やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

階下が火事になっていた

 
 私が住んでいるアパートにはエレベータが2基あります。
向かって左が奇数階に止まり、右側が偶数階に止まります。
我が家は15階なので、普段は左側のに乗ります。
でも乗りたい箱が最上階にあり、右側のがすでにグランド・フロアーで待機中という状況であれば右側のに乗って14階まで行き、そこから1階分階段を上って玄関に・・・ということもよくしています。
そうでなくても、片方のエレベータが動いていないのでとりあえず動いている方に乗って上へ・・・というのもよくあることです。


 今日は草太を日本人幼稚園「きらりっこくらぶ」http://plaza.rakuten.co.jp/kiraricco/ の「サマースクール」に送っていったあとアパートに戻ってきたら、奇数階のエレベータは17階に。右側の偶数階のエレベータが地上でスタンバってくれていたので、そっちに乗って14階まで行きました。

 14階に着いたエレベータを降り、階段で上へ・・・と思ったら、イスやらテーブルやらで塞がれていて階段が使えない!!
 「えぇ?お引越しですか〜?」と思って、扉が開いているらしい141号室の方に目をやると・・・

 そこには、取り外されて壁に立てかけられた扉が。
 そして、その上1/3は、焦げてません??

上部1/3が焦げ、取り外された玄関のドア
上部1/3が焦げ、取り外された玄関のドア posted by (C)Makie

 
 え?
 これって・・・

 と思って、玄関から中を覗くと

 うわっ!これって火事ってこと!??
 

 うちの真下なので部屋の構造はよくわかるのですが、正面に見える部分がトイレで、その手前の左側が台所。
この感じだと出火元は台所のようです。

あちこちこげこげ
あちこちこげこげ posted by (C)Makie

 (中で一生懸命作業している人の目を盗んで急いで撮ったので、全くうまく撮れていませんが・・・)


 これはもう明らかに火事。リビングからテーブルやイスを外に運び出さなければならないほどの。

リビングも・・・
リビングも・・・ posted by (C)Makie


 それにしても、火が出た直後とは思えない落ち着いた雰囲気。
 中で黙々と作業をする数人が見えるのみ。

 
 とりあえずエレベーターで13階まで降り、そこから15階の自宅に戻って早速お仕事中のはずの夫にメール。



 夫によると、朝7時ちょっと前にみどりを連れて下に降りた時もなんだか焦げ臭かったとのこと。
(日本人学校のスクールバスは毎朝7時ちょっと前に来ます)
 さらに、昨夜仕事から帰ってきた時も焦げ臭かったとか。だから「多分火事になってたのは昨日」と。


 そうか・・・
だから、さっきあんなに接近して写真撮ったのに煙の臭いとかほとんどしなかったんだ。


 でも、それにしても、家の中が(と言っても一部ですが)あれだけ黒焦げになってしまうような火事があったのに、真上に住んでいても煙ひとつ入ってこないこのレンガ造りの構造って、ある意味すごいような気がします。

 っていうか・・・・これが木造の家だったら?
いや、実際「木造の18階建てアパート」なんてないと思いますけど、でも木造の建物で階下の部屋がいつの間にかあんな状態になっていたら・・・、と思うとさすがにビビります。

「うちはなんともなくてよかった。」と思うと同時に
「なんで全然何でもなかったんだ??」と不思議な気もしたりして。 



 そしてその後、家の中から運び出された黒焦げの冷蔵庫を見たときは背筋がゾ〜〜〜!


 古い冷蔵庫から出火・・・・・・・。

これが出火原因か!!
これが出火原因か!! posted by (C)Makie



 我が家の冷蔵庫も、かなり、思いっきり古いんですけど。

 この証拠写真携えて、大家さんに「冷蔵庫買い換えて!!」とお願いしようか・・・。
 いや、でも実際、ウチのはまだ今のところきちんと「冷蔵庫」として機能しているから難しいだろうなあー。

 せめて、10月のこの家の契約更新の時にはお願いしてみてもいいんじゃないだろうか。

 うちの冷蔵庫も相当古い
うちの冷蔵庫も相当古い posted by (C)Makie



本日学んだこと:
 【地震ではひとたまりもないであろうカイロのレンガ積み重ね式建築は、実は火災には強いのかもしれない】

いよいよラマダン準備

 数日前に近所のメトロスーパーマーケットへ行ったら、なんだか売り場の模様替えがあったらしく、いつもの野菜があっちに行って、果物が置いてあった場所にどどーんと・・・これは、ナツメヤシにアンズ。

