7月6日(土)
荷造りというか荷物整理に追われた一日が終わりました。
6月30日の「大規模デモ」は、意外と平和裏に行われた印象だったのですが、それでもあまりおおっぴらに出歩かないほうかいいかも、という雰囲気が続くここ数日間、我が家は10月の本気国に向けての荷物整理を、少しずつ進めたりしていました。
子どもたちにあふれんばかりのおもちゃたちを「要るもの」と「要らないもの」に分けさせたり、
もう小さくなってきた洋服、そろそろ“卒業”という感じの本を選別させたり。
自分もちまちまと洋服整理をしながら、子どもたちが不要と宣言してくれたおもちゃの中で「これは捨てるには忍びない、誰かにもらってもらえないだろうか」というようなものを写真に撮り、みんなに見てもらえるようなアルバム作り(オンラインの)を始めたり。
デモの余韻(?)が残り、街全体の落ち着きが戻っていないため「児童・生徒の安全が十分に確保できない可能性がある」という理由で、日本人学校は6月30日から結局一週間、ずっと休校状態。
「夏休み中にしなきゃならないような片付けを今やっておいたら楽だよね。」
そんなことを言いながら、昨日まで過ごしてきたのですが・・・
7月5日(金) 「ムルシィ政権」があっという間にひっくり返されて最初の金曜日となるこの日、ムルシィ支持派の人たち(ムスリム同胞団)が今までとは違ったトーンで、勢いで、気迫でデモを行うだろうことはだれもが予想していたと思います。民主的な選挙で選ばれた正統性のある大統領が半ば力づくでその権力を奪われたのですから。
そして、この日の夕方あたりから、自分の中の妙な「ザワザワ感」が「やたらと出てくる深い溜息」に変わってしまいました。
「ヤバくない? この展開、絶対ヤバイんじゃない?」⇒⇒「えぇぇーー・・・・なんでーーー・・・」
民衆の味方として英雄扱いされているかのような軍の人間が、同胞団のデモ隊に向かって発砲している映像をYouTubeで見たのです。テレビの画面(国内放送)では、政権交代劇を終えた7月3日から“いまだに歓喜に湧くタハリール”しか映らなくなっています。カイロ郊外では100万人規模のムルシィ支持派による抗議デモが行われているのに。
まるで2011年の革命時と変わらない状況が繰り返されようとしているようで、すごく嫌な方向に向かっているのを感じ始めていたら、その日の夜、夫の職場の上司から電話。
「家族全員のパスポート情報を知らせておいてください。」
えぇぇ?? それって、もしかして・・・
一応“退避”も視野に入れているので、いざというときにすぐに手続きに入れるように、ということだったそうですが、
つまり、“そういう事態”に備えて身辺整理をしておいてくださいということも言われたそうで。
これじゃ溜息も出ます。
そして一夜明けた今日、外務省が発表する《危険情報》が一段階引き上げられ、「渡航の延期をお勧めします。」になってしまいました。
これってもしかして、本当に・・?
ほんの3年の任期のうちで2回も退避帰国?
しかも残りの任期、あと3ヶ月なんですけど・・・。
そんなわけで、まだ具体的なことが決まったわけではありませんが、とにかく大急ぎで
1.日本へ持ち帰るもの
2.ハンガリーに直接送りたいもの
3.自分たちとしては必要ないけど誰かにもらってほしいもの(でもこの状況でもらってもらえるか、というのも大きな問題)
4.それ以外(処分せざるを得ない物⇒たぶんお手伝いさんとかバワーブ(門番さん)たちに引き取ってもらうことになる)
の仕分け作業をしていたら、あっという間に一日が終わってしまいました。
エジプトの政局も急展開を迎えてしまいましたが、
我が家の事情も急展開。
このタイミングで帰国しちゃったら・・・ちゃんとまた帰ってこれる?
それとも、もしかして・・・??
余計なことは考えず、ひたすら明日も荷物整理をした方がいいんだろうか??
山のようにある絵本。ふたりとも小学生になってそろそろ“卒業”? でも『永遠の名作』ともいえる絵本もたくさんあり・・・。
いくらなんでも「カセット・テープ」の教材を今まで持ち歩いていた、というのは・・・・(-_-;)
なんとなく、片付けの合間に部屋の写真を撮ってみたりして。