって、ただみんなでタハリール広場に集まれば、何かが変わるってわけでもないでしょうに。
こうやって数を集めて、それから先はどうしようって思ってるんだろう?
いや、何かきちんと考えがあって、それを通すためにじっくり考えて行動している人って、いったい全体の何%くらいなんだろう?
なんて考えていたら、反ムルシ派が期限付きで退陣の要求を出し、また軍も48時間以内に「国民の要求に応えるように」(つまり「辞任するように」)と呼びかけたとか。
やっぱりこの国では「軍」ってそんなに偉いんでしょうか?
とりあえず「武力」でなんとかしてもらわないと。そしてまたすべてはそこから再スタートだ!
そう思っている人が多いらしいエジプト。
先は長い・・・・。
今日、ほんとうにつくづくそう思いました。
そして、我が家の「エジプト生活」はカウントダウン。
昨日、6月30日がぴったり「残りあと100日」でした。
あと100日ってそんなに多くない。
一日だって無駄にしたくない心境なのに・・・・
明日も日本人学校は休校になりました。
でも、タハリール広場のすぐそばに事務所がある夫の職場は通常通りの出勤。
やっぱり前回のような緊張感、持てませんよ。
だって、出勤ですよ、我が夫^^;