デーツ(ナツメヤシの実)にアンズにナッツ類
デーツ(ナツメヤシの実)にアンズにナッツ類 posted by (C)Makie

 そして、なにやら日本の正月の「福袋」を思い出させるような「詰め合わせパック」も並べられていました。

近所のメトロスーパーマーケット
近所のメトロスーパーマーケット posted by (C)Makie



 これは、明らかに「ラマダン」準備。
イスラム暦の第9番目の月のことを「ラマダン」と言い、その「ラマダン」の1ヶ月間、イスラム教徒は【断食】をする・・・ということはよく知られていると思いますが、その【断食】のスタイルも国によって多少、「個性」があるような気がします。

 スーパーのど真ん中の特等席をみごと勝ち取っている「デーツ」(ナツメヤシの実)は、日中の長い時間の【断食】を終え、さぁ!これからは食べてもOK!という時間になったときにまず最初に口にするといいと言われているものだそうです。
 宗教的な作法という面ばかりでなく、健康面から見てもきちんと理にかなっている食べ物が、この「デーツ」らしいです。


断食(だんじき)を解(と)くときにナツメヤシを食べることの英知
「預言者(よげんしゃ)ムハンマドが礼拝(れいはい)をする前に、ナツメヤシで断食(だんじき)を解(と)き、スープが無ければ水で断食を解いた」という伝承(でんしょう)があります。
断食をしている者はエネルギーとなる糖分(とうぶん)が不足しがちです。ナツメヤシは一時間以内に、すばやく消化・吸収(きゅうしゅう)され、体にエネルギーをあたえるだけでなく、鉱物(こうぶつ)やビタミン、炭水化物、またセルローズがふくまれていることから胃の消化活動を助け、胃を清浄(せいじょう)にします。
<アラビア村>http://www.arabiamura.com/songs/02.htmlより 



 昨日久しぶりに行ったザマレクの「アルファ・マーケット」もこんな雰囲気になっていました。

アルファ・マーケット@ザマレク
アルファ・マーケット@ザマレク posted by (C)Makie

アルファ・マーケット@ザマレク
アルファ・マーケット@ザマレク posted by (C)Makie



 そして、近所の雑貨屋さん(?)も、こんなキンキラな飾り付けをぶら下げ始め・・・

きんきらな飾り付け
きんきらな飾り付け posted by (C)Makie
(タクシーの窓から撮ったので遠目でよく見えませんが)


 これって、断食明けのお祭りの時に家の前にでも吊るすんですか?
東南アジア(マレイシア・インドネシア)ではあんまり見なかったような気がするのですが、私が気づかなかっただけ?あるいは目にしていたのにすっかり忘れちゃってる??

 今年のラマダンは8月1日からの予定だそうです。実際にはお月様を見てその満ち欠けで判断するので、【断食開始】の瞬間は直前までわからない・・・というものだったと記憶していますが。

 いずれにしても、中東の国エジプトで迎える初めての「ラマダン」。
どんな驚きの発見があるか、あるいは懐かしい風景が見られることになるのか・・・
今から楽しみです。

 
 と、なんだか前向きな締めくくりになりましたが、実際は多くの人がこの暑さの中での【断食】にヘロヘロになり、そしてイライラがつのり・・・そのとばっちりを受けるような“プチ事件”が頻発するのもまた事実のようなので、いろいろな意味で覚悟しながら、やがて来る今年のラマダン月を乗り越えていこうと思います。



<おまけ>
木になっているナツメヤシ http://bit.ly/o0snsK
お皿にのっているナツメヤシ http://bit.ly/pT9Ut2  

火炎樹去って、暑さじりじり・・・・

 
 「あ、カイロにも火炎樹(かえんじゅ)咲くんだ・・・」

 アパートの入り口を出ると右前方に見える木に火炎樹の花を見つけ、ほかのどの木よりも張り切って咲き始めているように見えるその姿に喜んだのは5月の後半。

アパートの前の火炎樹(5月25日)
アパートの前の火炎樹(5月25日) posted by (C)Makie
<火炎樹:マメ目ジャケツイバラ科の【鳳凰木(ホウオウボク)】原産地はマダガスカルhttp://bit.ly/fbQl9W

