やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

北の果てフィンランドより《ハートブレイク・ニュー・イヤー・グリーティング》

 ついにアメリカや日本などに続き、ここフィンランドでも新しい年が始まってしまいました。

 あ〜ぁ、今年は超ハイテンションで新年のご挨拶ができると思っていたのになぁ・・・


 クリスマスをブダペストで過ごしたあと、27日夜から、こちらフィンランドサーリセルカという北緯68度に位置する小さな町に来ている我が家。いや、町というよりは「村」といった感じかも。人口はほんの350人ほどで、その小さな集落は30分もあれば歩いてまわれる・・・とあちらこちらのブログや旅行関連サイトに書かれています。

 そう。人口350人ほどなのに驚くほどたくさんの人がここを訪れ、そして旅の記録を残しているサーリセルカ
 オーロラベルト(オーロラ・オーバル)と言われる北緯65〜70度のエリアのど真ん中に位置するサーリセルカ

 今回の旅行の目的は言わずもがな。。。といったところで。

 こちらのホテルに6泊し、「この冬は絶対オーロラを見る!!」と、それこそ鼻息を荒くして乗り込んできた我が家。

 私としては、多くの人が「一生に一度は見たい」という【ピラミッド】はもうしっかり目に焼きつけたことだし、それじゃ次は【オーロラ】じゃない? くらいの感覚だったのですが・・・・



 違う違う! 


 【ピラミッド】を見るためには手強い客引きとの遭遇をいかにうまく乗り切るかというテクニック、というか強くて大きな心(?)が必要ですが、でもそれさえあれば、いや、実際のところそんなのなくたって、そこに行けば誰でも間違いなく見ることができます
 だって、いつでもそこにあるから。

 4000年以上前から、揺るぎない姿でここにこうしてそびえていてくれるから。


 一方、今回私たちが追い求めている【オーロラ】は?
 ・雲がないこと
 ・星空が見えるほど晴れ渡っていること
 ・周りが暗いこと
 ・障害物がないこと
 ・オーロラの活動が活発であること
・・・・・なーんて遭遇するための条件があれこれあって、そして最後には
 ・「出る」という強い思いが通じるかどうか
さらには
 ・忍耐と運
 
 こんなことまで言われたりしているもので。

「そこに行けば必ずある」の対極を行くものだということに、今ごろになってやっと気づいた・・・というか、いまさらながら実感しています。

 でも、
せっかくここまで来たんだから絶対何も見ずには帰れない!

 そんな思いで今日の大晦日を迎え、日付が変わる直前まで、みどりと二人、オーロラを求めて暗闇の雪の丘をさまよい歩いたりもしていたのですが・・・

 人というものは、自然現象というものの前には悲しいほどに無力なものなのですね。


 昨日は見えたんですよ。薄っすらと。

 えぇ、それはもう「薄っすら」としかいいようのないようなオーロラを。

 隣のホテルに窓口をもつツムラーレコーポレーションhttp://www.tumlare.co.jp/info/という日本の旅行会社を通じて、【キートス号】という「オーロラ・ハンティング・ツアー」に2日連続で申し込み・・・。

 なぜ2日連続で申し込んだのかというと、気合いを入れて申し込んだ初日が、残念な結果に終わったからで。

 その前日まで、そのツムラーレコーポレーションのオフィスに掛けてある「オーロラ見えたかなカレンダー」(別にこういう名前がつけられているわけではありません)には、(良く見えました)💮(とっても良く見えました)が5つぐらい並んでいただけに、自分たちが参加した時に「(久々に)全く見えないという結果となった時には、残念というより
「なぜ??」という思いが強く。


 そして、もう深く考えることもなく翌日も当然のように同じツアーに申し込んだわけで。
前日ほどではなかったけれど、その日の目的地(オーロラの出現可能性が高いと思われる場所、その日は(凍った)イナリ川の上)に着いたころに空を厚く覆っていた雲が、そのうち少しずつ少しずつ薄くなっていき・・・お月さんがぺかーーっと光って、雪原に私たちの影をくっきり映しだすくらいの明るさを放ち始めると、北西の空の方から徐々にオーロラが現れ始めたそうです。

「そうです」というのは、私は正直、肉眼でははっきりと確認することができなかったから。

 不思議なことに、人の目には真っ白な雲のようにしか見えないものが実はオーロラだったりするそうで、慣れてくると、そのものすごく微妙な違いも見分けられるようになるそうです。

 そして、それを決定的に示してくれるのがカメラ。
人の目にはただの雲にしか見えないのに、写真に撮ってみると、あ〜〜〜〜〜ら不思議。
この緑色の光はいったいなんなの??

 こんな感じで、人のカメラに写った【オーロラ】を液晶上で確認してから
「そうかぁ〜、あの雲のあのへんにあるのがオーロラかー」などと改めて空を見上げる。

 そんなオーロラ鑑賞。

 自分のケイタイのカメラじゃとてもそんなの写せないので、

 緑色のそれを写すことに成功した人の液晶の画面を写真に撮らせてもらい、それをこんなふうに自分のブログに載せている自分。



フィンランド、サーリセルカの地図。


今回のツアーで私たちを案内してくれたツムラーレコーポレーションの成(せい)さん撮影。


 こちらは・・・・お名前をお聞きするのをわすれてしまいました。

 しっかり出現はしてくれていたものの、肉眼ではなかなか認識が難しかったこの日のオーロラ。
 一方で、後ろ(南側)を振り返ると、ずいぶん低い位置に大きなオリオン座、そして北の上の方にはこれまた大きな北斗七星、そして視線を西の方に動かしていくと、これまた大きなカシオペア座が、まるで「おまたせ!」とでも言っているかのようにしっかりと見えてきて、星の観測が目的だったら申し分ないわねー、という状況。


 それでも、やっぱり思い描いていた【オーロラ】とは、ちょっと違ったものだったので、翌日(つまり大晦日)の夜も、サーリセルカの丘の上から【オーロラ】を見ようと、たくさんの人が書いている色々なブログから大急ぎで情報をかき集め、みどりと一緒にそのルートを辿ったのですが・・・・いつの間にか道に迷っていたようで丘の頂上には辿りつけず。

 新年を祝う色とりどりの花火があちこちから上がるのを眺めながら・・・

「あぁ、これがオーロラだったらよかったのに・・・」

 そう、夕方は空に雲がひとつも見えず、月もぺかーーー!っと光っていたのに
夜になったら雲が出てきてしまったのです。

道に迷いながらも頑張ってマイナス10℃の中を2時間半、歩いたけど・・・

残念ながら。



 ホテルに戻ってほんの数分が経った頃、ちょうど新しい年を迎える時間になったらしく、あっちからもこっちからも、さっきとは比べ物にならないくらいの勢いで花火が打ち上げられている音が聞こえてきました。

 そんなきれいな花火を見ながらも、なんとなく心は寂しい感じ。

 でもまだ諦めませんよー。


 明日(というかもう「今日」)もチャンスはある!

 そんな思いで新年を迎えました。


 皆さんは、どんな「ゆく年くる年」でしたか?

 来年・・・いや、今年も素敵な年になりますように。



ということで、まず【オーロラ】、お願いします!!