日本でも報道されていたようですが・・・
先月末、ハンガリーのブダペストとオーストリアのウィーンを結ぶ高速道路に放置されていた保冷車から、シリア人と見られる多数の遺体が見つかった事件。
セルビアとの国境に張られた鉄条網を突破してハンガリーに入国してくる人々のようすが、連日報道されていた時期だったと思います。
いったいこれ、どうなってるの?
自国の戦渦を逃れ、とにかく「生きる」ために、まだ見たことも足を踏み入れたこともない国へやってきた人たちが、どうしてこんな目に遭う?
パスポートさえ持っていれば、たいていどこの国にでもなんの問題もなく入っていける私たちと、生活の場を奪われ、いろいろなものを捨てて決死の覚悟で他の国へ渡っていこうとしている人たちとの違いって・・・?
などとfacebookでつぶやいたところ、
それを読んだ友人が、『Migration Aid』(移民支援団体)の存在を教えてくれました。http://on.fb.me/1O0QPsN
ハンガリー国内で活動しているハンガリー人中心のボランティア団体なので、この facebook上のコミュニティのページは全てハンガリー語。
でも、そこには英語でも書かれている支援団体のウェブページへのリンクが貼られていました。
Migration Aid http://www.migrationaid.net/english/
そのページには、彼らの活動内容とブダペスト市内に複数設けられた「支援物資保管所」の住所、それぞれの場所で協力をお願いしているもの(支援をお願いしている物資の具体的な内容)等が書かれていました。
協力をお願いしたいもの・・・
・水
・パックジュース
・ビスケット
・インスタントスープ
・くだもの(リンゴ、バナナ)
・プラスチックの皿、コップ
・シャンプー、石鹸、歯ブラシ、歯磨き粉
・紙おむつ、生理用品、ウェットティッシュ などなど・・・
せっかく貴重な情報をもらったのだから・・・ということで、先日(9月1日)、友人二人と一番近場のブダペスト南駅に設置してあるという「支援物資保管所」へ行ってみました。
前の日に家の中からかき集めた「寄付できそうなもの」を持って。
ブダペスト南駅は我が家からだとバス1本(15分ほど)で行けるところ。
路線バスの乗り換え地点にもなっているので普段からよく通る場所なのですが、そんな「事務所」のようなものがいったいどこにあるのか最初は全くわからず、とにかくウェブページに書かれていた簡単な説明を頼りに探してみました。
南駅。
この南駅(DÉLI PÁLYAUDVAR)と書かれているところを背にしながら、丸い広場のようになっているところを右方面へ歩き、『ANTIKVÁRIUM』と書かれた赤っぽい看板のある古本屋の前を通ります。
その古本屋のとなりは空き店舗。
そのとなりが『Migration Aid』の事務所のようになっていました。
向こう隣りはメガネ屋さん。
中には、飲み物や食べ物など
衣類も少し。(でも今は「衣類は必要ない」と書かれているようです)
「ここでいいんですよね〜? 私たち、初めて来たんですけど〜・・・」
という感じで入っていくと、スタッフの一人がきちんと対応してくれました。
・・・と言っても、「これ、どうぞ」という感じで手渡しただけですけど。
「Great」とか「Thank you」などと言いながら、受け取ってくれました。(英語だった(笑))
スタッフの一人に、いつからこのような活動をしているのか尋ねたところ、確か「2ヶ月くらい前から」と答えていました。
渡すものを渡したら、なんともあっけなく「その場を去らねば」的な感じになったのですが、入口付近に並べられている色々な資料が目に入りました。
ブダペスト市内の地下鉄路線図
なにやらアラビア語で書かれた資料と
ハンガリー語・ウルドゥー語の簡易辞書(対照表)。
その他、主要駅からの列車の発車時刻表も貼り出されていました。
そして、私たちがそこを立ち去ろうとした時
数人の男性がふらりとここにやってきて、リンゴや水などを手にして去っていきました。
一時期のとんでもない暑さは和らいでいましたがこの日もそこそこ暑い日だったので、友人二人とすぐ近くの店で冷たいものでも飲んで帰ることにしたのですが、
私たちがジュースを飲みつつなんだかんだと話をしている最中にも、私たちのそばを明らかにハンガリー人ではなさそうな、「ムスリムの家族」という雰囲気の人たちがさっきの『Migration Aid』のドアの前に立ち、そして、何かしらの物を手に帰っていく、という光景を何度か見ました。
さっき、この活動は2ヶ月前くらい前から始めてる、というのを聞いた時に、きちんとした回答などできるわけ無いだろうと思いつつ「この事務所はいつまで物資を集めていますか?ほかの友人たちにもここの存在を教えてあげたいんですが、来週も来月も、ここに物資を持ってくることが出来ますか?」と聞いてみました。
当然のことながら、彼女の答えは
「分からない。状況は毎日毎日変わっているから」
そして
「でも、ここが必要なくなるという状況には、すぐにはならないと思うけど。」
『Migration Aid』のウェブページには、お金を寄付したい人のための送金方法も書かれています。
支援物資については、facebook上でそれぞれの「支援物資保管所」ごとに毎朝最新情報を掲載するので、そこに挙げられているものを持ってきてほしいそうです。
言葉の壁もあるので私たちにできることってこのくらいかなぁ・・・。
でも、とりあえず、できることから。