 その後、街のあちこちで「これからは我らの季節!」と言いたげに、濃い朱色の花をめいっぱい咲かせ続けていた火炎樹も、6月にピークを迎え、今ではもうほとんど見かけなくなってしまいました。見かけたとしても「一生懸命頑張っているようだけど、なんかキミ、潔くなく見えるよ・・・・」という感じ。今さらながら日本の桜の花の美しさは、そのあまりの潔さに大きく依存しているのでは・・・と思う今日この頃です。

 一気に咲き始めた火炎樹があんまりにもきれいだったので、しばらくの間「定点観測」してみました。

6月1日 一気に花が増えています
6月1日 一気に花が増えています posted by (C)Makie

6月7日
6月7日 posted by (C)Makie

6月14日
6月14日 posted by (C)Makie

6月20日
6月20日 posted by (C)Makie

 ひと月も経たないうちに、こんな姿になってしまったこの火炎樹。
でも、周りを見るとまだまだしっかりときれいな花を付けている木も多かったので、この子は明らかに先急いでしまった・・・という感じでちょっと悲しかったです。

 一方、カイロのあちこちで見かけた色々な表情を持つ火炎樹。
さすがに7月半ばのこの時期になると、先ほどの「潔くない・・・」感じの姿がちらほら見られるだけですが、ひと月ほど前のとにかく美しかった時期の姿をご覧ください。








 ところでこの火炎樹、英語では Flame Tree(フレイム・ツリー)と言うそうですが、さて、アラビア語では・・・?
アラビア語の達人Oさんに聞いても
「・・・知らない。っていうか、こっちの人、花のことはみんな“ワルダ”ですませちゃってるから。」

 “ワルダ”とは正確には“バラ”を指すアラビア語らしいですが、なぜかこの辺一帯では花のことは何でもかんでも“ワルダ”と言っているのだとか。確かに【旅の指さし会話帳ーエジプト−】を見ても、「花」のところに書かれているアラビア語は“ワルダ”。 少なくともエジプトにおいては、“ワルダ”はバラのことも指すかもしれないけど、「花」の総称もやっぱり“ワルダ”と覚えておいて間違いなさそうです。

 でも、それでも、本当はそれぞれの花にはきちんと名前があるはずで・・・という私の気持ちを察してくれた先ほどのアラビア語の達人Oさんは、色々な人に尋ねてくれ、なんとついに“ブーサニア”という、いかにも花の名前らしい、しかも、あの火炎樹の姿をなんとなく思い出させてくれるような名前を、自信を持って答えてくれる人物を見つけてくれました。・・・ってタクシーの運転手さんなんですけどね。でも、まぁとりあえず【「火炎樹」はアラビア語で“ブーサニア”である】ってことで、ここは一件落着として・・・・。


 その火炎樹(=たぶんブーサニア)の燃えるような美しい姿がだんだん見られなくなってきた頃から、カイロにもじわりじわりと暑さがやってきました。

 最近は日中の気温が36〜38℃。
それでも日本よりは湿度が低いので、たぶん体感温度としては日本(まあ、関東以南かな?)の30〜32℃くらいなんじゃないかなぁ?と思うんですけど。

 ただ、湿度が低いと言っても部屋の中は50%を上回る時間帯もあるので、いわゆるカンカラに乾いた砂漠の気候という感じではないのがここカイロ。ナイルの恵みのおかげで、年間を通じて適度な潤いは保たれた状態が続くように思えます。

 まだまだ暑さの本番はこれから・・・。先は長いので、おいしいブドウでしっかり水分摂って、モロヘイヤやオクラのねばねば野菜もしっかり食べて、元気に過ごしていきたいと思います。


 暑い日本の夏を過ごしている皆さんも、その他の国で過ごしている皆さんも、あっと言う間に折り返し地点を過ぎてしまった2011年を元気にしっかり乗り切っていきましょう。


<おまけ>
 火炎樹とほぼ同じ時期に咲いていた(そして今も、火炎樹よりはがんばって多少その美しさを保っている)この可愛い花って、私はここ(カイロ)で初めて見た気がするのですが・・・そんなに珍しい花ではないのでしょうか?
今のところ、この花の名前を知っている人にはまだ出会っていません。

ピンク&ホワイト
ピンク&ホワイト posted by (C)Makie

DSC00948
DSC00948 posted by (C)Makie

カイロタワーと名前も知らないきれいな花
カイロタワーと名前も知らないきれいな花 posted by (C)Makie
必ず、ピンクと白が混ざった形で丸く咲いている姿が、非常に可愛らしいです^^

今日の発見! 〜私と愛ちゃんって実は似ていた〜

 

 国際交流基金カイロ日本文化センターの公式ツィートhttp://twitter.com/#!/JF_Cairoで最近紹介されているシリーズ
『かがやく先輩からのメッセージ』、見たことありますか?

