11月半ばに行われたブダペスト日本人学校の【ドナウ祭】。
この【ドナウ祭】という学校行事が紛れも無く“学習発表会”であることは、先日触れましたが、とにかく
「体育祭(2学期が始まってわずか2週間後に行われました)が終わった直後から、
この【ドナウ祭】を目標に頑張り続けてきました〜!」
という子どもたちの真剣な思いがひしひしと伝わってくる発表の数々でした。
特に3,4年生の発表は、私自身が、その内容・テーマに行き着くまでの過程をある程度
「共有」させてもらえていたせいか見応えがあり、胸にぐっとくるものもありました。(笑)
「共有」させてもらえたというのは、発表の中で紹介されていたゲスト・ティーチャーの皆さんのお話を私たち保護者も聞きに行くことができたからです。
・WTCC(世界ツーリングカー選手権)のレーサー、ミヘリス・ノルベルト(Michelisz Norbert)さん
・日本でもニュージカル「エリザベート」のトート役を全て日本語で演じた、ミュージカル俳優、マーテー・カマラーシュ(Máté Kamarás)さん
・視覚障害者のための盲導犬を育てる「盲導犬学校」で働くスタッフのみなさん、
そして実際に2年半前から盲導犬ボロシュとの生活をスタートさせたエニクーさん。
彼らが話してくれた内容や、いろいろなことを経験している彼らだからこそ発することができた言葉が、発表の中に散りばめられていました。
また、その時の授業のようすの写真がステージ奥のスクリーンに映しだされ、その大きな写真の前で
「これからの自分の目標」
「どんな自分になりたいか」
「将来の夢は何か」
※ところでこういうのって今時の学習発表会の「流行り」なんでしょうか?
あるいは、3,4年生ではこういうスタイルの発表をメインにしましょう・・・というような「指導要領」的なものがあるのかな?
去年のみどりたちの3,4年生のステージ発表でも「自分の長所(よいところ)」について一人ひとりが発表する、というのがありました。確かこの時は『みんな違ってみんな良い』がテーマでした。
3,4年生は全部で19人。
少人数だからこそ、「一人ひとり全員が発表」ということができるんですよね。
そして最後に
「夢や目標に向かって、僕たち・私たちも頑張っていくぞ!」という感じで
とってもノリの良い曲(アニメ〈イナズマイレブン〉のオープニングソングにも使われていた ♬マジで感謝 という歌)をみんなで元気よく歌って、幕。
私は会場の後ろの方でビデオを撮っていたので、舞台に立っている子どもたちの細かな表情までしっかり見ることはできなかったのですが、あとから友人パパが送ってくれた写真の中には、あまりにも楽しそうなようすが写っていたのでびっくりしました。
楽しかったんでしょうね・・・。
よかった、よかった。
そして、5,6年生の《ハンガリー・ダンス》
会場では、可愛らしい衣装に身を包んだ子どもたちが緊張しつつも嬉しそうなようすで自分たちの出番を待っていました。
ふわふわのスカートに真っ白なエプロン。
髪の毛は後ろに一本のおさげ。
みどりはこの日のために髪を伸ばしてきました。
男の子の衣装も可愛くて凛々しくて。
袖口の花の刺繍は、決して子ども用の衣装だから・・・じゃないんですよね。
大の大人でも・・・頭に白いものが混じっているような男性でも、広がった袖にしっかりと花の刺繍が施されている衣装を着て踊ったりするのがハンガリー・ダンス。
初めて見た時のあのどうしようもない違和感も、最近は少しずつ薄れてきました。
今年のステージで披露されたのはハンガリー北西部のラーバクズ(Rábaköz)という地方のダンス。
この5,6年生の《ハンガリー・ダンス》は毎年違った踊りが登場するそうです。
【ドナウ祭】の前日に配布された5年生の学級通信。
そこに書かれていた5年生10人のそれぞれの目標が
『見ている人が楽しくなるように笑顔でおどる』
『笑顔でおどることをがんばりたい』
『笑顔で、間違えずに美しくおどる』
『目線をお客さんの方に向け、笑顔でおどる』
と、『笑顔』のオンパレードだった子どもたち。
「こりゃ、よっぽどこれまでの練習で『笑顔指導』に重点が置かれていたんだな・・・」というのがびしびし伝わってきて、逆に
《楽しむこと》
よりも
《笑顔を作りながら踊ること》にエネルギーを使う、なんてことになりませんように、
などと余計なことまで考えてしまいましたが・・・。
さて、本番はどうだったのでしょう??
私には
「笑顔で踊らなきゃ」という思いももちろんあったけれど、
でも、これまで頑張ってきた集大成を沢山の人に見てもらえる、という高揚感に包まれたステージに見えました。
踊りが大好きで楽しくてたまらない・・・という子ばかりでなく、
本当はこういうの苦手なんだけど・・・という子も、
ダンスなんて強制されないかぎりホントはやりたくない、という子も、
それでも 「みんなで一つのものを作り上げた」という達成感は確かにあったのではないかと思えました。
可愛らしい中にも驚きの演技力で大人たちを唸らせてくれる子がいた1,2年生の劇。
小学部の子どもたちばかりでなく、小学生の子どもを持つお母さんたちにも
「凛々しくて素敵・・・」と言わせた中学部16人での和太鼓。
最後には今年も小学1年生から中学部までの児童・生徒約80名での全校合唱。 ♬心の中にきらめいて 。
(去年は開校10周年記念ということで先生たちも一緒に♬ハレルヤに挑戦していましたね)
小規模の学校だからこそできるパフォーマンスが並び、それに参加する子どもたちは
必ずどこかで「主役」になれる【ドナウ祭】。
苦手なことも、少しずつみんなと練習していくことで、最後には達成感が味わえる場につないでいくことができる。
こういう環境はとてもありがたいと思います。
さて、
普通はこういう大きな行事が終わると、多少気が抜けるというか、
自分の子供の頃のことを思い出しても「燃え尽き症候群」的な症状がでてくるのも珍しくありませんが・・・。
ブダペスト日本人学校の太鼓部に所属している小学4〜6年生の子どもたち、
そして
この【ドナウ祭】で、先輩としての貫禄を見せつける和太鼓パフォーマンスを見せた中学部の子どもたちは
なんと、
明日、更に大きな舞台での出番が待っています。
NHK文化センターが毎年世界各国で行っている【国際交流祭】の、今年の開催地がブダペストとなり、
ブダペスト日本人学校の太鼓パフォーマンスの出演が、もうだいぶ前から決まっていたのです。
初日の開会式のオープニングで和太鼓部に所属している小学4〜6年生がステージに上がり、
初日昼の舞台発表の部で中学生が登場。【ドナウ祭】での和太鼓演奏をここでも披露するそうです。
【ドナウ祭】が終わった途端、今度はこの発表のために毎日太鼓の練習を頑張ってきた子どもたち。
明日の舞台では、【ドナウ祭】の時とは比べ物にならないほどの環境での発表となりそうですが(会場はなにやらものすごく由緒あるコンサートホールらしい・・・)
明日の会場となる「ヴィガドー・コンサートホール」
ブダペスト市内の世界遺産登録対象に含まれる主要建造物群の一つ。
リスト、ブラームス、ワーグナー、ドヴォルザーク、マーラーなどの巨匠が名演奏を行ったこともあるコンサートホールだそうです。
ぜひぜひ、「達成感」を味わってほしいと思います。
詳細はこちら👉http://bit.ly/1YsGj15
かなりたくさんの展示や舞台発表があるようです。