〜明日に向けて、それぞれの動き〜
そう、この日は朝8時から夕方6時までみごとにびったり10時間、
みどり・草太と列車に揺られておりました。
カイロからの退避旅行・・・ではなく、
たまたまこの時期に開催されることになってしまっていた『ルクソール・マラソン』に参加するために、ナイル川沿いをひたすら南下する列車で、古代遺跡の街ルクソールへ。
この『ルクソール・マラソン』については、後日、ほのぼのとしたお祭りレポート的なスタイルで綴らせていただくことにして、 今回は一応<退避帰国日記>ということでそれに関連する話題のみに絞らせていただこうかと思います。
と言いつつ、ちょっと余談。
10時間の列車の旅・・・というと、かなりハードなものを思い浮かべる人も多いかと思いますが、実際は「子どもたちが最後の方はいい加減退屈しきってきた」ということ以外は、そんなに激しいものでもありませんでした。あ、「ファーストクラス」という車両に乗っていたにもかかわらず、トイレがもうがっかりするくらい汚かったのは辛かったですが。
でも、予定通り夕方6時にはルクソール駅に着いたので、私たち3人は夜7時前にはホテルにチェックインして部屋でくつろぐことができました。
カイロからこのマラソン大会に参加する人たちはほかにも大勢いたのですが、ほとんどの方は飛行機で現地入り。子供達は学校にもきちんと行き、パパもお仕事が終わってから夕方の便でルクソールに飛び、夜にホテルにチェックイン・・・というパターンの人が多かったようです。
ホテルの部屋で一息ついた私たちは、列車の中でいろいろ食べてきたのでお腹もそれほど空いておらず、
なんと言っても明日の朝は4時起床、4時半朝食、5時半集合でスタート地点にバスで向かう・・・という鬼のようなスケジュールであることを聞かされてすっかりビビってしまっていたので、とにかく早く寝ることとしました。
そろそろこちらに着くはずの友人のケイタイに
『無事着いた?明日は朝早いからもう寝なくちゃ・・・では明日!』とメッセージを送って。
※余談ですが、こちらでのケイタイはひらがな表記ができませんので実際の表記は『Buji tsuita?』
夜、8時過ぎに空港に着いた友人Nさんは私からのこのメッセージにきちんと返事をくれていたそうですが、私は全く気づかずに熟睡していました。
しかし私が熟睡できたのは、私が疲れていたからメッセージの着信音が聞こえなかった・・・からではなかったことが翌朝判明。
すでにこのときから、政府による「SMS(ケイタイのショートメッセージ)遮断作戦」は始まっていたのでした。
明日は金曜日。イスラム教徒のみなさんにとっては大切な「集団礼拝」が行われる日です。
この礼拝の後にそのままデモに流れ込み、前回25日のデモ以上の勢いでムバラク政権を圧倒し、退陣に追い込もう、という動きがあることはすでにほとんどの人の耳に入っていました。