 文部科学省所管の独立行政法人「国立青少年教育振興機構」というところに設置されている『子ども夢基金』http://yumekikin.niye.go.jp/index.htmlが作成したメッセージビデオ

 各分野で活躍する人たちが、これからいくらでも“可能性”がある子どもたちにひとり4〜5分という短い時間で自分を語ってもらう、という企画ビデオです。

 ま、ありがちと言えばありがちな企画かもしれませんが・・・自分はどんな子どもだったか。何に興味があったか。何が今の自分に繋がっているのか、そして最後に未来ある子どもたちにエールを一言。そんな短い内容。

 登場するのは北島康介、吉田沙保里、魁皇らスポーツ選手(・・・あ、魁皇はスポーツ選手じゃなくて「力士」か・・・)、落語家の三遊亭遊雀さん、宇宙飛行士の山崎直子さん、そして乙武洋匡さんが「作家」という肩書きで登場し、その他にも茶人、狂言師、パティシエ、脳科学者、マイクロマシン工学者、言語学者・・・と現在のところ22人のみなさんのメッセージがアップされているようです。http://yumekikin.niye.go.jp/message/index.html 

  

 私がこれらを見て「いいなぁ・・・」と思ったのは、

 確かにこのビデオは子ども向けに、というか、未来ある青少年に向けての“先輩からの”メッセージ、という形で作られてはいますが、既に大人になっており、今更彼らの言葉に刺激を受けて生き方を変えてみようと思ったところでなかなか現実そうはいかず・・・という私たちが見ても、背筋がしゃんとする、というか、自分の中でどこかリセットされたような気分になれる、というところです。

 なんかこういう人たちって、真っ直ぐで迷いがなくて・・・いえ、多分人の何倍も悩んだり苦しんだりした部分を持っている分、それらを乗り越えてきたという自信・・・己を信じることができる強い気持ちがあるように私には思えます。
 それはつまり、自分の中に、必ず、「自分のことを好きになれる自分」がいる、ということでもあると思います。
 ナルシストは嫌だけど、ある程度自分のことを好きになれる(=自分のことを信じられる)人って、やっぱりそれなりの魅力があると私には思えるのです。



 前置きが長くなりました。

 で、その22人の中には、みなさんご存知の「愛ちゃん」、
そう。卓球の「福原愛」さんもいまして・・・

「あら〜・・・愛ちゃんも、もうこんなにしっかりしたお姉さんになったのね。」などと思いつつ、微笑みながら落ち着いた口調で話す彼女の言葉に耳を傾けていた私は、ある部分で、

 「うわっ!アナタもですかぁ〜・・・・」と思わず身を乗り出してしまいました。


「小学校時代の恩師の言葉(後述)の意味が、やっと最近になってわかるようになってきた」と前置きした後で、

「(人生は)何が起きるか分からないですし、逆に何が起きるか分からないのが人生だと思うので、全部想像通りにいったら面白くないじゃないですか。」

 たったこれだけの、この一言なんですけど、
これを聞いたとき、ひどく妙な感覚に陥りました。
ああ、いつかどこかで私が誰かにインタビューでもされることになったら(「いつだよ!」というツッコミはおいといて)、きっと私も言うんだよ、こういうことを・・・。

 本当にまさに私が20代の頃から感じていた(または口にしていた)ことを、あの愛ちゃんが言ってるよ〜〜・・・にこやかな笑顔で。そんな瞬間でした。

 
 “恩師の言葉”として紹介されていた
「そのときはいいって思っても、それが同時にいいことである保障はないし、・・・例えば受験した学校に落ちて、でもそこでもしかしたら素敵な出会いが待っているかも知れないし、・・・」


あわわわわわ・・・・・・・


 そうなんです。
なんとか補欠で合格した大学(もちろん第一志望ではなかった)での「日本語教育」との出会いが、その後の自分の人生を変えることになり、
“これ以上ないほど頑張った2年間”の後の「専門家試験不合格」で撃沈し、それが“インドネシアでの2年間”につながり、
えー、ほかにも似たようなことが重なって結局、結婚しちゃったり・・・??

