カナダと言えばアイスホッケー。
カナダのエドモントンという街が次の赴任地と決まり、その街には『Edmonton Oilers』(エドモントン・オイラーズ)というホッケーチームがあることを知ったときには、それはもう嬉しくて・・・。
街ぐるみで応援するチームが存在するところに住めることを心待ちにしたものでした。
その『Oilers』の初観戦。
まだシーズンが始まったばかりの(・・というかプレシーズン開始直後の)9月22日(金)
いや、すごかったです。
いろいろな意味で。
特に、ブダペストであれだけ身近な、そしてアットホームな雰囲気で水球やハンドボールを観戦してきた私たちにとっては、この会場はすごすぎました。
高い・・・。
この高さ。
そしてこの傾斜。
会場の案内によると、私たちが買った席は7階席・・・というか、デパートなどの建物だと7階に相当するあたりに位置していたようです。
なので、
リンクが遠い。
どう頑張ったって選手の表情なんて見えるわけがない。
なので、
会場のど真ん中に、四方から見られる大きなスクリーンが吊り下げられていました。
それにしても広い。
会場となっている、このロジャーズ・プレイスは、収容人数は18,000人以上(!)
私たちが購入したチケット(かなり安い方の席)は、ひとり55カナダドル(¥5,000弱。)
この日のチケットは、まだプレシーズン中ということでこの値段で買うことができましたが、今はこんな値段じゃ買えないようです。日にちによっては100ドル以下で買える席もあるようですが、だいたいは100ドル超え。
この18,000人分の席がほぼ埋まったら・・・いったいいくらになる??
(・・・と、つい考えてしまう)
しかも、そんな試合が毎週2〜3試合ずつ、多いときは週に4試合、来年の4月まで続くらしい・・・。
日本のサッカーとか野球とか、そういうのもほとんど観戦に行ったことがない(そして、選手の声がしっかり聞こえ、表情も丸見えのハンドボールや、ゴール裏で応援していたら水しぶきや時にはボールまでが飛んできた水球の観戦が普通だった)私には
会場のとんでもない大きさも、
ゲーム中のインターバル(休憩時間)のアトラクション的な「ちょっとしたお楽しみタイム」も、
あまりにも新鮮で衝撃的な「初ホッケー観戦」でした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここで「ちょっとしたお楽しみタイム」について:アイスホッケーは20分のピリオド(試合時間)が3回あって、その間に15分程度の休憩時間があるらしく、その休憩時間が比較的長いからか(リンク整備の関係?)例えば以下のような企画が用意されていました。
①会場の司会者(?)が観客に「みんな、そろそろお腹が減ってきたかな〜?それじゃぁ・・・ハンバーガー・ターーーイム!!」と叫ぶ。すると観客席の通路のあちこちにレースクィーンのようなお姉さんがハンバーガーを手に登場。それを客席に向かって投げる。観客はそれを受け取ろうと立ち上がったり手を伸ばしたり。無事GETした人はそのハンバーガーを美味しくいただくことができる。
②再び会場に響く声。「さぁ!今度はTシャツ・タイムだーー!!」。すると、また通路にレースクィーンのようなお姉さん登場。もちろん手にしているのはコンパクトに畳んで丸められた「Tシャツ」。そして観客に向かって投げられるTシャツ。それを受け取ろうと思わず立ち上がってしまう・・・。(取れませんでしたけどね)
③試合中に選手たちを映してくれる真ん中の大きなスクリーンは、休憩タイムは観客席のあちらこちらを映します。自分たちが映っていると分かるとやっぱりみんな嬉しそうにカメラに向かって手を振ってしまうものですが・・・司会者の一言で、『スクリーンに映ったカップルはKISSをする』というお約束の時間があるようで・・・。いや、皆さんおみごと。大きく映し出されたカップルは例外なく、ちゃーーーんとみんな「チュッ!💋」としてました。
なんというか・・・この会場にいる1万人超の人たちは、確かに「大好きなホッケーを応援しに来ている」のは間違いないんだろうけれど・・・でも、それプラスこの雰囲気。ホッケー以外にもハンバーガーやTシャツや、もしかしたら知ってる人がスクリーンで「チュッ💋」とかしてるのが見えちゃうかも・・・というワクワク?ドキドキ?な時間をみんなで共有できる楽しさ。
これがホッケーの底力かぁ・・・と思いました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、話はちょっと前に戻ります。
オイラーズを応援するなら、やっぱり・・・ということで、
初心者の私たちも、まずは形から入ってみることにしました。
この日入荷されたばかりのオイラーズ・ウェアたち。
でも、よく見るとほとんどが「97」。
昨シーズン、ダントツの大活躍だったキャプテンのコナー(Connor McDavid)選手の97番ユニホーム。
昨シーズンの終わり頃・・・ちょうどオイラーズが11季ぶりにプレイオフ進出を決め、非常に盛り上がっている時期にエドモントンに赴任した夫は、コナーの活躍ぶりも見聞きしていたようで、やはり買うなら「97」を・・・と。
そして、そのコナー選手は、今シーズンもガンガン飛ばしているようです。
