やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

花の色は移りにけりないたずらに・・・・  

 今年の後半になってから、少しずつ「百人一首」に触れる機会が増えてきました。

 まず、日本人学校に通っているみどり(小2)が学校で習い始めたようで、毎日出される宿題の中の「音読」でも今までのように教科書の中の詩などを読んで聞かせてくれるもののほかに、「百人一首」の歌を何首か聞かせてくれたり、というのが増えました。
 小学校では2011年(平成23年)度から実施されている新学習指導要領の3,4年生の「国語」の中に

ア 伝統的な言語文化に関する事項
(ア)易しい文語調の短歌や俳句について,情景を思い浮かべたり,リズムを感じ取りながら音読や暗唱をしたりすること。 

というのがあるようでhttp://bit.ly/VhKeM1、3年生になると「国語」でしっかりと「百人一首」を習うようになるとか。その準備ということで下の学年からも少しずつ「百人一首」に触れる機会を作っていこう、ということなのかもしれません。


 11月に来春入学予定の草太を連れて日本人学校の「入学説明会」なるものに行った時も1年生の教室で一緒に授業を受けさせてもらえる時間があり、草太は1年生の“お兄さん・お姉さんたち”と「かるた」で遊ぶ・・・いや、語彙力を高めるアクティビティに参加させてもらったのですが、この1年生クラスでも普段から「百人一首」を積極的に取り入れているそうで、教室の壁にはこんなナイスな教材が掛けられていました。

『百人一首暗唱めくり』日めくりカレンダーのように、縦長の紙に一首ずつ大きくひらがなで歌が書かれているもの。(中身を撮っていなかったというのがイタイ・・・)


 そして全く良いタイミングで、11月の草太の誕生日に日本のじぃじ・ばぁば(夫の両親)から届いたプレゼントの中にはこんなものが!

『オフロでおぼえる百人一首表』25首ずつ4枚の紙に分けられているコンパクトさが魅力。


 先週末の我が家での《年の瀬の集い》でも、お客さんの一人ががっちりと『競技用かるた』を携えて来てくださり、本当に何年か(十何年・・・何十年??)ぶりで、まともに「百人一首かるた」をする機会に恵まれました。
大人を相手に初めて「百人一首かるた」に挑んだみどりも、なんとか8枚くらいは取れていたようでした。(ん?もっと少なかったかな?)



 で、こんなふうに「百人一首」づいている日々について書いてきましたが、これらは実はほんの前置きで。


 二日前に北海道に住む母から届いたメールに、私はぶっ飛びました。

[きれいなアレンジフラワーが届きました。]から始まったメールには、ネットを通じて配送を手配したお正月用のアレンジフラワーが無事に届いたこと、それを玄関に飾ったこと、そして「子どもたちのところにはサンタさんは無事来たのかな?」などとこちらの近況をうかがうような内容が書かれており、そして最後に、なんとなく取って付けたような文章でこう書かれていました。


[あのね、花にカードがついていたの。小野小町の歌で《はなの色はうつりにけりないたずらに わがみよにふるながめせしまに。》
あ、もうひとつ《来年も素敵な年になりますように。》
どちらのメッセージもありがとう。]

 
 一瞬、「???」
なぜに和歌が添えられている!??
しかも、その歌の意味って・・・こういうおめでたい気持ちを込めて贈る花に添えられるようなものだったっけ??

いやいや、これって・・・・

と思って、調べてみたら(いや調べるまでもないですが・・・)

やっぱり、【花も私も虚しく色あせてしまったわ】的な意味じゃあないですか。

一体全体どういうわけで、新年を祝う気持ちで遠方に住む母(来年古稀(のはず))に贈った花にこの歌が??


・・・・しかも、あの母に。※この部分、お分かりになる方には充分お分かりいただけるかと思い、敢えて説明はいたしません。


 何かの手違い、というよりほとんどなにも考えていないトンチンカンなサービスってことなのでしょうけど、それでも私には

[私がそんな歌を一緒に贈るようになんて頼んだわけじゃないからね! こっちからのメッセージは《来年も素敵な年になりますように》の方だけだからね!]と弁明するのが精一杯。


 あとで母からも
[単にお正月気分という事で和歌を添えただけ、としか思えない。もちろん意味なんて全く考えていない、というか解っていないね。]との返事が届き。


 それにしたって、あんまりにもあんまりなこのサービス。

 なんだか海外で、日本語がわからない(のだろう)外国人が胸に大きく《痔》とか《やわらか冷凍》などと書かれているTシャツを着て堂々と街を歩いている姿が頭をよぎりました。
 ※参考:http://bit.ly/Up42iZ

 
 そんなわけで、とりあえずこういうトンチンカンなサービスを続けるのは止めてもらった方が世の中のため・・・と思い、つい先ほど、
[今後はせめて送り主に許可を得るなりの配慮が必要なのではないでしょうか?]という一言で締めくくったいわゆる『クレーム・メール』(?)を【花キューピット】さんの方に送ってしまいました。

 
 「和歌」と聞くと、なんとなくそれだけで教養が見え隠れしているように思えちゃったりすることもあるかもしれませんが・・・
「使い方」は間違えないようにしたいものです。


 みなさんもお正月、『百人一首』を楽しみますか??





 http://bit.ly/12SbbLw
桜の花の色はすっかり色あせてしまったわ。何日も雨が降っている間に。そして私の美しさも衰えてしまったわ。もの思いにふけっているうちに。(『オフロでおぼえる百人一首表』より)