 人生って、ホント先が見えないから面白い。

 そして、あの「愛ちゃん」が自分と同じような考えを持っているなんて、なんだかそれも面白い。


 
 というわけで、こういう見方ができるというのもこのビデオの面白さかもしれないですね。

 自分と似たような幼少時代を送った人や、
 自分と同じ体験をした人が、案外いるのかもしれないし、
「この人も、昔はうちの子みたいな困ったチャンだったのね。」とちょっと安心することもできるかもしれないし。

 自分と同じ座右の銘を持っている人がいたら、とっても親近感湧いちゃうでしょうね。
 
 

 でもやっぱり、彼らのさりげない一言一言には、重みを感じずにはいられません。
 
 なにか一つのことを貫ける人たち・・・、すごいですよね。

 

この人もいろいろな意味ですごい。 

 

 
  
 

言葉によって変わる印象〜今日覚えた単語【ごきぶり】〜

 
 今朝、子どもたちのお弁当を作るべく5:30ごろ台所に行ったら・・・

出会ってしまいました。小さなゴキブリ君に。

 本当に小指の先ほどの小さいゴキちゃんだったのですが、それでもゴキブリはゴキブリ。
まずは退治せねば、と思ったら、あっという間に壁にかけてある額の後ろに隠れるゴキ。
それでもやっぱり退治せねばとその額を睨んでいたのに、ほんのちょっと目を離した隙にどうやらほかの額の裏に移動するという小技を使われたらしく、その後なぜか不覚にも見失ってしまいました。


 まあ、6時に子どもを起こすまでにお弁当を作って朝ごはんの準備をしなくてはならない、というゴキとじっくり対戦するにはあまりにも不利な時間帯であった、と言わざるをえないのも事実ですが、それでも負けは負け。

 今でもあのゴキが、あの台所の何処かに潜んでいるのかと思うと本当にしょんぼりなのですが、あとは今、掃除に来てくれているお手伝いさんのホダに任せるしかない・・・と、さっき彼女が出勤してきた時に今朝のゴキとの遭遇について話しました。

 と言っても、彼女との会話はカタコトアラビア語のみなので、なにか新しいことを話す際にはそれなりの事前準備が必要です。

 【今朝】・・・は、ムズカシイから(というか個人的に未習なので)自信を持って言える【今日】でOK。
 【いた・見た】・・・これもOK
 【もし、またいたら】・・・これも、なんとか言えそう。
 【このスプレーでシューッ!して】・・・ここは実物を持ってきてゼスチャーで問題なし。


 さて、本日の新出単語は【ごきぶり】
 こういうインパクトの強いものの名前は意外と覚えやすいものです。
 それを「使う機会」があった時、その時は既にいろいろな意味で気持ちが高揚していますから・・・。

 『指さし会話帳』で見ると【ごきぶり】は【ソルサール】
別の『日本語アラビア語辞書』を見ても同じ綴りが書いてあります。
【ソルサール】

・・・・ う〜〜〜〜ん。
なんか「爽やか」じゃないですか?

 アラビア語の「S」には軽い音と思い音があり(←あまりにも大雑把な説明)、この【ソルサール】の「S」は2つともどうやら重いほうを使っているようですが、それでもうっかり「そよ風」かなんかをイメージしてしまいそうな「軽さ」と「爽快さ」を秘めた音に私には感じられました。

 が、とりあえずホダを台所に連れて行って、
「今日、ソルサールがいた。」
「またいたら、これ、シュー!!」。


 明らかに“不快なもの”という表情で「え?ソルサール?」と反応してくれたホダを見て、
やっと 「ふーん、やっぱ【ソルサール】でいいんだぁ・・・」とちょっと納得できた私でした。
 確かにカサカサ・・・サササー・・・というあの身のこなしを連想する音とも言えそうですしね。


 さて、この【ごきぶり】
日本語だと、ホント苦々しい、というか憎々しい、というかそういう響きを感じます。もちろん、あくまでも個人の感覚ですが、それでも濁音がつく音は一般的に「重い」とか「濁っている」とかのイメージを伴う場合が多いですから少なくとも「清潔さ」や「可愛らしさ」を連想する音ではないと言えると思います。