残念ながら背番号が入ったユニホームは大きなサイズしかなかったので、私とみどりはとりあえず今回はチーム名入りのTシャツを。
でもこの日、まだゼッケン入りのユニホームを買わないでよかった・・・と、実は思っている私。
なぜなら、多分、このシーズン中に発売されることになるであろう「56」のユニホームを買うのだ! と心に決めているから。
未だに『エドモントン・オイラーズ』のチーム公式ページの選手登録名簿に写真が貼られていない(※2017年10月4日現在)「56」のKailer Yamamoto 。
おじいさんが日本人の日系アメリカ人選手で、今シーズン初めてオイラーズと契約を結んだ19歳。6月のドラフトの時期から(その前から?)かなり話題になっていたらしい(もちろんその頃のことは私は全く知りませんでしたが・・・)期待の新人。
(オイラーズさん、早く彼の写真を入れてあげて・・・)
初観戦の2日前の水曜日の晩、「いくら初めてでも選手のゼッケンと名前くらい覚えておかないと・・・」と、夫と二人でオイラーズのウェブページをチェック。登録選手名簿を見ていくと、「あれ? まだ顔写真がない選手がいる。」「今シーズンからの新人選手だね、きっと・・・え?日本人??」
Yamamotoという名字がパッと目に入ったけどファーストネームがKailerとなっているから、写真がなくてもすぐに日系の選手なんだろうと察しはつきましたが・・・
でも、やっぱりなんとなく応援したいという気持ちになってしまうもので・・・。
でもとにかく、まだこのチームに入ったばかりの選手であることは明らかでした。
今はゼッケン番号「56」がしっかり書かれていますが、最初に見た時は確かそこも空欄で、このプレシーズン中の活躍次第でレギュラーの座をGetできるか・・・という立場であろうことが、この写真なし、ゼッケンなしの名簿から想像できました。
つまり、この数日間の試合に「このチームでの今後」がかかっているということ。
よーし、ちょっとでも試合に登場するような場面が来たら思いっきり応援してあげよう!
そんな親心みたいな気持ちを抱きつつ(Kailer Yamamoto19歳。このくらいの息子がいてもおかしくないという衝撃の事実)、初めてのアイスホッケー観戦に出かけていったのですが、
最初から意外と出番が多かったYamamotoは、この日、なんとチームの5得点のうち2点を入れる、という大活躍ぶり!!
私たちの後ろの席からは、何度も「Let’s Go! Oilers!! Let’s Go ! YAMAMOTO!!」という威勢のよい男性ファンの声援が聞こえてきました。
👆試合途中の休憩時間にヒーローインタビューのようなのを受けるカイラー・ヤマモト。
5−3での勝利。
そのうち2点が新人のカイラー・ヤマモトの得点。
初めて見に行ったアイスホッケーの試合で、
会場の広さに圧倒され、
選手との「遠さ」にかなり呆然としていた私にとって、このYamamoto選手の活躍は本当にありがたいものでした。
あの日の観客数が何人だったのかはわかりません。
でも、アイスホッケーがあんな広いアリーナで行われるスポーツである以上(もちろん学生の試合などはもうちょっとこじんまりとした会場で行われることもあると思いますが) コートにいる選手から応援に来ている一人ひとりの顔が見える、ということはまずあり得ないでしょう。
観客席から「応援に来たよ〜!」、「がんばれーーーー!!!」などと声をかけたところで、選手に聞こえるわけがない。
しつこいけど、選手は遠い。 遥か下の方。
いくらスクリーンに大写しになってもやっぱり生(なま)の動き、生(なま)の表情が見たい・・。
そんなふうに思ってしまっていた私の心の中にも
「でも、見に来てよかった」「また見に来たい」
試合が終わる頃には、そんな気持ちが湧いていました。
「ホッケー観戦」に集まった多くの観客をいろいろな企画で楽しませようというエンターテイメント性の高さに感心させられた、ということももちろんあったと思います。
でもやっぱり今回は、「新人カイラー・ヤマモトの活躍」というのが大きかったかなぁ〜。
プレシーズンもおわり、2017年シーズンがすでに始まった今、オイラーズ観戦チケットはこの日よりもずいぶんと高くなっているようです。
でも、またいつか近くに応援しに行きたいなー・・・たとえそれがビルの7階からの距離であっても。
いや、でもやっぱり次はもうちょっと選手に近いところがいいかな。
そして、
その時は、ぜひ「56」のユニホームを着て行きたいので、オイラーズさん、ぜひともお早目の「56」ユニホーム販売を実現させてください。
ん? オンラインとかで注文できたりするのかな?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【プレシーズン開始直後から注目選手だったカイラー・ヤマモト】
・NHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)NEWS(September 18th, 2017)
【その後も活躍を続けているらしいカイラー・ヤマモト】
・Oilers Blog(October 3rd, 2017)
・ 〃 (October 2rd, 2017)