カイロに来る前に住んでいたベトナムのハノイで、初めてピアノを習い始めたみどり(当時5歳)。
当時のレッスンは『MYC(Music for Young Children)』http://www.myc.com/ というカナダに本部のある音楽スクールのハノイ支部、といったところでのグループレッスン。
MYCは独自のユニークな指導方法というか音楽理念(?)を持っている学校のようで、最初、私はその独特のレッスン内容に非常に驚いたりもしましたが、みどり本人はちょっと日本語が話せるチャーミングな先生と同年代の日本人のお友達と一緒にわいわいと楽しむレッスンがとても気に入っている様子でした。
長期休み等も挟みながら8ヶ月ほどレッスンを続けたところでハノイ生活もおしまいとなり、その後、エジプトのカイロへ。
しばらくは習い事はせずに過ごしていたのですが、カイロ生活もそろそろ10ヶ月になろうという2011年7月。
いよいよ「菅野先生」のところでピアノのレッスンが受けられることになりました。
ちょうどこの1ヶ月前に菅野先生にピアノを習っている子どもたちの「発表会」があり、ふだん仲良しの友達が何人もこの晴れ舞台に立つということで聞きに行ったのですが、そのときにみどりの中で「習いたい」という思いが強くなったのではないかと思います。
さて、この「菅野先生」。
カイロ在住の日本人の中では知る人ぞ知るピアノの先生。
以前はカイロ日本人学校の音楽の先生としてここにいらしたそうですが、この土地が気に入って、そのままカイロに住みついてしまった・・・と私は聞いています。(が、ご本人に確認したわけではありません。今度お会いした時、聞いてみよう・・・)
そして、この「菅野先生」の指導の柱は、(これもご本人に確認したわけではありませんが)
とにかく“褒める”。
「褒めて伸ばすのが菅野先生の指導だから。」と、カイロに来てから何人のお母さんから聞いたことか。
それだけではなく「褒め殺しの菅野(先生)」という影の異名もお持ちのようで・・・。
とにかく、そんなウワサの「菅野先生」にみどりがピアノを習えることが決まった時、私の心境はちょっとフクザツでした。
“褒めて伸ばす”という指導方法は確かに良いと思います。
でも、周りの人が言っているように“褒めて褒めて褒め倒す”ようなレッスンが目の前で展開されたら、付き添いとしてその場にいなければならない私は平常心を保てるだろうか・・・??
ダメなところはダメとはっきり言ってやって!!
そーーーんな歯の浮くような言葉ばかりを、こんな小さな子に浴びせ続けなくても・・・
そう叫びたくなったり、背中の方がむずがゆ〜くなったりしはしないだろうか?
今だから言えますが、初めてのレッスンの日はそういう意味で、正直私はかなり緊張していました。
そして、いよいよ始まった菅野先生のレッスン。
確かに褒めていました。
褒めまくっていました。
でもそれは、あたり前のことではありますが、ただただ意味もなく褒め言葉を並べ立てているものではありませんでした。
「おぉ!そこをそう褒める!?」
「そこを注意するんじゃなくて、そっちを褒める??」
と、なんとも新鮮な驚きと感動(ちょっと大袈裟ですが)がありました。
先生ご自身がピアノが大好きで、
ピアノを指導なさることも大好きで、
ピアノを楽しそうに弾く子どもたちを見るのが大好きで、
そんな子どもたちを更に上のステップへ導いていくことが大好きで、
そうか・・・
“好き・好き・大好き。とっても楽しい”の気持ちであふれると、人はこういう指導スタイルになるのか・・・
そんなことを学ばされた気がしました。
そんな菅野先生のもとで受けるレッスンも15回を数え、「右手でメロディ、左手で2つの音での伴奏」という形で数曲弾けるようになってきた頃、今度は自分自身が参加することになる「発表会」が近づいて来ました。
3月9日(金)
みどりにとっての初めての発表会。
全部で27名の演奏者の中で(先生ご本人も28番目の演奏者として2曲弾いて下さいました)みどりは9番目にステージに上がりました。
演奏した曲は ♪もくばのへいたいさん♪と♪森の音楽会♪
かなり落ち着いていました。実は舞台度胸がいいのか?
ふだん仲の良い友だちも大勢ステージに立ち、それぞれのピアノを披露。
それらに大いに刺激されたようで、発表会のあとは自分で楽譜をめくりながら、まだ習っていない曲をたどたどしい指使いながらも初見で弾き始めています。
みどりが父や母を追い越す日はそう遠くないようです・・・・
そういえば、去年の4月にカイロ日本人学校に入学したみどりは、自己紹介の場でいつも「将来の夢はピアニスト」と言っていたようで、これには私もびっくり。
でも、今はとにかく、その「好き」・「楽しい」の気持ちを大切にして、少しずつ少しずつ自分の世界を広げていってくれたらな・・・と思っています。
なんといってもピアノが弾けるということは、将来の大きな宝になること間違い無し!ですから。
最後に記念撮影。みんな本当に伸び伸びと弾いていました。