 じゃ、英語は?
【コックローチ】、でしたっけ?
 そういえば、初めてゴキブリを英語で【cockroach】ということを知ったときも、非常に違和感があったのを覚えています。
 確か、“英語を話す人たちの間ではニワトリの鳴き声は【クックー・ドゥードゥルドゥ】と認識されている”ということを知った時期と重なっていたからだと思うのですが、「なんかニワトリみたいじゃん」と思った記憶が。
あと「時計(clock)みたい」とも思いました。
とにかく、あの風貌(・・・というか当時は北海道在住者だったので生のゴキブリはほとんど見たことがなかったのですが)は想像できないなあ・・・と思ったのを覚えています。



 そして、次に出会ったのがマレイシア【ごきぶり】
  これもある日、一発で覚えたのを覚えています。
しかし、その音は・・・【リパス】(lipas)

 これまた全然【ごきぶり】っぽくない。
日本のごきぶりよりももっと大きくて脂ぎっていて、そのくせ大胆な動きをするくせに、なんだか軽やかな響き。可愛らしい感じさえもします(音だけを聞いていると)。 意外性も加わって逆に覚えやすかった単語と言えるかもしれません。

 
  次はインドネシア【ごきぶり】
 こちらはなんとも「憎たらしいもの」って感じがしますよ・・・
【ケチョァ/クチョァ】(kecoa:kecoak/kecuakという綴りもちらほら)
 いかがでしょうか? 
 んん・・・でも今、改めて音を聞くとちょっと「可愛らしい感じ」もするかも。愛嬌があるというか。



  モンゴル語【ごきぶり】は・・・・・
覚えていない。いなかったっけ?いや、そんなことはないと思うんだけど。
と思ってちょっと調べたら【ジョーム】
(そうだ、そうだ、そうだった・・・と見れば思い出すレベル)
これも濁った感じがあり、かつモジャモジャ動く足を連想させるので【ごきぶり】っぽいかも。



  ベトナム語でもやっぱり思い出せませんので、辞書をチェック。
【コン・ザン】(Con gian)
(あぁ!そうだ、そうだった・・・と見たらやっと思い出すレベル。ちなみにザンの部分は尻上がりに発音するらしいです。これまたあまりにも大雑把な説明ですが。)
この【コン・ザン】も、あんまりきれいな響きじゃないので【ごきぶり】を表す語としては合格ラインかも。(と全く覚えていなかったくせに言ってみたりする・・・)


 ということで、今朝の出来事からの思いつきで、各国の「ごきぶり事情」(違うか・・)をたらたらと書いてきましたが・・・
さきほどホダは約3時間の仕事を終えて、帰っていきました。
台所、その他の場所で【ソルサール】は見かけなかったそうです。

 う〜〜〜ん。

 もう出てきてほしくないけど、ずっと潜んでいられるのももっとイヤ。
 ひとつの単語を覚えるのにこんな精神的苦痛を味わうのもとってもイヤ。

 でも、おかげさまで(?)【ソルサール】は完璧に覚えました!
 

 ※尚、ご存じの通りマレイシア語とインドネシア語は文法的にもよく似ていて、全く同じ単語を使う場合もとても多いです。念のため手元の辞書やオンラインの《Google翻訳》http://bit.ly/iTizeLで調べてみたところ、マレイシア語としても【Kecoa】が、インドネシア語としても【Lipas】が確認できました。
 


<おまけ:日本語の【ごきぶり】の語源>
 驚いたことに100年以上前の「誤記(ごき)」から転じた名前らしいです。ご存じでした??
もともと『御器(ごき)かぶり』(食べ物を入れる器にまでもかぶりつく)という名前だったんだけど、その振り仮名を付けるときに間違えちゃった人がいて、そのまま『ごきぶり』になったとか・・・。
詳しくはこちらをどうぞ:http://gogen-allguide.com/ko/gokiburi.html

カイロに広がる「がんだるまTシャツ」

 カイロにもついに夏がやってきました。

「今年は暑くなるのが遅い」、「過ごしやすい時期が長い」・・・と多くの人が口をそろえて言っていましたが、それでも5月の後半になるとじわりじわり・・・来るぞ、来るぞ〜という感じになってきて、最終金曜日の27日にはついに最高気温が40℃を超すような暑さとなりました。

