やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

みどりと草太、それぞれの「夏休み」

 長女のみどりは4月から【カイロ日本人学校】に通っており、
 長男の草太は、相変わらず(カイロ赴任後の11月から)【CBS(Cairo British School)】のキンダー(幼稚部)に通っています。

 7月頭から早々に夏休みに突入したのは草太の通う【CBS】。(それでもほかのインターやエジプトの学校よりは休みに入る時期が遅かったようです)
 
「草太、もうCBS休み(にやり^^)?」と、本人すっかり“ママと二人っきりの日々” を思い描いていたようですが、いやいやいやいや、ちょっと待て。キミには素敵な『サマースクール』を用意してあげているのだよ。

 ハノイでも現地の幼稚園に通い、ここカイロでも英語とアラビア語オンリーで集団生活を学んでいる草太。今のこの子に必要なのは“日本語環境で集団生活を学ぶこと”と、半ばこじつけかも・・・という思いがちょっとよぎったりもしましたが、それでもせっかく日本人幼稚園の【きらりっこくらぶ】http://plaza.rakuten.co.jp/kiraricco/ がサマースクールを開いてくれるのですから、それは利用しない手はない・・・ということで、早速7月最初の日曜日から草太をザマレクの【きらりっこくらぶ】へ連れていきました。

 ビルの一室を利用しての小規模な幼稚園ですが、エレベーターを5階で降りると・・・パッと目に入る“日本の幼稚園”の雰囲気。

 ところがこの楽しげなドアを開け、にこやかな先生に迎えられた草太、
「じゃ、またあとで迎えに来るからね。」とドアに手を伸ばすと
「やだぁ。ママ、帰っちゃだめぇ。」とまるで駄々っ子のふりをしているかのよう。
「なぁに言ってんの。じゃ、また後でね。」とドアの外に出ようとすると、なんと私の足にしがみつき、
「だめぇー、草太も帰るぅ〜〜〜〜!!」

ん?なんだ?この展開は・・・いったい、どうした?草太。

 と思っていると、さっきまでいたずらっぽく笑っているように見えた顔がだんだんと歪んできて、
ついに、わんわんと泣き出したではありませんか!!


なに?
人見知り?
場所見知り?
これはいったい・・・??

こういう事態は想定していなかったので私も一瞬固まりましたが
「どうします?お母さん。」と先生に聞かれた時には、
「いえ、お願いします。」と答えていました。


すると先生は
「はい、わかりました。」とにこやかな笑みを浮かべたまま草太をさっと抱きかかえ、
あっという間に部屋の奥へ。
その隙に私は部屋の外へ。

しかし、こういう場面でこういう状態になったのは初めてだったので、
「これでよかったんだろか?」とちょっと気になり・・・


 ところが結局その数分後にケイタイがなり
「お母さんが帰られてから、草太くんすぐに泣き止んで今は楽しそうに遊んでますから。どうぞご心配なく。ま、ひとつの“儀式”みたいなものだったんだと思いますよ。」と先生。

なんとまぁ・・・。


 こんな想定外のスタートとなった草太の『サマースクール』ですが、
翌日にはエレベータを降りたとたん、おいおい!と思うような勢いでドアまで走っていったところをみると、初日のあれは本当にあの時だけの“儀式”で、その後はかなり楽しくこの『きらりっこくらぶ』での時間を過ごしているようです。

 お昼の給食も家では見られないような勢いで食べているらしいし、週2回の水遊びも大はしゃぎらしいし・・・。

 いや、楽しんでもらえればそれでいいんです。
それに、きらりっこに通い始めてから明らかに口が達者になってきているのを感じます。

やたらと何かを説明したがるし、また何かを教え諭すような口調が目立ちます。
日本語で先生にいろいろ「教育」されている成果(?)ってことでしょうか。

(時々、日本語を勉強している大学生がお手伝いに来てくれるきらりっこくらぶ。子どもたちにとってはお兄さん、お姉さんと遊べて楽しいし、学生さんにとっても“生きた日本語”に触れるいい機会になっているそうです。)
※普段は別の『サマースクール』(後述)に通っているみどりも、この日は飛び入りで一緒に記念撮影。


 さて、お次はみどりが通っている【ArtoManiA】(アートマニア)http://bit.ly/mUwf9Whttp://on.fb.me/oPvvHWというアート塾が開いている『サマースクール』。
 ここは普段はいわゆる“塾”のような形で夕方から絵画などを教えているようですが、7月・8月のみ『サマースクール』ということで、週3回11:00〜14:00まで子どもたち中心にアートを教えるクラスを開いているそうです。

 こちらもビルの一室。

看板も何も出ていないので、初めて偵察に来た時は「ホントにこんなところでやってるの??」とちょっと心配になったくらいでした。
教室があると思われる部屋の入口もこんな感じで、看板も表札も一切なし。

もうちょっと「アート教室」らしい雰囲気のデコレーションとかしてもいいのに・・・。

 ただこの場所はラッキーなことに草太が通う【きらりっこくらぶ】と同じ通りにあり、しかも徒歩数分という近さ。
二人が別々のところに通っても、送り迎えの手間がほとんどかかりません。

 さらに「絵を描くこと」や「作品を作ること」が大好きなみどりにとっては、ひたすらそれに集中させてくれる3時間(ランチタイムを挟むので実質2時間ちょっとでしょうか?)が本当に楽しいようです。

 また日本人学校で同じクラスの友達も一緒に通っているので「知らない環境にポツンとひとり」ということにもならず、久々の「日本語以外の環境」だったにも関わらず初日からかなりリラックスしつつ楽しめたようです。

 ここでは毎日だいたい2つの作品を作ります。

 これはラマダン(イスラム歴の断食月)の時期に各家の玄関に吊るされる「ファーヌース」という飾りを色紙で作った物。“ラマダン前”という時期のためそれがらみの作品作りが多く、前回は「ラマダン・カード」なるものも作っていました。先生に英語でどんな説明を受けたのかはわかりませんが、それなりに「エジプト文化のお勉強」もできているのかもしれません。

 
 こんなふうに平日は基本的には『サマースクール』へ通い、週末はプール(ホテルのプールを利用することが多いです)へ行ったり友達の家に行ったり、あるいは家でのんびりしたり・・・そんな夏休みです。

 さて、エジプトを始めとするイスラム教の国や地域では(たぶん)明日からラマダンが始まります。
子どもたちにとっては明らかに「異文化体験」となる初のラマダン。
彼らなりに色々と感じるところがあるのでは・・・?と思っています。



<サマースクール情報>
1.きらりっこくらぶ
 場所:No.13 Brazil St. Zamalek Cairo (Tel 02 2736 8722)
 日時:7月・8月 日曜〜木曜(週5日) 9:00〜15:00(ただしラマダンの時期は14:00終了)
  Fee:1000L.E./1ヶ月    60L.E./1日  
 給食費:(希望者のみ)200L.E./1ヶ月   10L.E./1日
 指導者:日本人の幼稚園教諭1名


2.ArtoManiA
 場所:No.5 Brazil St. Zamalek Cairo (Tel 02-27360577 / 014-1661166)
 日時:7月・8月 週3日(グループにより曜日が違う) 11:00〜14:00
  Fee:180L.E. 3回分(1週間ごとの支払いOK)
 ※ランチ持参 活動に使う道具はすべて貸してもらえる。
 指導者:英語が話せるエジプト人女性1名