 そんな暑さの中で開かれたMaadi(マーディ)地区でのチャリティーバザーや、その翌日の「日本人会テニス大会」、
さらにその一週間後に開催された「日本人会ソフトボール大会」会場でも威勢よく(?)売られていたもの。

 それがこの「がんだるまTシャツ」
「がんだるまTシャツ」新色のオリーブ色!
「がんだるまTシャツ」新色のオリーブ色! posted by (C)Makie



 我が家は、この「がんだるま」なるものがいったい何なのかも全く知らずに早々に4枚購入。
我が家の「がんだるまTシャツ」
我が家の「がんだるまTシャツ」 posted by (C)Makie

 6月3日(金)(実は誕生日^^)のソフトボール大会には、「きっとたくさんの人が着てくるはず」とふんで、しっかりユニホーム気分で出かけていきました。

(あら、草太くんなんだか不機嫌?^^;) 


 そして、会場では・・・売り子の皆さんはもちろんのこと、予想通りずいぶんと多くの人が「がんだるま姿」で歩いており、今日この日まで「がんだるまTシャツ」を一度も目にしたことがなかった人でも
「みんなが着てる、あれ、なに??」と認識せざるを得ないような状況になっていました。
(・・・と私には思えました)
 
 さて、この「がんだるま」。
「だるま」なのに、よく見ると頭には三角形のつのが。
岩手県の名前の由来となった「鬼の手形」という民話に出てくる「羅刹鬼(らせつき)」という鬼と
七転び八起きの「起きあがりこぼし」が合体したようなデサイン・・・地元の小学生が書いた絵をもとに作られたキャラクターだそうです。


 さらに「がんだるま」の「がん」には3つの意味が込められているそうです。

がんだるまのがんは岩手の岩のがん
がんだるまのがんは幸せを願うのがん
がんだるまのがんは復興を頑張るのがん
【モリオ・ネット もりおか地域SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)】http://sns.city.morioka.lg.jp/blog/blog.php?key=44510 より


 1枚100L.E.(エジプトポンド=約1,350円)の、この「がんだるまTシャツ」。
売り上げのうち60L.E.が被災地の支援団体に送られるとのこと。(そうですよね?間違っていたら訂正お願いします。ヒロコさん。)
 
 また、日本で生まれたキャラクターをモチーフに作られた「がんだるまTシャツ」ですが、これは全くこっち(エジプト)サイドで商品化された物のため、もし日本の方が購入ご希望の場合はエジプトからの“逆輸入”になるそうです^^

 
 さてさて、どこまで広がるか「がんだるまTシャツ」。

 カイロ在住のあなたはぜひ1枚!


<おまけ:5月27日のチャリティー・バザーでも売られていた「がんだるま」くん>
バザーで売られる「がんだるまTシャツ」
バザーで売られる「がんだるまTシャツ」 posted by (C)Makie
しかし、あの暑さの中・・・・・
1枚5L.E.、10L.E.(100円前後)で古着が売られる中、勇ましくも「100L.E.」の姿勢を崩さなかった「がんだるま」くん(・・・って古着じゃないし。ド新品の復興支援グッズだし)

がんばれ!がんだるま!!



 

歌えたり、歌えなかったりの国歌

 昨日の朝、茶碗を洗いながら何気なく自分が口ずさんでいた歌・・・

ん? 今の歌、なんだっけ?

と思ったら、マレイシアの国歌でした。

しかし、なにゆえ今ごろこんな歌を?
ん?いや、これはインドネシアの国歌だっけ?
(言葉が似ているので時々混乱する・・・)


結局、インドネシアの国歌はもっと軽快な歌だったということを思い出し、一件落着。


しかし、その時、

あれ?エジプトの国歌ってどんな歌だっけ?

そうです。
エジプトに来てすでに半年以上経っているというのに、たぶん私は国歌がどんなものかわからない・・・
聞いたことがあるかどうかもわからないのです。

そして、さらに
あれ?そういえばベトナムの国歌って???
カイロに来る前に丸2年間住んでいたベトナム。

だめだ。思い出せない。
ってか、私、ベトナムの国歌を聞く機会があったんだろうか?



そんなわけで、本日は
ゆかりのある国の国歌オンパレード
お時間のある方はおつきあいください。
各国の国歌の紹介の仕方(映像)にもご注目。

まず
マレイシア
<ヌガラク(Negaraku/我が国)>

 在任時(最初の赴任時)朝礼で毎週聞かされていたので、というか赴任前に予習までしていたので、さすがに20年以上経っても忘れていません。

 で、こんなのも見つけました。
上手いか下手かは別にして、こういうのもマレイシアらしいというか・・・。

マレイシア国歌については、こちらのブログで和訳が紹介されていました。
【満退者の素浪人日記】
http://uiam.at.webry.info/200707/article_20.html



インドネシア
<インドネシア・ラヤ(Indonesia Raya/偉大なるインドネシア)>

 さらに、こんなものを見つけてしまいました。

けっこう貴重なフィルムと思われます。1945年の映像だそうです。
中に書かれた歌詞が昔の表記だったりして、時々「ん?」となるところがまた楽しい。「RAYA」(偉大なる)が「RAJA」(王様)って書かれているけど・・・。じゃ、「RAJA」(王様)のことはどうやって書いたんだろう?あ、「RADJA」・・・とかだっけ?

インドネシア国歌については、こちらのインドネシアの方が書いたらしきものがちょっと面白かったです。
【大インドネシア】
http://www.geocities.jp/wilhelm_burgdorf/indonesiaraja.htm



そして
モンゴル
<モンゴル国国歌/Монгол Улсын Төрийн Дуулал >
とにかくこの映像をご覧ください。
かなりの力作・・・と、私には思えます。

うん、やっぱりすごい。
というか、国民的大物歌手が惜しげもなく国歌を熱唱する様は圧巻!
(とか言いつつメインの男性歌手2名の名前は知らなかったりするんですけど。声は聞いたことあるような気がしますが。)

 しかし、こういう映像(立派な救急車の前に凛として立つ医師と看護婦とか、なんだかとってもカッコイイ感じの航空機とパイロットとか・・・)ばかりだと、自分の知っているモンゴルとはちょっと違うような・・・どこか寂しいような気持ちになる方もいらっしゃるかと思いますので、そんな方はこちらをどうぞ。

懐かしい風景満載です。
心が洗われますね。

そしてこんなものも・・・
これは果たしてギャグなのでしょうか?それとも大まじめ?

いや・・・やっぱりパロディ以外の何ものでもないのは確かだろうけど、
でも、決して笑いを取ろうと思って作ったのではなく、大物歌手になりきって堂々と歌う子どもたちに、見た人は心を揺さぶられる…という類のものなのでしょう。
これもまた、いかにもモンゴルらしいというか・・・。

 他の国も少なからずそうであるように、モンゴルの国歌も時代によって歌詞は変わってきているようです。
【ウィキペディア:モンゴルの国歌】
http://bit.ly/jJUZUI



ベトナム
<進軍歌/Tiến Quân Ca(ティエン・クアン・カ)>

 う〜〜〜〜ん・・・
これを聞いても「あぁ、この曲ね!」と思えない自分が悲しい。
私は本当に2年間ベトナムに住んでいたんだろうか??
まあ、国歌がわかればそれで良しとか、そういうことは全くないと思うけど、それにしてもやっぱり
“その国に触れないで生きてたのね”という感覚はなんとなくぬぐえず・・・。

歌詞の日本語訳はこちらにありました。
【ガイドブックには載っていないベトナム】
http://betonamugaido.info/000-1/cat31/



最後に
エジプト
<ビラーディ・ビラーディ・ビラーディ(بلادي بلادي بلادي/我が祖国)>

 軽快な感じですが、まず歌うのは無理・・・って感じですね。
歌詞はこちらにありました。
【ウィキペディア:エジプトの国歌】
http://bit.ly/g50Dls

 それにしても、エジプトの映像の中に人物の写真が出てきていますが、ほとんど誰だかわからない。
遺跡などの写真も、ピラミッドとスフィンクス以外はいつかガイドブックで見たあそこに似てる?って程度で、かなりわからないところだらけ。
帰国する頃にこれを見たら、どのくらい楽しめるんだろうか・・・などと考えてしまいました。


 
 で、ここで急に
じゃ、日本は?
と思ってちょっと探してみたのですが、画面にどどーんと日の丸が張り付いているだけのものがほとんどで、たまにその日の丸がはためいているバージョンとかもあるのですが、日本の風景やら人々やらが登場するものは見つけられませんでした。
 なんだかなー・・・。

 ってことは、やっぱこれかな。



 
<おまけ> 
世界の国歌 – National Anthem
http://anthem.cool-navi.info/